平泉成【スジナシ】名物語の誕生にスタッフ感涙 鶴瓶「ええ話やなぁ」
【2007年9月16日放送】
生まれて初めての経験・・逃げ出したいよ・・鶴瓶さんの「本気さ」を感じてきた・・なんて言いながら衣装を選ぶ平泉さん。「展開を限定しないようにしないと・・」と「ごく普通のスーツ」を選択。観客から鶴瓶へのリクエストは「ドラマ中に早口言葉を!」。 設定は「宿直室」。2段ベット、簡易な机とイスが置かれた小さな部屋である。平泉はベットの下段に横になった。上段の裏側を見つめて、何やら考え事の雰囲気である。鶴瓶は、ドアの外で一度背伸びをして部屋に入ってきた。平泉「どうも・・私の部屋では人目があるので・・野球の練習は終わりましたか?」。即対応の鶴瓶「ええ、生徒にやっとけ言うてね・・へへ」。「今、夢見とりました。上戸彩さんっていうんですか、あの方が私の事を好きだなんて・・」。「私も、前にこの同じベットで夢見ました・・私は石原さとみ・・ははは」。冒頭とりとめのない会話が続く・・ふたりの熾烈な探り合いに、スタジオスタッフも100人の観客も緊張感いっぱい、手に汗握る。
鶴瓶「なんでんの、ハッキリ言うてください」。「タバコです・・初の甲子園でしょ・・(情報は)補欠の生徒の親から。まじめにやってきた子がかわいそう・・辞退するか・・校長として態度をハッキリさせたいので、先生の意見を伺いたいと・・」。「どんだけ練習してきたか・・生徒の将来も・・」。「まま、ですから・・この親に“条件”を持っていって(取り下げるよう交渉しようと)・・もし、まずい事になったら校長をやめます。“喫煙した二人をはずし、補欠の本人を出場させる”この条件を先生はOKしてくれますか」。抵抗する鶴瓶。平泉校長「では、先生はどうしたら良いと思いますか?」。激昂の鶴瓶「正直いいますは。私の進退はどうなるんですか?(も~)赤パジャマ黄パジャマ青パジャマ!!(※課題クリアー!)」。少々無理のある早口言葉の割り込みにも、平泉は全く動じず平然と「弱りましたなア・・」。沈黙。
「・・校長先生は大丈夫なんですか?定年後に写真専門学校の理事になる話は・・」。その時、平泉の携帯に電話が入った(もちろん平泉の演技)「『・・アア・・義雄くん・・そうか・・ハイハイ・・ありがとう・・』うれしいですなあ、娘夫婦がこっちへ来ないかと言ってくれました。カミサン死んでから一人だったんで・・娘ムコが(北海道の)竜飛でマグロ船に乗ってまして・・岬から海を見ると違う世界が・・人生の終わりはアアいうところでと考えておりまして・・私はイイ先生では無かった・・もう若い人たちにまかせようと・・」。目に涙し、自らの境遇を語り始めた平泉。しんみりと聞いていた鶴瓶は「先生を誤解してました。甲子園なんかやめましょ」平泉「いや行きましょう・・」。「いや!!人生最後まで・・先生を・・」。
名優の熱演に感動の涙する観客も・・拍手喝采のスジナシ完成であった。
番組紹介

笑福亭鶴瓶とゲストがその日に知らされるセットの中で、台本(=スジ)ナシ・打合せナシ・NGナシのぶっつけ本番で“即興ドラマ”を演じるバラエティ番組「スジナシ」。1998年にCBCテレビで放送を開始し、2011年からは番組名を「鶴瓶のスジナシ」に。進行役にフリーアナウンサーの中井美穂さんが加わりました。その後、2014年に番組は終了し、現在は定期的に舞台公演が開かれています。
その魅力は、意外なストーリー展開や、想像を絶する結末など、台本が無いからこそ生み出される多様なドラマ。お互いの意思が上手く通じ合ったことで生まれた名作や意思の疎通が出来なかったことで生まれた快作…絶対に先がよめないハラハラドキドキ感で多くの人の支持を得てきました。
そんなスジナシの名作・傑作選がYouTubeにて再び楽しめることになりました。毎週金曜20時に1話ずつ追加されていきます。是非ご期待ください。