「置きにいったボールは“死に球”になる」―。9回のマウンドに帰ってくるであろうドラゴンズ・鈴木博志が心に刻むべき、レジェンド守護神・岩瀬の教え

「置きにいったボールは“死に球”になる」―。9回のマウンドに帰ってくるであろうドラゴンズ・鈴木博志が心に刻むべき、レジェンド守護神・岩瀬の教え

【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】

CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

このコラム(?)はサンドラを見られなかった全国のドラ友に話したい! と、ある意味一方的に情報を共有するコラム(?)である。
6月30日の放送は、サンドラが“ある選手”の背中を押そうとする、言うなれば激励特番(というのは勝手な感想)。“ある選手”とは・・・今現在もセ・リーグで2位タイのセーブ数を誇りながら6月7日に登録抹消となり2軍で調整を続ける鈴木博志投手。

ファンの間から「ランナーを出し過ぎる」とか「安心して観ていられない」など厳しい声も上がり、しまいには「他人(キンブレル)の真似ごとをしているからダメなんじゃないの」とまで言われる始末。そりゃ、確かにハラハラドキドキする場面が多かったけど、数字は残してるじゃん! キンブレルを模写したあのスパイダーアームだって本人いわく「投げ急ぐ悪い癖を防ぐ意味もある」と意図があってのこと。それを知っていた筆者は支持する一人だったけど・・・、抹消直前の登板ではスパイダーアームも止めてしまったのだから事態は深刻。2軍調整も致し方なかったわけで。

代わってクローザーを務めているR・マルティネスが2敗を喫しながらも3セーブと少しずつ安定感を増してきているのだから万事解決かといえばそうでもなく、7月の中旬からキューバ代表に招集されてチームを離れることが決定事項。与田監督の構想はふたたび鈴木博をクローザーで起用するらしいとのこと。
そこで、番組が提言を仰いだのは伝説の守護神・岩瀬仁紀さん。絶対的存在であり続けた岩瀬流投球術を含む3つの金言と、伝説のいぶし銀・井端弘和さんが野手目線で鈴木博に送った助言を共有したい!!

岩瀬流・調子が悪くても抑える投球術「ストレートはコースを、変化球は高さを間違えない」

「抑えていても一度の失敗で信頼を失うことは簡単。いかに継続するのが難しい世界。まずは1年間結果を出さないことには信頼は得られません」

まさに、今季の鈴木博はその通り。一定の成功を収めていたものの、失敗が続いたことで信頼は跡形も無く消え失せたのが現状。そこで岩瀬さんが鈴木博に伝えたことは「結果を出し続けるためにはどうするべきか」―。岩瀬さんの投球術、披露です。

「調子がいい時は年に10試合もないんです。調子がいい時に抑えるのは誰でもできると思っています。調子が悪い時にどう抑えるかを覚えないと1年間を通して抑えることはできません。(そのためには)ストレートはコースを、変化球は高さを間違えてはいけない。ストレートは狙ったコースにいっていれば、なかなかバットの芯には届かないので。変化球は高く浮くとスタンドに持っていかれますから」

ここまでの岩瀬さんの言葉を聞くと、結局はコントロールがすべてなんですね! と思ってしまいがちなところ、でも真理には続きが。それが一番重要な肝。

「(ただし、ストレートも変化球も)結局は腕が振れていてはじめて抑えられるもの。すべてはそこが大前提です」

岩瀬流・窮地を凌ぐための投球術「コースは内角か外角の“2分割”を狙う大胆さを」

「サンデードラゴンズ」にゲスト出演する井端弘和さん©CBCテレビ

コースや高さを意識するあまり腕が振れなくなると、どうなってしまうのか? その答えは、じつに分かりやすい表現を用いた説明に思わず納得。

「置きにいったボールは“死に球”になってしまう。いくらコントロールしても打たれることがわかったので、そういうボールは投げないようにしようと思いました」

コースや高さを狙いどおりに投げられても“死に球”に救いの道はなし。“生きた球”を投げるにはしっかりと腕を振らなければいけないと考えていた岩瀬さんは窮地の時こそ、その思いを強くしたとのコト。

「追い込まれたときは2分割で内角か外角か。逆にそれぐらい大胆にならないと抑えられない」

ちなみに岩瀬さんは“腕を振る”重要性を、鈴木博に直接話したこともあるそうです。

岩瀬が“今”の鈴木博志に思うこと「自信を持って投げられる絶対的な武器を」

今季の鈴木博を分析した岩瀬さんの評価はやはり厳しい評価に。

「ただ球が速いだけでは通用しないと思ったはず。自分で自信を持って投げられるボールがないと。このボールならいつでもストライクがとれるというボールがあればすごく助かるんですけど・・・。ストレートもカットボールもその自信がないのかなと思います」

絶対的な武器となる球種の習得は必要不可欠としながらも、最後に説いたのはマウンド上での立ち居振る舞い。

「結局は9回のマウンドは自分との闘いなので。弱気になるところを見せないようにやっていかなければいけない」

そんな復活に向けて投げ込みをする鈴木博の投球フォームにひとつの変化が。それはワインドアップで力強く腕を振る姿。

竜OB・井端から鈴木博志へ助言「ベース板を通過する球速がいかに速いと感じさせるか」

「サンデードラゴンズ」より中日・鈴木博志投手©CBCテレビ

若狭敬一アナウンサーの情報によれば、ワインドアップに変えた目的は下半身をより使って球威を取り戻すため、とのこと。井端さんは打者目線から鈴木博の課題を指摘しておられました。

「球速にこだわるのも大事だと思いますが、バッターが一番怖いと感じるのはあくまでベース板の上を通過するボールが速いかどうか。ここが速いと感じさせられると、バッターは前で打たないといけないと思ったり、いろいろ考えさせられるんです。そう思わせることで打ち取る可能性は高くなりますから。鈴木投手のボールをバッターはベース板の上で速いとは感じていないと思います。あとは、岩瀬さんが言うように腕を思い切り振ることが大事だと思います」

さぁ、レジェンドから数々の金言が降り注がれた鈴木博はいかなる変貌を遂げて9回のマウンドに帰ってくるのか―。幸いなことにセーブ数はリーグ2位タイにつけており、最多セーブのタイトル獲得も夢の話ではない。反攻の後半戦に向け、鈴木“キンブレル”博志が竜の守護神に成り上がる様を、とくとご覧あれ。

(でも、個人的には吉見投手をクローザーに推したいサンドラ視聴歴約30年のアラフォーな竜党 ~ 球威で押す“ロド&R・マル”に守護神見習いのキンブレル博志を加えたトリオが6、7、8回を完全制圧。一転、9回はチーム随一の制球力を誇る吉見が投球術を駆使して締めくくる「新・勝利の方程式」で奇跡のAクラス進出と与田竜1年目の優勝を期待して・・・しかし、モヤの金銭トレードは絶対後悔すると思う!! そう、かつてのブライアントのように ~)

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