どんどん成長する?肘の中にいる「ネズミ」とは
4月30日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、スマートクリニック代表で整形外科医の福田誠先生が出演し、リスナーから寄せられた「肘の悩み」に答えました。スポーツ経験者の身体の使い方から、関節のトラブル、再発しやすい症状まで幅広く取り上げ、日常生活にも役立つ知識が語られました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く肘を痛めない理由は?
まずは意外にも「肘を痛めない」といった方からの質問です。
「中学まで野球で投手、高校から社会人になって28歳までラグビーでラインアウトのスロワーをしていました。肩と手首は何度か痛めましたが、肘は痛めたことがありません。これは肘が丈夫なのでしょうか?」(Aさん)
野球の投手やラグビーのスロワーはいずれも肘への負担が大きい動作ですが、「このケースについて、身体の使い方が大きく影響している」と説明する福田先生。
肘は単独で負担を受けるのではなく、肩や体幹、下半身と連動して動く関節です。そのため身体の使い方やフォームが良かった可能性が高いとし、全身の連動によって肘への負担がうまく分散されていたと考えられるといいます。
一方で、肩や手首を痛めている点については、肘にかかるはずの負担が他の部位に分散していた可能性もあると指摘しました。
つまり、バランスよく身体を使えていた結果として肘は守られていたものの、その分が別の部位に現れていた可能性もあるということです。
宮部「肘を痛めないコツを教えてください」
福田先生はこれに対し「無理なフォームで使わない」「いきなり全力で動かない」「違和感が出たら調整する」の3つのポイントを挙げました。
また肘単体ではなく身体全体で負担を分散することが大切とし、ケガをしにくい人ほどこの点が上手とのことです。
宮部「ゴールデンウィーク、この“いきなり”気を付けてくださいね。『エースだったんだよ父ちゃんは』って言って、いきなり投げたりしてはいけませんからね」
福田「“いきなり”はステーキだけにしましょう」
ダジャレがいきなりきました。
関節のネズミの仕組みとは
続いてはスポーツをしていない人にも起こりうる症状についての質問です。
「スポーツをしてきたわけじゃないのに、私の右ひじには通称“ネズミ”がいます。遊離軟骨です。
検査したわけではないんですけど、普段は全く痛くないので普通に動かしているのですが、ある日突然肘を軽く動かしただけで遊離軟骨が関節に挟まるからか、太い針をぶっ刺したようなしびれるような痛みが走ります。そして、肘を止めて少し様子見したり、軽く動かしていると遊離軟骨がずれるのでしょう。刺したような痛みがなくなり、またある日同じように繰り返します。
手術するしか良くなる方法はないのでしょうか?スポーツをしているわけでもないので、手術まではしたくないのですが」(Bさん)
この「関節ネズミ(遊離軟骨)」について福田先生は「関節内の軟骨や骨の一部が剥がれ、関節内を動き回る状態」と説明。普段は問題なくても、ある瞬間に骨同士の間に挟まることで、Bさんが表現したような鋭い痛みが生じるといいます。
さらに特徴的なのは、この遊離軟骨が徐々に大きくなる点です。福田先生は真珠の成長になぞらえ、「どんどん大きくなっていく」と解説。大きくなるほど挟まりやすくなり、症状も強くなります。
治療については、症状が軽い場合は日常生活での工夫や経過観察も可能ですが、頻繁に引っかかる、関節がロックする、動きが制限されるといった場合は手術が有効だといいます。
福田「やはりネズミは取ると症状が0になります。回復の早い治療でもあるので、あまり引っかかる方はぜひ手術もご検討ください」
比較的負担の少ない関節鏡手術で対応できるケースが多いそうです。
また、スポーツ経験がなくても発症するこの症状は、加齢や長年の使用による変化でも起こるとのこと。誰にでも起こりうる症状のため、決して他人事ではありません。
テニス肘の痛みが広がる理由
最後はテニス肘について。
「3年ほど前、大雨に備え点検のため雨戸を外したら右ひじにピリッと痛みが。クリニックでテニス肘の診断を受け、ストレッチ方法を教えてもらい、痛みも軽くなりました。しかし、1年前に再発して右腕全体が痛くなりました。どういうことなのでしょうか」(Cさん)
テニス肘は名前に反して日常動作でも起こる疾患ですが、福田先生は「非常に再発が多い」と説明します。
主な原因は使いすぎであり、特定の筋肉に負担が蓄積したり、急に無理な力が加わることで再び症状が出るといいます。
また、Cさんのように腕全体に痛みが広がるケースについては、身体の防御反応が関係していると指摘しました。肘が痛むと無意識にその動きを避け、肩や手首で補おうとするため、結果的に前腕全体に負担がかかるのです。
福田「肘は良くなったように見えても、他の部位で負担を受けている可能性がある」
休むことが大切
番組の最後に、肘のトラブル全般に共通する対策として「休むこと」の重要性を改めて強調しする福田先生。
ただし、完全に使わないのではなく、負担を調整しながら使うことが現実的とか。
「痛みや疲れが出た時は無理をしない。違和感で気づくことが大切」と、早めの対処が悪化を防ぐポイントと説明しました。
実は福田先生自身、タケノコ掘りで肘を痛めたそうです。
福田「もうだから無理なんかしちゃいますよね(笑)。休もうと思います」
日々の動作の中で無理をしていないか、使い方に目を向けることが、長く健康に動ける身体を守る第一歩です。
今回の内容をきっかけに、自身の身体と向き合ってみてはいかがでしょうか。
(ランチョンマット先輩)
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