なぜ女性だけ?結婚による地方移住者に60万円支給する政府案
『CBCラジオ #プラス!』の「プラス!これが言いたい」コーナーでは、パーソナリティーの竹地祐治アナウンサーと山内彩加アナウンサーが気になるニュースを取りあげ、意見を述べています。8月30日の放送では、山内が気になるニュースとして「移住婚をした女性に60万円支給」という、朝日新聞が29日に載せた記事を取りあげました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く2019年から始まった制度
都市部で人口が集中しているという状況を解消するため、現在政府は地方への移住に関し支援金を支給しています。
2019年から開始されている支援金制度では、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)から東京23区への通勤者と、23区に住む人が地方に移住した際、単身者に最大60万円を支給しています。
男女は無関係で、移住先で就業や起業することが条件となっています。
それに加えて、政府が新たな支援金制度として考えているのが、現在、東京に在住・通勤している女性が結婚を機に地方に移住すれば60万円を支給する案。
さらに地方で開かれる婚活イベントに参加する場合は、交通費を支給する案もあります。
支援金を支給する理由
このニュースを聞いた山内はまず、「なぜ女性だけなのか?」と疑問を持ったといいます。
竹地は「地方でこどもが産まれても、仕事で東京に行ってしまって東京集中になってしまうと、どんどん過疎化が進んでいくという問題もありますが」とコメント。
山内「『60万円支給するので、東京から出て行って地方でこどもを育ててください』というように聞こえてしまうんですね。そもそも女性だけに60万円支給されるというのが、ずっと引っかかっている」
見方によっては、女性だけを東京から転出させるための政策のようにも受け取られかねません。
60万円という金額は妥当?
さらに今回の支援金の考え方が安直だと思った竹地。
竹地「結婚してもらいたいから、『国としては何とかそこにお金をつけて出しゃいいんじゃないか』と、政治家の方たちが考えるのはなんとなくわかるんですけど、最大60万円というのに乗る人たちがどれぐらいいるんだろうなというのも含めて、なんか思惑が僕にとっても気持ち悪いし、金額的にどういう根拠で決まってきてるのかなって」
「引っ越し費用だけでも結構金額がかかる。さらに移住後も家賃補助が出るなら良いかもしれませんが」と山内。
そもそも、地方在住者が仕事を求めて上京する状況を止めないと厳しいのではないか続けます。
女性にとっていい話というわけではない
今回取り上げた支援金については、東京の一極集中解消、少子化の歯止めに対する政府の思惑のようですが、単に「お金を配れば解消する」というレベルの話ではないように思われます。
竹地「抜本的に改革しなきゃいけない部分に目を向けず、なんかやってますよ感を出すというところでこんな手を打っちゃってるのかなというふうにも見えます」
そして最後に山内は「女性だけっていうのって、一見いいように見えてるけど、よく考えると引っかかるなっていうことが最近多くて。その中のひとつかなと思って取り上げました」とまとめました。
(岡本)