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言葉ではなく攻守で示す“すべては勝利のため” 高橋周平、与田監督への想いにこたえるキャプテンシー

言葉ではなく攻守で示す“すべては勝利のため” 高橋周平、与田監督への想いにこたえるキャプテンシー
ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』

言葉ではなく攻守で示す“すべては勝利のため” 高橋周平、与田監督への想いにこたえるキャプテンシー

 2019年6月18日(火) 10:10
竹内 茂喜
竹内 茂喜
CBCテレビ:画像 『サンデードラゴンズ』

「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」

キャプテンを任せた意図

昭和の時代、チャンスに強いバッティング、そして美しいバックトスでファンを唸らせた高木守道氏、平成に代わって、攻守でチームを牽引したのは立浪和義氏。ともにミスタードラゴンズと称された稀代の名内野手というのはドラゴンズファンでなくても野球ファンであれば誰もが知っているはず。現世は新たなる元号・令和。新時代にふさわしいミスタードラゴンズ候補生が名乗りを上げた。高橋周平だ。

昨シーズン、7年目にしてようやく規定打席に到達。彼が持つポテンシャルではまだまだ満足できない。そんな思いからか、今季から指揮する与田監督は彼にキャプテンを任せた。キャプテンを任せた理由として常日頃から

“チームを引っ張って欲しいという意味ではない”

と、話す。それ以上の詳細を言い表さないが、思いはきっとこうだろう。

“自覚を持ってプレーして欲しい”

いわば大人として認めた証。父親が成人となった息子に身につけていた時計を贈る。それと同じように、キャプテンという称号を授けることで、チームの主力としての“覚悟”を抱いて欲しい、そんな願いが込められたものではないかと妄想してしまう。

そんな思いに周平は応える。

『自分ができることとレベルアップを心掛けやっていました』

ポイントを前に

中日・高橋周平選手©CBCテレビ

自主トレ、キャンプと自らを心身ともに鍛え上げた。傍目から見ても、周平の体つきは一変。特に下半身の充実ぶりは目を見張るものがあった。

沖縄キャンプで周平のバッティングを見て、解説者の赤星憲広氏は、

『何に驚いたかというと下半身のどっしり感、安定感です。下半身がスイングしにいって、それに上半身がついてきているように見える。去年よりも数段よく見える』

と、シーズンの活躍に太鼓判を押した。

赤星氏の言葉通り打撃開花。
開幕と同時に周平は打ちに打った。

開幕から17試合で2度の猛打賞、打率も.339まで上がり、チーム3年ぶりとなる貯金にも貢献する働きを見せた。

しかしその後、バットから快音がピタっと止まった。およそ半月(5/5まで)の間で打率は.243と1割近くも急降下。当時の思いを周平は冷静に分析する。

『オープン戦からずっと打撃練習もいい感じで来ていたんですけど、1試合、1球でバッティングが崩れることをもう一回再認識できた。調子が悪くなったら、こうなるというのが分かった』

昨年までの周平であればズルズルと不振が長く続いたのかもしれない。しかし今年は違う。ここが与田監督の望んだ“主力としての自覚”である。

『打撃克服した一番の要因は打つポイントです。悪い時はポイントとインパクトが一緒になっていた。自分がしっかり反応できるポイントが分かり始めてから良くなっていきました』

打つポイントを前に。

その感覚を身につけた途端、周平のバットはまさに打ち出の小槌。人が変わったかのようにヒットを量産した。

まさにミスターメイ

5月はまさに周平に用意された一ヵ月のようであった。13本の二塁打を含む40安打を放ち、打率.417、29打点を叩き出した。とりわけ得点圏打率.485はリーグトップをマーク。猛打賞8回の日本記録に並んだ。

周平好調の要因。立浪、谷繁、井端、ドラゴンズ黄金期を支えたサンドラ解説陣3人は揃って同じ分析を唱えた。

それはバッターボックスに立つ姿勢。

以前のように前かがみではなく真っ直ぐ立つ。そして打つポイントを前に変えたことで、苦手だったインコースも苦にしないようになったのである。データを見ても去年と比べて、インコースのボールを格段に打てるようになったのが見て取れる。

すべてはチーム勝利のために

ただ周平の顔に笑顔はない。自分自身がいくら打ったとしてもチームが勝てなくては心底から笑うことはできないのだ。

周平はインタビューを受ける度、一貫して同じフレーズを答える。

『チームが勝つことが一番』
『試合に勝つことだけ考える』
『とにかく試合に勝ちたい』

個人の成績よりも試合に勝つことが最優先。打てない時は守りでチームに貢献する姿。今シーズン、周平の守備でどれだけ失点が防いでいることか、ゲーム後、彼の泥だらけのユニホームを見て、どれだけフォアザチームであるか、ドラゴンズファンの方なら納得するはず。

言葉では発しないが、姿をもってチームを牽引する。素晴らしいキャプテンシーではないか。

チーム成績は思いのほか上がらず、苦戦が続く。しかしケガ人が復帰し、戦力が一人二人と整っていけば、昇竜のごとく、チーム力も必ずや上昇していくであろう。

チームのため、勝利のため。
周平のプレーひとつひとつがチームを鼓舞し、明日の戦いに望みをつなげる。

信じよう!そして今以上に声をあげて応援しよう!チームの勝利を願い続けて戦う、キャプテン周平のためにも!

今こそ大声で叫ぼう!
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!

(ドラゴンズライター 竹内茂喜)

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