現役アナウンサーが、希少ながん「肉腫」の闘病を語る
7月は肉腫啓発月間です。なかなか発見しにくい希少ながんである「肉腫」の認知度向上に向け、全世界で様々な啓発活動や研究支援・治療法開発のための活動が行われています。7月15日の『CBCラジオ #プラス!』では、昨年「肉腫」にかかったCBCアナウンサー沢朋宏が、自身の経験を基に話しました。肉腫とは一体どんな病気で、原因や発見方法はあるのでしょうか?
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2023年の6月中旬に肉腫に気がつき休養した沢アナは、7ヶ月の治療を経て、今年1月に復帰を果たしました。
「肉腫」とは名前の通り肉にできる腫瘍のこと。
筋肉にも脂肪にもできる場合がありますが、沢アナは左足のふくらはぎの筋肉に腫瘍ができました。
白血病は名前に「がん」と付いてなくても血液のがんです。肉腫も名前に「がん」は付きませんが、広く見てがんの一種とされています。
愛知県がんセンター整形外科部長の筑紫聡先生によると「肉腫は他のがんに比べて非常に希少な病気」とのこと。
がんの年間発生数は1年に何万人とされており、「5大がん」と言われている大腸がんや肺がんは10万人を超えます。
それに対し肉腫は2000人~3000人と、桁が2つも違うほど症例が少ないのが特徴です。
高齢者だけでなく、20代や30代でもかかり、全年代誰にでも起こりうる病気とされています。
原因は不明
肺がんならタバコ、肝臓がんなら酒の飲み過ぎなど、がんの原因の一つとされるものがありますが、肉腫はまだ原因がわかっていません。
というのもの、症例の少なさから研究が進んでいないということです。
患者が少ないと治療法などの研究が難しく、肉腫にかかっていることを見つけるのも困難です。
症例が少なすぎるあまり、ほとんどの医師が肉腫を見たことないんだとか。
肉腫の疑いで紹介された患者の肉腫を診たり本で見たことはあっても、医師が生涯の検診で、初診で肉腫を見る確率は一人いるかいないかの世界。
そのため適切な検診が難しく、発見と治療開始に時間がかかります。
肉腫発覚までの3ヶ月
沢アナの場合、違和感を覚えてから肉腫の発見まで3ヶ月かかりました。
2023年3月から沢アナには38度越えの発熱が続き、解熱剤の服薬をやめると熱がまた上がる状態でした。
発熱や鼻水の症状のため、沢は内科と耳鼻咽喉科を複数周り、様々な薬や注射を打つも治りません。
内臓の病気を疑いCT検査をしましたが、診る範囲は前立腺から喉まで。
そのため脚にできた腫瘍はわからずじまい。
原因がわからないまま病院を転々とすることに疲弊し、家族から脚が酷い打ち身のように膨らんでると指摘されても放置してしまいました。
ある日、内科の医師で原因は脚だと診断を受けた沢アナ。
そこから整形外科へ行くもわからず、次に専門病院で診てもらい、やっと肉腫が発見されたのです。
「放置していたのがダメだった」と反省する沢アナですが、原因不明が続いて諦めている「隠れ肉腫」患者が、あなたの周りにいるかもしれません。
自分で見つけることができる?
沢アナが肉腫患者の会に行き話を聞くと、参加者のほとんどが自分で腫瘍を見つけて受診したとのこと。
筑紫先生によると、5cm以上の腫瘍は肉腫の可能性が高いそうです。大きさでいうとゴルフボールほどの大きさです。見つけた場合は専門病院へかかることを勧めています。
しかし5cmの大きな腫瘍と言えど筋肉の奥にできてしまうと、打ち身した程度の盛り上がりにしかならないため、自分で肉腫だと疑うことは困難です。
そのため見た目で5cmとわからなくても、1日2日で治まらない場合は専門病院へ行って下さい。
東海3県では愛知県がんセンター、または大学病院で診察可能です。
大学病院は紹介状がないと行けませんが、愛知県がんセンターの整形外科は初診から受付可能。
沢アナのように病院を転々とする患者が多いため、初診から診られるようにしたそうです。
沢アナが学んだこと
7ヶ月の長期治療を経て、セルフチェックの大事さを痛感したと話す沢アナ。
発熱や鼻水などは薬を飲めば症状は治りますが、根本的な治療をしなければ長く楽しく健康に生きていくことは叶いません。
異変が長く続いている場合は、肉腫をはじめ重い病気を疑った方がいいかもしれません。
沢「寝て治るなら疲れ。治らなかったら疑った方がいい。疑うならほっとかずにちゃんとプロに診てもらう。これ大事だなと思いましたね」
体調不良のあなた、原因探しを放置していませんか?
(ランチョンマット先輩)