ロシア ウクライナ紛争に100万機起用。ドローンに平和的利用はあるのか?

ロシアは「戦勝記念日」に合わせて、5月8日から3日間の停戦を一方的に宣言しましたが、ロシアもウクライナも「お互いの攻撃が続いている」と主張し、停戦は事実上実現していないと見られています。戦闘は兵士同士の戦いから、小型ドローンを使った爆弾投下への戦術に切り替わりました。5月9日の『CBCラジオ #プラス!』では、竹地祐治アナウンサーが「ドローンなどの技術を平和利用してほしい」と言及しながら、天野なな実とドローンの歴史を紹介します。
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いまだ解決されないロシアとウクライナの紛争。
前線ではロシアとウクライナ合わせて100万機以上のドローンが投入されており、ドローンは40km先まで操縦が可能。遠隔操作で攻撃できます。
一機あたりの価格は数万円ほど。
100万基以上のドローン、総額数100億円が遠く離れたところにいる民間人まで殺傷してしまうような状況が生まれています。
竹地「民間人巻き込んでいるっていうことで言うと、今のこの時代の空襲と言えるようなことが現実起きているということです」
ドローンの歴史は第二次世界大戦よりも前
小型ドローンはもともと軍事目的で開発されました。
歴史は古く、第2次大戦よりも前の時代からです。
第2次大戦が終わると軍事目的の需要が落ち着き、軍事用から産業用へと用途を拡大していきました。
1987年には「ヤマハ発動機」が農薬散布用ドローンを発売。
2010年にはフランスの「Parrot」がカメラ付きのドローンを商品化しました。
さらに小型化、軽量化が進み、今や宅配会社はドローンを使って山間地に荷物運んだりと、平和利用がなされています。
しかし一方では再び軍事分野で活用。平和的な用途が様々あるはずが、戦闘機としても利用されているのが現状です。
竹地「ドローンって、別にドローン自体が悪いわけじゃないんですよね。使う人間が…」
天野「使い方によってですよね」
竹地「そう、悪いんですよね」
欲望のために技術を悪用してしまうのは人間だからこそなのかもしれません。
羽ばたくドローン?
軍事利用に複雑な思いを抱きますが、平和的利用のための開発は進んでいます。
その一例が、株式会社中北製作所(本社:大阪府大東市)が開発を進める羽ばたき飛行ロボット。
コンセプトは「鳥や昆虫のように羽ばたいて飛ぶ」。
従来のドローンは回転する複数の羽で飛んでいますが、羽ばたき飛行ロボットは鳥や昆虫のように羽状のもので羽ばたいて飛びます。
水平方向に動かし、さらにねじれの動きを加えることでドローンよりももっと繊細な飛び方が期待されているそうです。
現在は羽を水平方向に動かし気体を浮上させ、姿勢制御できるようですが、今後はねじれをうまく使って旋回させたり、急上昇させたりを可能にしようと開発が進んでいます。
火星でも活躍なるか
JAXAと共同研究を進めている羽ばたき飛行ロボット。
探査機に搭載し、火星での表面調査を広範囲で行う構想があるそうです。
この研究の中心人物は「将来的には日常の中で、私たちのペットのようにそばを飛び交ってくれる存在になるかもしれない」と語っています。
軍事利用を一切考えず、平和利用を目指して開発に取り組んでいますが、しかしそれも使い方次第。
竹地「人間の欲望とどう結びつくかっていう問題があるのかな」
平和的に、人の役に立つ技術であってほしいものです。
(ランチョンマット先輩)
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