自由な移籍を認めるとどうなる?野球選手の「保留制度」について考える
7月24日のデイリースポーツによると、日本プロ野球選手会は7月23日に札幌市内で臨時大会を開催。現行のプロ野球球団の「保留制度」について、公正取引委員会への申し立てを検討していることを明らかにしました。8月31日、人気野球ユーチューバーのトクサンこと徳田正憲さんとライパチこと大塚卓さんが、CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演。若狭敬一アナウンサーを交え、この「保留制度」について考察しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く保留制度って何?
「保留制度」とは、球団が選手を保留名簿に載せると、その選手は他球団に移籍できないという仕組みです。
若狭「プロ野球の選手って、中日ドラゴンズにドラフトで指名されると、基本ずっと中日なんですよね。1年目を終えると契約更改交渉が行なわれて、2年目。それが3、4、5年目…と続いていきます」
ただFA(フリーエージェント)権を取得した選手は様々な球団と契約できます。しかし、それはごく一部の選手に限ります。
選手側の意見
プロのスポーツビジネスが多数ある中で、日本プロ野球が行なっている保留制度は独特のものだそうです。
例えば、サッカーのJリーグでは選手の移籍やレンタルが盛んに行なわれます。
同じプロ野球でも、アメリカのメジャーリーグでは頻繁に移籍があります。
日本プロ野球選手会は、原則、選手に移籍の自由がない「保留制度」が、自由な競争を阻害しているとして、独占禁止法違反なのではないか?と主張しているのです。
角度を変えて見てみよう
球団側は、選手の自由な移籍を許すと、資金のある球団に選手が集中し、12球団の共存共栄ができなくなるため、「保留制度」はあって然るべきという立場。
この意見の相違で長年選手会側と球団側は対立しています。
「保留制度」について、トクサンの考えは?
トクサン「ファンを含めて、プロ野球選手が個人事業主だって知ってる人がどれだけいるか?ですよね」
まずは前提について話しました。
プロ野球選手は、それぞれ個人事業主です。シーズンが終わった後に年俸を球団と交渉します。
トクサン「仕組み自体がそもそも複雑で、今回の問題は選手から見ると、組織として個人事業主が集まって戦おうとしているってことでいいんですよね?」
若狭「そうです」
小さな会社の集まりと、大きな会社との対立ということも言えます。
自ら入った特別な世界
会社対会社と見れば、「保留制度があるのはおかしい」と、選手会に理解を示すトクサン。しかし球団に対して権利を主張するより、まずファンを優先する考え方もあるのでは?と持論を展開。
トクサン「自分の人生を野球に捧げている以上、自分勝手なことができない環境下に身を投じているという自覚も必要なのかなと思います」
梨園を例に挙げました。
トクサン「歌舞伎の家に嫁いだら奥さんはこうだ、みたいな伝統があったりすると思うんですけど、それに近いような感じがあるような気はするんですよ」
ライパチさんと若狭も意見をぶつけます。
若狭「独特なルールだけども、それは独特な世界だから、現状がベストなのかもしれない」
ライパチ「選手会ってそれを変えたいんでしょ?」
トクサン「変えたいけど、そこに自分が望んで行ったということを知っておかないといけないよね」
結局3人の意見はまとまりませんでした。来週も議論が続きそうです。
(尾関)