後ろに回って拝観したい!奈良・法輪寺の十一面観音
毎週木曜日のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、仏像巡りが趣味の佐藤楠大アナウンサーが、脚を運んで現地で見た仏像についてレポートしています。8月27日の放送では、法輪寺(奈良県生駒郡斑鳩町)の「飛鳥仏」、そして十一面観音について取り上げます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く薬壺がない薬師如来
法輪寺には飛鳥時代(6世紀末~7世紀頃)に作られたとされる「飛鳥仏」が二体いるそうです。
それが薬師如来坐像と虚空蔵菩薩立像。二体とも木造です。
薬師如来坐像は法輪寺の本尊で、高さは110センチ。もともと金堂にあったものが講堂に移されたそうです。ちなみに講堂では何体かの仏像が一同に見られるとのこと。
飛鳥時代の仏像は頭が大きいと言われているそうで、この薬師如来坐像も例にもれず、目のパーツや鼻も非常に大きいとか。
また飛鳥時代の仏像はアーモンド形の目が特徴。「目を開いているんですが黒目の部分がないように見えるイメージ」と佐藤。
薬師如来は基本的に薬壺を持っているそうですが、この薬師如来は持っていないのが逆に特徴。
佐藤「持ってないのは、時代がかなり前ということもあるんでしょう。飛鳥時代の木彫りの如来として現存するものはこれだけなんです。だからこそ、ぜひ皆さんに見に行って欲しいです」
やや怖い虚空蔵菩薩
一方の虚空蔵菩薩立像は175.4センチと、人間程度の大きさです。
佐藤「美しく真っ直ぐ立ってるんですが、頭が大きいのでややアンバランスに見える。頭が大きいのでこちら側に傾いてるようにも見えるんです」
右手は肘から先がこちらに向いていて、手のひらを上にして、何かを差し出すようなポーズをしているそうです。
佐藤「これが私は、やや怖くて…」
恐れながらと、思わず畏怖の念を抱いてしまう仏像なんだそうです。
何か心に引っかかる
飛鳥時代の仏像は中国の様式を取り入れているとのこと。
そのため、仏像特有の柔らかい丸い表情ではなく、キリッとしていて、どこか異世界から来たような雰囲気を漂わせているとか。
当時、仏教を学んでいたのは貴族のような位の高い一部の人たちだけ。その人たちにとって、外の世界から来たと思わせるエキゾチックさ、怖さも特別感があったのでは?と推測しました。
佐藤「この後の奈良、平安時代の仏像と全然違います。異国の物だと言う雰囲気が凄くする。胴の細さとか顔の大きさとかアンバランス感が何か心に引っかかる仏像でした」
パワーを感じる
いよいよ佐藤の旅のメイン。法輪寺の十一面観音菩薩立像は平安時代の作品。一本の杉から作られていて高さ4メートル。
他の仏像に比べて黒目がはっきりしているそうです。
佐藤「目も割と開いてる方なんです。半開きで黒目がしっかりあるので、見つめられてる感がすごくするんですよ」
黒に近い色で塗られている目は迫力があり、パワーを感じると佐藤。
佐藤「例えが良くないですけど、パッと見た時にロバート秋山さんに似てると思いました。仏様になったモデルを想像するのも楽しみの一つです」
大笑面とご対面
この十一面観音立像は胸も特徴的。胸の上部が比較的立体的になっているそうです。
この仏像は平安時代の前期の作品。この後の平安後期から鎌倉時代に入ると、より写実的なリアルな身体になります。その代表的な仏師が運慶と海慶。
佐藤「もしかしたらそれの走りかもしれないですよね。前の時代、飛鳥時代の仏はペターンと真っ平。なので、だんだん変わっていくことがわかります」
法輪寺の十一面観音の最重要ポイントが後頭部。十一面観音の十一ある顔の一つが後頭部にある大笑面。文字通り笑った顔。
普通、十一面観音の大笑面は光背で隠れているとか。しかし法輪寺の十一面観音は、裏に回って見えるように光背がくり抜かれているそうです。
佐藤「これがなかなか見れないんですが、法輪寺の十一面観音は確認することができますので、ぜひ後ろに回って見ていただきたいです」
奈良県の八十八面観音巡礼を無事終えた佐藤楠大でした。
(尾関)
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