CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

観光客が“捨てた服”でファッションショー 高校生らが世界に1つだけの衣装を製作 福祉施設とタッグを組み「絆」と「思い出」に変える

観光客が“捨てた服”でファッションショー 高校生らが世界に1つだけの衣装を製作 福祉施設とタッグを組み「絆」と「思い出」に変える

インバウンド客で賑わう岐阜県の飛騨高山。そんな高山のホテルで、観光客が捨てていく服が問題になっています。その服を活用しようと、地元の高校生が開いたファッションショーに密着しました。

関連リンク

【動画】「めっちゃかわいかった」作った高校生も思わず笑顔に…ホテルの食堂に現れたランウェイがこちら【6分48秒~】

岐阜県高山市のホテルの食堂で開かれたファッションショー。モデルさんの年齢も様々。着ている衣装にはちょっと奇抜なものもありますが、この服にある事情が…

(KOKO HOTEL 飛騨高山 奥田晋一総支配人)
「各階のエレベーターホールに設置してあるリサイクルボックスです」

ホテルの廊下に置かれたボックスは、服でいっぱいになっています。

(KOKO HOTEL 飛騨高山 奥田晋一総支配人)
「キャリーケースの中にお土産を買っていかれると、そのスペースを空けるために服を置いていくのではと推察する。国外の方のほうが基本的には多いですね」

ホテルに残される大量の衣類が問題に

年間の観光客が2025年に過去最多の479万5000人を記録し、インバウンドに沸く高山市。その中で問題になっているのが、ホテルに残される衣類です。

部屋に置いてあるだけだと忘れ物扱いで最低3か月保管しなければならず、誰も取りに来ないため、2025年に専用のボックスを置いてみると…あっという間にいっぱいに。ホテル全体で回収される服は、1か月で45リットルのポリ袋10個以上に。

(KOKO HOTEL 飛騨高山 奥田晋一総支配人)
「廃棄物として扱っていると費用がかかります」

洗って福祉施設などに寄贈していましたが、地元の盛り上げにと考えられたのがファッションショーでした。

地元の高校生と福祉施設がタッグ

ショーを1か月後に控えたある日…

(船越久遠さん)
「この帽子が1番こだわりました」

(男性モデル)
「いいですね、若返りましたよ」

(船越久遠さん)
「ホテルにニット帽が忘れてあって、学校にあったファーみたいなのをつけて作りました」

衣装を作るのは、飛騨高山高校の生活デザイン科の生徒たち。そして、モデルになるのは市内の福祉施設に通う障害者の人々。

(上坪優鳴さん)
「夏服が希望だったので、元々長袖のニットだったんですけど切って半袖にしました。スカートを履かないって聞いていたので、ズボンを切って学校にあった使わない布を使ってスカートにしました」

自由な発想で大胆に服をアレンジ。高校生ならではのアイデアにあふれています。

「袖を短く」「ハートをつけて」衣装の手直し

モデルさんとの試着会も終わり、この日は衣装の手直しです。

(上坪優鳴さん)
「袖の長さをもうちょっと短くしたいという要望があったので、まずこのレースを取って、また切って縫い直して短くします」

限られた時間の中、先生や仲間と相談しながら衣装作りは進みます。

(船越久遠さん)
「全体的にハートをつけてほしいということで、布の柄とズボンがあんまり合わなくて、帽子にハートつけようかなって」

(田島つばささん)
「『作ってくれたのが私で良かった』みたいに、うれしい気持ちになってくれればいいなと思う」

初めてのモデルに「楽しみ」「ドキドキ」

モデルを務めるのは、障害者の就労支援施設「はたらくねっと」の利用者。ここでは、自立や社会参加に向けた様々な作業が行われています。

(はたらくねっと 高熊美加さん)
「普段はなかなか思うようにしゃべれない方が、いざファッションショーの話をすると目をキラキラさせて、うれしそうに話をしてくれる。この人にとって、大きな舞台になるんだろうなと思いました」

彼らにとって初めての経験ですが、不安以上に大きな期待が。

(男性モデル)
「かわいくてかっこいい服を頼みました。楽しみとワクワクしてます」

(女性モデル)
「年なのでドキドキして恥ずかしいけど、頑張ってやりたいなと思っています」

“世界に一着の衣装”でランウェイに

そして迎えた、ファッションショー当日。

まずは朝のヘアメイクから。編み込んだり、色をつけたりと初めての経験ばかりですが、鏡に映る自分の姿を見て…

(男性モデル)
Q.希望通り?
「はい OKです」

一方でホテルの準備も進み、食堂にはランウェイができています。メイクもバッチリ。準備万端ですが…大勢のお客さんを前に、みなさん少し緊張している様子。

いよいよ始まった、ファッションショー。世界に一着の衣装をまとい、晴れの舞台へ踏み出してランウェイを歩きます。

(上坪優鳴さん)
「めっちゃかわいかったです。楽しそうに歩いてくれて、うれしいです」

(男性モデル)
「作ってくれた方に『ありがとう』って気持ちと、(終わった後の)今もちょっと緊張してます」

(田島つばささん)
「すごくかわいかったと伝えたいです」

観光客が捨てた服 「絆」と「思い出」に変わる

全員で作り上げたファッションショーは、大きな盛り上がりを見せました。

(船越久遠さん)
「放課後とか授業以外の時間もこの作品作りをしていたので、すごく大変だったけど楽しくできました」

(男性モデル)
「自分がイメージした通りに作ってくれたので良かったです。『ありがとう』しかないですよ、ほんとに」

今回のファッションショーを企画した奥田さんは…

(KOKO HOTEL 飛騨高山 奥田晋一総支配人)
「捨てられるはずの服でも、リメイクをして障害者の人が着て、すごく満足そうに着ていたのが一番。それが全てじゃないかと思います」

観光客が残していったたくさんの衣類。そのままでは単なるゴミになってしまいますが、それが「絆」と「思い出」に変わりました。

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP