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「彼がいたから今の自分もいる」青木功・中嶋常幸・石川遼が語るジャンボ尾崎 記録を超えた記憶とは

「彼がいたから今の自分もいる」青木功・中嶋常幸・石川遼が語るジャンボ尾崎 記録を超えた記憶とは
尾崎将司選手(C)CBCテレビ

「2人でゴルフ界こうやって背負ってやってきたけど、今こうなってみると、なんか何も言葉ないな。なんでっていうだけの言葉しかないよ」。

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【動画】「おまえがいたから今の自分がある」青木功がお別れの会で語った、生涯のライバルへの本音がこちら【中日クラウンズ】

日本最古の民間トーナメントとして知られる中日クラウンズ。その舞台であり魔物が棲むと恐れられる屈指の難関・和合コースで、最多タイの5勝を挙げた「王者の不在」を私たちは今、深く噛み締めている。
彼が和合の芝の上に残した巨大な足跡は、単なる勝利数という記録だけでは測れない。青木功、中嶋常幸、石川遼が語った言葉からは、記録を超えた記憶と「人間・ジャンボ尾崎」の真の姿が浮かび上がってくる。

尾崎将司選手(C)CBCテレビ

AON時代の熱狂と、立ちはだかる「巨大な壁」

日本のゴルフ界を熱狂の渦に巻き込んだAON時代。青木功と中嶋常幸にとって、ジャンボ尾崎は常に立ちはだかる巨大な壁であった。

尾崎将司選手(C)CBCテレビ

中嶋は当時を振り返り「あの2人を負かしてこそ日本一なんだ」と語る。ジャンボとの優勝争いは他の選手とは全く異なり、どこからでもバーディーを奪ってくる隙のなさがあったという。「ギリギリの勝負で勝つってこれほど楽しいことないじゃないですか。予測できるような優勝じゃなくて、なりふり構わず自分のすべてをぶつけていって、そして勝てる試合っていうのはこんなに楽しいことはない」と、中嶋はその圧倒的な強さと競り合う喜びを熱っぽく懐かしむ。

中嶋常幸氏(C)CBCテレビ

一方、青木はジャンボを「長い方のつっかえ棒」と表現した。「彼が出てきたときに私がつっかえ棒してたからでしょう。彼がいたから今私もいるんだと思うし、やっぱりゴルフ界に残したのは相当な財産ですよ」。言葉を交わさずとも、互いのプレーで牽制し合い、高め合った2人。青木は「自分の人生、自分の生涯のライバルはジャンボで、お前がいたからこそ今の自分がある」と最大の敬意を表している。

青木功氏(C)CBCテレビ

野球時代から培われた精神力と、探求し続ける姿勢

ジャンボ尾崎の凄みは、元プロ野球選手という圧倒的なポテンシャルだけではない。華やかなパフォーマンスの裏で、誰よりもゴルフを深く考え抜く求道者であった。
中嶋は「本当の姿はいつもゴルフのことを考えてます。どうやったらうまくなるか、どうやったら良く打てるかって常にそればっかり考えてる」と証言する。40歳を目前にスランプに陥った際も、いち早くメタルヘッドを使いこなし、自らの手でクラブを調整して復活を遂げた。その裏には、野球時代から培われた強靭な体力と、失敗を恐れずに綿密な計算を積み重ねる超研究熱心な姿があったのだ。

後進へ注いだ「無骨な優しさ」と深い愛情

そして、ジャンボ尾崎が日本のゴルフ界に残したもう一つの財産が、後進への無骨でありながらも深い愛情だ。石川遼はプロ転向直前の10代の頃、ジャンボの合宿に参加した日々を「財産であり、刺激的な日々だった」と振り返る。ジャンボは決してすぐに答えを教えなかった。利き手ではない手でボールを打たせたり、野球のノックを受けさせたりと、一見ゴルフとは無関係に思える過酷なトレーニングを課した。「自分で考える」ことを教えようとしたのである。

石川遼選手(C)CBCテレビ

「もっと悩め」。石川が挨拶に訪れた際、ジャンボからかけられた言葉だ。「自分で打破するかしないかっていうところがその人次第だと思うので、そこをすごく問われてるのかなと。お前はどうなんだっていうところに愛をすごく感じました」と石川は語る。威圧感の中にある恥ずかしがり屋な一面。そして、「すべての言葉に深み、ユーモアと愛がある」という石川の言葉が、ジャンボの人間としての魅力を端的に表している。

涙よりも、感謝とリスペクトを

「引退って言葉は自分が死んだとき」。青木が語るように、ジャンボ尾崎もまた生涯現役を貫き、最期まで飛距離と情熱にこだわり続けた。
彼が切り拓いた300ヤードの世界は、今の若手選手たちにしっかりと受け継がれている。私たちは、日本ゴルフ界の太陽であった彼の死を涙で終わらせるべきではないだろう。彼が遺した情熱と開拓の精神に、心からの感謝とリスペクトを捧げたい。
「そっと俺の胸の中にしまっておく」。青木のこの言葉とともに、ジャンボ尾崎の雄姿は、私たちの記憶の中で永遠に色褪せることなく輝き続けるのである。

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