3Kはもう古い!建設業界に女性が続々進出しているわけ

「建設業」と聞くと、どんなイメージを抱きますか?「重労働」「力仕事」「男性の仕事」そんな印象を持っている方もいるかもしれません。しかし最近の建設業界では、女性の進出が非常に進んでいるのです。3月22日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、一般社団法人愛知県建設業協会、中部土木株式会社の小田さんがその理由について解説しました。聞き手はCBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛です。
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総務省がまとめた2024年の建設業の労働力調査の結果によると、建設業界の就業者数は前年よりも8万人少ない279万人となっているそうです。
小田「1997年のピーク時に記録した685万人から約3割減っているんです」
石塚「なかなか大変な状況ですよね」
就業者が減った分に比例して仕事の量が減っているかというと決してそうではないようで、新設工事はもちろん老朽化による補修作業も増えてきているとのこと。
石塚「最近はむしろそっちの方がテーマになってますよね。インフラ関係とか」
仕事量は変わらないどころかむしろ増えているということは、ひとり当たりの仕事量が増えているということで、業界に携わる人たちの負担が増えている状況にあるそうです。
3Kのレッテル
小田「ところで、建設業界と聞くとどんなイメージを持たれますか?」
石塚「僕はいつもお話を聞いているので、ただモノを建てるだけではなく、実際にはとても幅広い仕事をされているんだなとは思っています」
加藤「私はやっぱり体力勝負なのかなって印象ですね」
一昔前までは3K、つまり「きつい」「危険」「汚い」というフレーズの代表格のように言われていたという建設業界。
小田「私が聞き慣れてしまったのか、それとも建設業界が国土交通省と連携して進めている働き方改革が功を奏しているのか。最近はあまり3Kとは言われなくなったような気がしています」
石塚「一時ほどじゃないということですね」
とはいえ、一度持たれた悪いイメージを払拭するには、地道な努力と長い時間が必要だと語る小田さん。
少子化の影響もあり、ピーク時を境に若い世代の採用が難航しているという状況なのだとか。
さらにこれまで業界を支えてきたベテラン技術者の高齢化も進んでいて、ノウハウの継承や現場の人手不足が懸念されているようです。
長年の取り組みが実を結び
そんな中で最近注目を集めているのが、建設業界への女性の進出です。
官民を挙げた長年にわたる女性活躍推進の取り組みにより、女性の就業者数が着々と増えているとか。
小田「2024年の建設業での女性の就業者数は、前年から5万人増えて現在91万人となっています」
石塚「結構いるんだ!5人にひとりくらいは女性ってことかな」
業界全体に占める女性の割合は18.5%と、約2割に上る水準まで上がってきているそう。
小田「これはやはり、働き方改革やDX化が功を奏したのだと思います」
労働時間の適切な管理や週休2日制の導入による働きやすさの追求、そして女性用トイレや更衣室の整備といった環境面での対応。さらにはAIやIT技術、デジタル技術を活用した業務の効率化や自動化による効果が大きいと見ているそうです。
建設業にとどまらず
小田「今までの力仕事だけの業界から脱して、女性の活躍の場が広がったということだと思います」
今後もより働き方改革とDXの推進を勧めていきたいと語る小田さん。
建設業界に限らずあらゆる現場で「人手不足」だと言われる昨今。高齢者や外国の方、ハンディキャップを持つ方や介護・育児で長時間労働が難しい方など、働きたくても思うように働けない人たちが、実は多く潜在しています。
小田「広い意味で建設業に就きたい人のハードルを低くすることに取り組みながら、誰もが働きやすい魅力ある業界を目指していきたいです」
石塚「これって建設業だけでなく、他の業界にも言える事ですよね。女性や高齢の方にどう働いてもらうかって、少子高齢化の進む現在の日本では非常に重要なテーマですからね」
いかに一人ひとりが望ましい働き方ができるか、長く働き続けられるか。今後企業側には、そんな観点が求められていくことになるのかもしれません。
(吉村)
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