笑顔さわやかアナが愛知・豊田市足助町の『つぼんこ』を調査! 竹に寒天を流し込んだ伝統的なひな菓子!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている!その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。
今回は、『愛知県豊田市足助町(あすけちょう)』です。3月12日まで、信州から続く中馬街道沿いの家々でおひなさんを飾り、待ちゆく人に楽しんでもらうイベント“中馬のおひなさん”が開催中。そんな町の愛されフードは『つぼんこ』です。
皆さんに聞き込みをすると、子どもの頃、家で作っていたという人も多い、竹に寒天を流し込んだ足助町の伝統的なひな菓子で、中馬のおひなさんの時期になると『加東家(かとうや)』という店で販売するとか。
松本アナが『つぼんこ』を求めて街道沿いを歩いていると、足助の観光名所の“香嵐渓名物 シシコロッケ”と書かれたのぼりを発見。おじゃますると、立派なひな飾りが迎えてくれました。この店は、明治創業の和食処直営の精肉店『井筒亀(いづがめ)』。山の恵みを手軽に楽しんでもらおうと、中馬のおひなさんが始まった20年ほど前から、猪肉が入った『シシコロッケ』を売り出しました。山芋に味噌、ショウガも入っているという、ひと味違ったコロッケで、「食べ歩きができるように」と中馬のおひなさんがきっかけで生まれた名物でした。
コロッケを堪能し、次に向かった先は、創業70年以上という和菓子店『加東家』。お目当ての『つぼんこ』は、細めの青々とした竹筒に、ほんのり桃色に染めた寒天が詰まった、昔ながらのシンプルなお菓子。砂糖を溶かした寒天を竹筒の中に流し込み、冷やして固めると出来上がりです。
食べる時にはコツがあり、竹筒に空気を入れないと寒天が出てこないため、枡に釘を打った手作りの専用道具で、3代目が底に穴をあけてくれました。あとは上から「思いっきり吸う」と出やすいとか。松本アナは言われたとおりに竹筒をくわえて吸うと、中から寒天が。「口当たりがなめらかで、ほんのり甘くて懐かしい味がする」と足助で親しまれている味を楽しみました
竹かんてん…通称『つぼんこ』は本来、年中あるものですが、『加東家』では中馬のおひなさんのイベントに合わせて作り始め、毎年この時期だけ販売。(今年は3月12日まで)
元々この地域のひな祭りに深い関わりがあるそうで、昔、地元の子どもたちが各家庭のひな飾りを見てまわり、お菓子を貰える“がんどう”という行事があったとか。いわば日本版ハロウィンで、「おひなさん見せて~」というと、家主がおひなさんにお供えしてある『つぼんこ』をふるまってくれたそうです。
3代目のお母さんは、この行事を子どもの頃に経験していて、「家々で味が違うので、とてもおいしかった」と思い出を語ってくれました。
“つぼんこ愛”が止まらない母親の思いも受け、「外に発信するんじゃなくて、母たちの子どもの頃のカルチャーを今後も伝えていければ」と、地域独特の風習の伝承に余念がない3代目でした。
(3月3日(金) CBCテレビ「チャント!」より)