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実はアメリカ生まれ!「安全第一」の後に続く言葉は?

実はアメリカ生まれ!「安全第一」の後に続く言葉は?

工事現場や作業中の場所など、よく注意を払うと、至るところに「安全第一」の文字が掲げられていることがあります。実はこの標語、一番最初に提唱し始めたのは、実はいま話題のあの企業でした。2月15日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、一般社団法人愛知県建設業協会、中部土木株式会社の小田さんに、CBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛が尋ねます。

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馴染みのある言葉

工事現場などでは必ずと言っていいほど表記されている「安全第一」。緑色の十字マークとともに旗や看板に書かれ、安全の象徴として広く知られています。

石塚「よく書いてありますよね」

加藤「見かけること多いです」

この標語は職場や公共の場などでの安全意識を高めるために広く使われており、事故や危険を未然に防ぐことが最も重要であるというメッセージが込められているのだとか。

加藤「わかりやすい4文字ですよね」

小田「今や工場だけではなく、さまざまな場所で見かけますね」

この標語のある場所では特に注意を払う。現場で作業する人たちの間だけでなく、日常生活を営む人すべての中に共通の意識として根付いているのではないでしょうか?

二度と繰り返さないために

小田「当社でも毎月安全意識を高めるための会議を設け、社員が集まって安全に関するディスカッションや講習会などを行なっているんです」

人は良くも悪くも慣れるもの。日々の繰り返しの中で安全意識が薄れてしまわないように、定期的に啓発の場を設けているようです。その会議の場で、とある作業員の方の体験談が共有されたことがあったのだとか。

小田「その方は前の職場で同僚の事故を目の当たりにしたそうで、同僚のけがやその後の家族への影響を見て、心に深い傷を負ってしまったんです。

その経験からその方は安全第一の重要性を痛感し、一緒に働くすべての仲間に事故を起こさせない、事故に合わない企業風土や環境を作っていくために、積極的に安全対策を提案し続けているんです」

個々の経験がきっかけとなって安全第一の意識を高め、組織全体の安全文化を育むことにつながっていったようです。

石塚「経験された方の言葉って重いでしょうしね。そこから教訓として学んでいくって大事ですよね」

実はアメリカ発

それでは、この「安全第一」という標語を生んだ企業はどこでしょうか?

小田「実はUSスチールなんです」

加藤「え!まさかの?」

石塚「アメリカだったの?」

実はこの「安全第一」という考え方、1900年代初頭のアメリカで生まれたとか。
当時のアメリカは1800年代後半から始まった第二次産業革命の真っただ中で、国内産業を加速的に発展させていこうとする動きが顕著な時期でした。

小田「実はこの標語、後に『第二』『第三』と続くものがあるんです」

なんと「安全第一」には続きがあるといいます。
それは「安全第一」「品質第二」「生産第三」。生産業とはまさにこうあるべきという、お手本のような考え方です。

意識改革を

実はアメリカで当初掲げられていたのは、まったく逆のスローガンだったとか。
「生産第一」「品質第二」「安全第三」として、品質や安全は二の次だとされていたようです。

石塚「確かに順番がおかしいわ。安全は後回しなんだ」

小田「そんな劣悪な労働環境の元では、当然労働災害が多発するわけです」

日常的に起きる労働災害や荒れ果てた生産設備、苛烈な環境。労働者たちは非常にシビアな状況に立たされていました。
そこでこの事態を重く受け止めた当時の経営者は、「安全第一」「品質第二」「生産第三」というように安全を最優先としたスローガンに変えたそうです。

石塚「まったく真逆にしたんだ」

すると労働災害問題は改善され、なんと同時に品質も生産も向上したとのこと。この経営方針は瞬く間にアメリカ中を一世風靡し、やがて日本にも渡ってきたのです。

小田「企業や組織が安全を最優先に考えるという意識がいまや世界中に広まって、さまざまな場所、形で使われているのがとても興味深いですよね」

安全を考えることで、結果的にそれ以外の面においてもメリットが生まれたというこの標語の起源を考えると、「安全第一」はあらゆる職場や組織において有用なスローガンなのかもしれません。
(吉村)
 

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