いい人と出会い、何度かデートを重ねていくと、ふと現実に引き戻される瞬間があります。それが「お金の問題」です。食事代はどっちが払う?ワリカンにする?本音はあるけれど、空気を壊したくなくて言いづらい…。そんな経験がある女性も多いのではないでしょうか。お金の話は、決して下世話なことではありません。むしろ、これからの関係性を映し出す大切なサインのひとつ。無理せず、気まずくならず、いい雰囲気を保つためにはどう向き合えばいいのか。me:tone編集部は、その本音をそっと掘り下げてみました。「奢ってほしい」と思う気持ちは、実はとても自然なもの「隣の女性」のリアルな本音を伝え、「今」を生きる女性たちを応援したい――。そんな思いからCBCテレビが立ち上げたのが、「me:tone編集部」です。今回は、婚活業界で長く現場を見続けてきたブライダルサロンbouquetの佐藤香織さんに、「デート時のお金の問題」について話を聞きました。初めてのデートや、出会って間もない頃の食事。金額としては、お茶やランチで1,000〜2,000円程度というケースも多いでしょう。佐藤さんの結婚相談所に通う女性の中にも、そのような場面で「できたら奢ってもらえたら嬉しいな」と感じる人は、決して少なくありません。以前の記事『「男性がリード」「派手な結婚式」はもう昔?今の“名古屋の恋愛・婚活事情”のリアル”』でも触れましたが、デートの現場における金銭感覚の問題は、名古屋だからというよりも「自分はどう感じたいか」を大切にしたい、という視点に行き着きました。それは、相手に負担を押し付けたいからでも、お金を払いたくないからでもありません。「大切に扱われていると感じたい」「これは友だち同士ではなく、ちゃんと“デート”なんだと実感したい」そんな、ごく素直な感情からくるものだと、佐藤さんは話します。佐藤さん:「初回デートで奢ってもらえると、“あ、これは、ちゃんとデートなんだな。恋愛対象として見てもらえているんだな”って、少し安心します。金額じゃなくて、気持ちの部分ですね」年代によって受け取り方は少しずつ違います。20代では、環境によっては「自然とワリカン」というケースも珍しくありません。me:tone編集部:「友だちとの食事とは違う、“デート感”を感じられるかどうかって、意外と大事かもしれないですね。」人生経験を重ねるほど、行為そのものよりも“そこに込められた気持ち”を重視するようになるのかもしれません。CBCテレビme:tone編集部「自分で払いたい」女性たちの、言葉にしにくい本音一方で、「奢られるのは正直ちょっと気が引ける」「自分の分は自分で払いたい」と考える女性もいます。佐藤さんによると、特にある程度自立して働いてきた女性や、高年収の女性にその傾向が見られるそうです。佐藤さん:「まだどうなるか(結婚するか)分からない段階で、全部出してもらうのは少し重たく感じてしまう人もいます」これからどうなるかわからない関係性の中で、相手ばかりに負担をかけてしまうことへの違和感。もし交際が終わってしまったら…。そんな現実的な視点が、ふと頭をよぎることもあります。佐藤さん:「“どこまで甘えていいんだろう”と、デートへ行く前からモヤモヤしてしまう女性も少なくありません」自分で払いたい気持ちはある。けれど、それをどう伝えれば角が立たないのか分からない。お金の問題は、“正解がないテーマ”だからこそ、言葉にするのが難しいのかもしれません。CBCテレビme:tone編集部男性側の本音に、少しだけ想像力を働かせてみる佐藤さんはこのテーマを考えるとき、女性同士の気持ちだけでなく、男性側の本音にも少し目を向けてみると見え方が変わってくるとアドバイスしてくれました。佐藤さん:「“奢るのが嫌”というより、奢ることが“どう受け取られているか”が気になる、という男性は多いですね」多くの男性が口をそろえて言うのは、「奢ること自体が嫌なわけではない」という点。ただし…。佐藤さん:「奢ってもらうのが当たり前、という相手の態度を感じると、一気に気持ちが引いてしまうこともあるみたいです」年収が同程度、あるいは自分の方が少ないと感じている男性にとっては、毎回の全額負担がプレッシャーになることもあると続けます。一方で、高年収の男性が求めているのは“お金の価値”より“反応”。佐藤さん:「『今日は楽しかったです』『ご馳走さまでした』って笑顔で言ってもらえるだけで、相手の気持ちは全然違うんです」そんな一言があるだけで、「払ってよかったな」「また会いたいな」と感じるのだそう。婚活に限らず、人と人との関係は、相手の反応があってこそ成り立つもの。恋愛もまた、小さなキャッチボールの積み重ねなのかもしれません。CBCテレビme:tone編集部奢る・奢られるよりも大切なのは「その後の振る舞い」「お金の話をすると、現実的すぎてムードが壊れそう」と感じる女性は少なくありません。しかし実は、お金の話は関係を壊すものではなく、むしろ整えてくれるテーマでもあります。佐藤さん:「奢ってもらったかどうかより、そのあとにどう振る舞うかで関係性は見えてきます。どちらを選ぶかよりも、“どうしたらいいか”を相手任せにしすぎないことも大切です」気になっているなら、自分から「ここは私が」と声をかけてみる。次のデートで映画の予約を引き受け、チケット代を自分で払ってみる。“察してほしい”と様子を見るのではなく、ときには自分から小さなアクションを起こしてみる。それが関係を前に進めるきっかけになるのだといいます。初回デートでは言い出せなくても、2回目、3回目と関係が続くなかで、「前回はご馳走になったので、今回は私に任せてくださいね」と少し照れながら伝えてみる。それだけでも空気はやわらぎ、恋愛らしい距離感が生まれます。どうしても受け取ってもらえないタイプの男性には、別の“お返し”もあります。「これ、地元で人気のお店なんです。よかったら」ちょっとしたお菓子や手土産は、「あなたのために選びました」というメッセージそのもの。金額よりも、心を向けた時間が伝わります。CBCテレビme:tone編集部佐藤さん:「男性側も、“自分のことを気にかけてもらえた”という事実が、すごく嬉しいんです」交際が深まれば、生活や結婚に直結するお金の話は避けて通れません。だからこそ、早い段階から小さなテーマとして向き合っておくことは、将来の安心感にもつながります。佐藤さん:「言いにくい話こそ、交際の初期段階からお互いにしていけるよう少しずつ練習しておけるといいですね。遠慮や我慢を重ねるのではなく、思ったことを伝え合える関係を築けるかどうか。“この人と一緒にいると心地いい”と思えるかどうか。それが一番大事ですね」今回の取材を通してme:tone編集部が感じたのは、お金という現実的なテーマの先にあるのは相手の価値観だけでなく、自分自身がどんな関係を望んでいるのかという問いでもある、ということでした。CBCテレビme:tone編集部(adobefireflyで作成)