ドライブしていると時々目にする、入るのにちょっと勇気がいりそうなクセの強い飲食店、通称“クセツヨ食堂”。チェーン店や行列店とはまた違う、個性的すぎる魅力が満載です。今回は、岐阜県八百津町の県道83号沿いにある、創業93年のクセツヨ食堂「三勝屋(さんかつや)」を調査しました。クセツヨポイント①台湾のソウルフード・パーコーを使った看板メニュー3種類CBCテレビ『チャント!』店内で飛び交っていたのは、看板メニュー「パーコー定食」の注文。パーコーとは、豚ロースに衣をつけて揚げた、サクサク食感が特徴の台湾のソウルフードです。(お客さん)「タレがおいしい。餃子のタレみたいなやつに、ラー油とニンニク(すりおろし)」(お客さん)「軽くてサクサクしている。このお店の一番のオススメ」(お客さん)「“パーコー3兄弟”を順番に食べている」CBCテレビ『チャント!』「パーコー定食」のほかにも、溶けた衣のおいしさが評判で、あえてパーコーをスープに浸しながら食べる次男の「パーコー麺」。そして、マヨネーズがかかったヤンチャな味がやみつきになる、三男の「パーコー丼」もありました。クセツヨポイント②ファミレスの味を“記憶だけ”で再現!?CBCテレビ『チャント!』このパーコーメニューを考案したのは、「三勝屋」3代目店主の林邦彦さん。(3代目店主・林邦彦さん)「すごく印象に残っていて。初めてファミレスで食べたとき、おいしくて斬新やなと思った」邦彦さんは、実家である「三勝屋」を継ぐ30年前まで、ファミリーレストランで正社員として働いていました。そこで出会った、期間限定の台湾フェアの「パーコー麺」にすっかり魅了されたのです。(3代目店主・林邦彦さん)「ラーメンの上にのるパーコーだけ、おかずにできんかなと思って。なかなかカリカリ食感にならない。小麦粉を変えたり、配合を変えたり、揚げ時間を考えたり」なんと頼りにしたのは、当時の“味の記憶”だけ。試行錯誤を重ね、完成までにかかった時間は…3年!こうして誕生したのが、三勝屋の看板メニュー「パーコー」。実は、ある“特別な材料”も使われているそうですが…その正体は、企業秘密とのこと。クセツヨポイント③初めて雇ったアルバイトが…まさかの妻に!CBCテレビ『チャント!』創業から60年以上が過ぎて誕生した店の新たな看板メニュー、「パーコー定食」。今年で店は創業93年。昭和8年に祖父が創業し、父が跡を継いだ、八百津町で人気の大衆食堂です。実はこの店、アルバイトも雇わず、創業以来ずっと一族だけで営業してきました。(3代目店主・林邦彦さん)「本当は兄貴が継ぐはずだった。兄が『継がない』と言うので僕が継いだ」(兄・泰邦さん)「(Qなぜ継がなかった?)料理が好きじゃない」こうして次男の邦彦さんが店を継ぎ、「三勝屋」は廃業を免れました。その後誕生した「パーコー定食」は大ヒット。多いときには1日100枚出ることもあり、今では客の9割が注文する看板メニューに成長しました。CBCテレビ『チャント!』しかしある日、テレビ取材の影響で客が殺到。身内だけでは手が回らず、創業以来初めて、一族以外からアルバイトを雇うことに。そのアルバイトが…久美子さんでした。(妻・久美子さん)「(それまでは)おばあちゃんだけでホールをやっていた。1年くらいして(邦彦さんと)結婚したんですけど。お互い再婚同士だから。20年以上シングルで、息子もいて」実は当時から久美子さんに好意を持っていた邦彦さん。アルバイトとして働いていた久美子さんと結婚し、再び“完全な一族経営”に戻ったのでした。今では久美子さんの息子も加わり、人手不足もすっかり解消しています。クセツヨポイント④何度も廃業の危機!あわや大惨事の火事になりかけたことも…CBCテレビ『チャント!』邦彦さんが店を継ぎ、人手不足も解消しましたが、三勝屋にはその後も廃業の危機がありました。今から5年前、風呂釜から出火し、ボヤ騒ぎが起こったのです。気づくのがあと5分遅かったら、今ごろ三勝屋はなくなっていたかもしれないといいます。CBCテレビ『チャント!』これまで何度も危機を乗り越えてきた三勝屋。しかし、いま一番の不安は…パーコーの“サクサク食感”を4代目に継承できるかどうか。(3代目店主・林邦彦さん)「サクサクじゃないとおいしくない。意外と難しいんです。息子に教えたいけど教えられない。(Qレシピは作らない?)それができない」(4代目・篤弘さん)「気温や湿度によって分量が違う。完全には再現できない」3代目の頭の中にしかない、衣のレシピ。天候に左右される微妙な感覚は、4代目が体で覚えるしかなさそうです。3代目・邦彦さんの目標は、創業100年まで店を続けること。今日もサクサク食感のパーコーを求めて、多くのお客さんが三勝屋に集まります。CBCテレビ「チャント!」2026年2月26日放送より