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もう観られなくなってしまう?ビデオテープの2025年問題

もう観られなくなってしまう?ビデオテープの2025年問題

VHSやホームビデオなどの磁気テープを早めにデジタル化しておかないと、永遠に見られなくなるかもしれないということが最近話題となっています。なぜ最近この問題が騒がれ出しているのでしょうか?3月12日放送『CBCラジオ #プラス!』では、ビデオテープの2025年問題について、ジャーナリストの北辻利寿さんが解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。

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VHSの誕生からもうすぐ50年

昔のテレビ番組や運動会など家族を撮影したビデオは、磁気テープが使えなくなると二度と見ることができなくなってしまいます。
700~800本ほどビデオテープを持っている北辻さんは、いまこの問題に直面しています。

日本ビクターが開発したVHSのビデオデッキが発売されたのは1976年(昭和51年)のこと。
当時は録画した番組を後から見られたり、映画作品のテープを買ってきて家庭で観られるため急激に人気を得て、世界中に広がっていきました。当時は画期的なことで、ビデオデッキの生産台数は累計で9億台を記録。

さらにホームビデオのカメラがあれば、動画で思い出が保存ができるという魅力もありました。

なぜ今、観られなくなる?

実は以前から磁気テープの寿命に関して言及されていました。
今から6年前の2019年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、2025年までに磁気テープの映像をデジタル化しないと、永久に見られなくなるという警告を出していたのです。

磁気テープの寿命は10年から30年。、最も磁気テープが売れていたのが90年代のため、そろそろ寿命が来るのがこの2025年頃になるというわけです。

また国内ではビデオデッキ自体も2016年に生産を終了しており、予備の部品がなく修理もできない状況です。

デジタル化に大きなハードル

2000年代に入ってDVDなどのメディア、あるいはスマホで撮影した動画ファイルに取って代わられています。
しかしDVDも湿気などで劣化し、ファイルを保存するUSBメモリなどにも寿命はあり、書き込み回数にも上限があります。

ファイル化には専用の機械が必要なため、専門業者にダビングを依頼する人が殺到しているそうですが、問題はダビングに要する時間。
例えば6時間のテープをダビングすると、再生と同じ6時間かかるため、1本1,000円から数千円程度の費用がかかるそうです。

また、国立国会図書館にはビデオテープが約1万4千点ありますが、その6割にあたる8,200点を今年度中にダビングしています。
ただし、図書館のビデオは館内での上映を想定した利用許諾を結んでいるため、ダビングには映像作成者に別途許可を得なければならず、それも含めてかなりの時間を要することになります。

溜めているテープをよく観ているかというと、録りっぱなしということがありがちですが、かといって捨てるのも惜しいというのがビデオテープ。
ダビングするかどうか、悩ましい問題です。
(岡本)
 

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