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5類移行から1年…新型コロナワクチンの健康被害を考える

5類移行から1年…新型コロナワクチンの健康被害を考える

CBCラジオで放送されている『北野誠のズバリサタデー』の1コーナー、「ズバリこの人に聞きたい」では、話題の本の著者にインタビューしています。6月1日の放送では『新型コロナワクチン 影の輪郭』(方丈社)の著者、CBC解説委員でアナウンサーの大石邦彦が登場。この本は新型コロナワクチンの後遺症に関して、3年にも及ぶ取材記録をまとめたものです。実際にどのような症状が表れているのでしょうか?

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昨日まで元気だった方が急に…

取材を始めたきっかけは、2021年7月頃にある医師と話したことだという大石アナ。

この医師は検案、例えば自宅で亡くなった場合に事件性がないかどうかを調べていたのですが、「昨日、あるご遺体を見た際に亡くなった原因がわからない。70代女性で昨日まで元気だったのに。ただ、前日ワクチンは打ってたんだよね」と気になる話が出ました。

ただ、毒物とは違いワクチンの場合は証拠が残らないため、死亡との因果関係はわからないのだそうです。

そこで大石アナはワクチンで亡くなった方を厚生労働省のデータを調べたところ、当時ですでに数百人亡くなっていたことを知りました。

「因果関係がわからないけど、ワクチンで亡くなっている人が他にもいるのではないか」と考えて取材を始め、その後、取材を通じて後遺症に苦しむ方々と出会うようになったとのこと。

因果関係が認められた件数は?

最初のワクチン接種からかなり日が経ちましたが、実はいまだに後遺症に関する正式な名称はありません。
例えば厚生労働省では「ワクチン接種後における遷延する症状」という、意味がわかりにくい表現をしています。

後遺症患者の会では「ワクチン後遺症」と名付けたり、ワクチン問題に関する学術団体を立ち上げた京都大学名誉教授の福島雅典先生は「ワクチン接種後症候群」と名付けています。

大石アナは「正式な名称がまだないのは、国が本当の病として認めてないところがある」と推測しています。

これまで因果関係が認められたのはわずか2件しかなく、共通しているのは接種後に患者さんの推移をしっかりと見られていたということ。

うち1件は解剖されているため決定的な証拠があり、因果関係が認められました。

もう1件は接種会場で具合が悪くなり、亡くなられるまで1時間半の間、経過をつぶさに報告されていたため、「決定的な証拠はないけど、総合的に判断するとワクチンが原因だろう」という判断をされたとのことですが、あくまでも状況証拠によるものです。

さまざまな後遺症

ワクチン接種後の状況は軽い場合も重い場合もあり、人によってさまざま。

大石アナが取材した方には、40度近い高熱が3週間続いて意識不明になり、急性散在性脳脊髄炎になって足が動かなくなり下半身不随になった方や、ギランバレー症候群の症状が出た方、心筋炎・心膜炎や血小板減少性紫斑病にかかった人がいます。

ただ、後遺症に対して理解している医者と理解していない医者がいるため、中には40ぐらいの医療機関をたらい回しにされたという人もいるそうです。

その原因は「やはり国が後遺症を正式に認めていないことに行き着く」と大石アナ。

厚生労働省は「接種後に病気になる可能性があるので、注意しないといけない」と言っているものの因果関係は不明。

現在アメリカの疾病センターでの調査結果が出ないとわからない状況が続いています。

被害者への救済の現状

では、現時点で後遺症患者への救済は行われているのでしょうか?

死亡一時金は4,200万円、長期体調不良の方には医療費が払われていますが、国は「因果関係はわからないけど救済はする」という方針。

因果関係の調査とは別に「接種後に体調不良になったのであれば健康被害に遭っている」として、健康被害救済制度を適用しているとのことです。

大石は厚生労働省に「それなら因果関係があるんじゃないか?」と尋ねたところ、「それとこれとは別」と回答されたとか。

この救済制度は新型コロナワクチンに限らず適用されているものです。
2021年度末までの45年間、亡くなった方への救済は25種類のワクチンで151件。

一方、新型コロナワクチンで亡くなった方に関しては、わずか3年で申請も含めて約600名とかなり多い印象を受けます。

ワクチン反対も賛成も言える状況に

他のワクチンと比べて接種した人数や回数が多いこともありますが、「世界的に見てこれだけワクチンを何回も打った国は日本だけです」と大石アナ。

「プラスの側面とマイナスの側面をしっかり提示して、みなさんが打つ打たないの判断材料になるようなことを我々は報道しなきゃいけないと思います」と続けます。

今回この本ではワクチンの後遺症を取り上げましたが、もともとは新型コロナによる死亡や重い症状を防ぐために行われたことでもありますので、結論を出しにくい難しい問題でもあります。

大石は「2年前はワクチンの後遺症の話すらまったくできない状態だった」と語り、「こういう話をみんなでフラットにしていくことが一番大事じゃないかなと思います」とまとめました。
(岡本)
 

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