観測史上最多の雨量。東海豪雨から26年で変わった名古屋の備え
8日に東海地方を襲った大雨は、各地に大きな爪痕を残しています。26年前の東海豪雨と、ほぼ同じ時期の出来事です。9月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、東海豪雨を報道の現場で経験したジャーナリストの北辻利寿さんに、当時の記憶と、この26年で変わったことについて伺いました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く被災車両は200台
記録的な大雨で、9日には静岡県で土砂崩れに巻き込まれた作業員1人が死亡しました。
愛知県では、およそ40人が避難中に転倒するなどして軽いけがを負っています。
愛知県と名古屋市によると、少なくとも11の市で建築物の一部損壊が2棟、床上浸水が84棟、床下浸水が93棟の被害が確認されました。
鉄道の運休や道路の冠水が相次いだ名古屋市では交通がまひし、動けなくなった被災車両はおよそ200台に上っています。
名古屋の1時間あたりの雨量は観測史上最多で、データによっては東海豪雨を上回りました。
26年前と同じ時期
北辻「26年の歳月、いろんな教訓によって、いろんな対策を取ってきたっていうことが言えると思うんですよ」
東海豪雨が起きたのは26年前の9月11日から12日にかけて。台風が多いとされる「二百十日」のころで、今回の大雨とほぼ同じ時期です。
当時、北辻さんはCBC報道部の編集長でした。夕方から雨が強くなり、午後7時を過ぎたころには各地の冠水情報が次々に入ってきて、そこから徹夜体制でニュースを伝えたそうです。
一方の宮部は当時、現場取材も担当するアナウンサー。実家は名古屋市西区の庄内緑地公園の近くで、河川敷にある自動車学校では、車が浮いてしまうほどでした。動画が撮りにくい時代のため、まず写真を撮って本社に送ったといいます。
26年後の今回も、庄内川や植田川で被害が出ました。
雨水の調整施設が3倍に
その自動車学校では、今回はいち早く車を避難させて被害を防ぎました。これも教訓のひとつです。
北辻「今は線状降水帯の予測も出てますけど、当時はまだそれが広く行き渡ってなかった時代。これだけ直前の予測とか出るようになったっていうのは、ひとつの大きな進歩ではありますね」
線状降水帯の半日前予測や直前の予測も出されました。事態の深刻さを、アラームとして知らせやすくなったということです。
大きく変わったのは、雨水の調整施設です。市内での整備が進み、その数は3倍以上に増えました。
北辻「今回、名古屋市内も至るところで水があふれたんですけど、引くのも早かったっていう印象がありますよね。それは実際、そういう施設ができてきてるということでしょうし」
一斉に鳴った通知
北辻さんが身をもって感じたことが、もうひとつあります。
名古屋市から携帯電話に届く災害情報です。通知は数多く、複数の人がいる場所では一斉に鳴り出しました。
アラームで携帯を手に取ると、画面には帰宅困難者向けの避難場所が具体的に示されました。位置情報を基にした案内も届き、その流れは素早いものでした。
情報が届いた意味は大きい一方で、その場で理解しきれない自分もいたと北辻さんは振り返ります。
北辻「日頃からちゃんとシミュレーションしとけばよかったなっていうのも、我が身の後悔でもあります」
完璧ではない備え
名古屋市営地下鉄が全線で止まる異例の事態となり、多くの人が帰宅困難となりました。
名古屋駅前のJPタワー名古屋が開放され、ミネラルウォーターやクッキーの配布など、市の対応は迅速でした。受け入れには、小学校や民間の施設もありました。
北辻「その辺も含めて、きちんと体制もできてきてるのかなと思いますし。ただ、完璧ではないので、今回の教訓を受けて、さらにまた次に備えて、ハード面もソフト面もやっていかなくちゃいけないという風に思いますね」
宮部の実家近くを流れる庄内川でも、この四半世紀の間に川底を深く掘る工事や、両岸の護岸工事が進められてきました。
それでも被害は出て、復旧はまだ終わっていません。今後さらに雨が続くことも心配されます。
(minto)
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