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「戦」というメッセージ。時代劇世代が語る『SHOGUN 将軍』

「戦」というメッセージ。時代劇世代が語る『SHOGUN 将軍』

エミー賞を受賞し、話題沸騰中の時代劇ドラマ『SHOGUN 将軍』。9月20日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、時代劇世代のCBCアナウンサー竹地祐治とつボイノリオ、山内彩加アナウンサーが『SHOGUN 将軍』の感想と、時代劇について意見を交わしました。

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主演でプロデューサーも務めた真田広之さんが、作品賞を受賞した時のコメントに注目した竹地。

「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を越えました」

主演男優賞も受賞した真田さんですが、感激が大きかったのは作品賞の方ではないか、と竹地が持論を述べました。

今回プロデューサーを務めた真田さんは、作品の厚みを増すために所作や振る舞いをレクチャーするスペシャリストを日本からカナダまで呼び寄せ、自分と同じく時代劇を演じられる役者をキャスティング。

そこまで目配せした上での作品賞受賞。作品に対する想いはひとしおだったのではないでしょうか。

戦というメッセージ性

続いて竹地は中日新聞の社説「将軍エミー賞 時代劇の歴史は新章へ」の記事を一部紹介しました。

「忘れてならないのは、単に戦闘シーンを仰々しく描く作品ではないという点だ。『何故、戦場に出たことのない者が、総じて戦をしたがるのか』という虎永の独白は戦後80年近く、戦争の記憶が風化する日本にも重く響く」

この社説につボイは自身の父親のことを思い出しました。

つボイの父は軍隊に入り戦争を経験。終戦後に若者が町で「日本のために戦う」と演説するのを耳にし、「戦争をやったこともないのに軽々しく戦うなど言うな」と憤りを感じていたそうです。

それこそが真田さんがこれまでの時代劇の経験から伝えたかったことであり、脚本の中で織り込んで自ら演じるところに竹地は感激しました。

知識と集中力が必要?

時代劇ファンでもある竹地は、本作について映画『影武者』(1980年/監督:黒澤明)やNHK大河ドラマ『黄金の日日』(1978年)」のように価値が高いと思って観る作品だと分析。
観ていてスカッとする、いわゆる「チャンバラ映画」とは異なると言います。

30歳の山内も見始めましたが、1話冒頭の20分で止まったままだとか。

山内「難しくて。日本史が得意じゃなかった。登場人物の名前が長かったりとか、皆さんの顔が似てて(笑)『あれ、この人誰だっけな?』て」

つボイ「僕らが外国映画観ると、同じ顔に見えるやつ(笑)」

山内「ごめんなさい…みんな髭生えてるから差別化できないんです…」

『SHOGUN 将軍』は、没入するのには冒頭での多少の知識と集中力が必要かもしれません。

竹地は「日本映画が世界に『こんな文化的なオリジナルな特徴を持っているんだよ』っていうのを示す上では、ものすごい意味があったのかな」と感想を述べました。

これまでの時代劇の集大成

日本映画の歴史を一覧表にして作ってきた竹地。

真田さんの実質的なデビュー作は、東映が12年ぶりに手がけた時代劇『柳生一族の陰謀』(1978年/監督:深作欣二)です。
この作品を観たつボイは、主演の萬屋錦之介さんと他の役者で所作が全く違うことに「時代劇には何かが失われていくものがあるのではないか」と感じたそうです。

その後『魔界転生』(1981年/監督:深作欣二)、『里見八犬伝』(1983年/監督:深作欣二)、2000年代に入っても『たそがれ清兵衛』(2002年/監督:山田洋次)などの時代劇に出演してきた真田さん。

竹地「だから真田さんは時代劇を承継していきたい。その集大成の作品でエミー賞を取った。この意味がめちゃくちゃ大きいなと」

山内「ごめんなさい。反省します。これを聞くと、すごいことをしたんだなっていうのがさらにわかるようになりました」

時代劇のターニングポイントとなる作品『SHOGUN 将軍』。
繋いできた歴史の集大成を観てみてはいかがでしょうか?
(ランチョンマット先輩)
 

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