「父の日」あなたは何を贈りますか?
【CBCテレビ イッポウ金曜論説室】
今年の「父の日」は6月17日です。
歴史をふり返ってみると、「父の日」誕生の由来は今から110年ほど前の1909年、アメリカのワシントン州だと言われます。ひとりの男性が南北戦争から故郷に帰ってくると妻は死去し、子供6人が残されていました。男性は男手ひとつで子供たちを育てたそうです。月日が巡り6人の内のひとりであったジョン・ブルース・ドットという夫人が、そんな父親に感謝して、父の誕生日だった6月に礼拝をしたことがきっかけと言われます。
その後1966年に第36代のリンドン・ジョンソン大統領が、6月の第3日曜日を「父の日」と定めました。
現在は、アメリカの他、イギリス、フランス、カナダ、インド、トルコ、中国そして日本など多くの国が6月第3日曜日を「父の日」としています。しかしこれ以外に様々な国がそれぞれの「父の日」を定めています。
1年のカレンダーで最も早いのは1月6日のセルビア。新年早々、日本だとまだお正月という感覚ですね。ロシアは2月23日の「祖国防衛の日」を「父の日」としています。台湾は8月8日です。中国語で「8」の発音が「パーパ」に近いことからこの日にしたそうです。1年で最も遅い「父の日」は12月26日のブルガリア、クリスマスの翌日なのですね。このようにそれぞれの国ごとでお父さんに感謝する風景が見られることでしょう。
この「父の日」のプレゼントについての調査結果が、先日発表されました。日本生命保険相互会社が毎年実施しているインターネットアンケートで、今回は7316名が回答しています。
それによりますと、「父の日」にプレゼントを「贈る」と答えた人は68.6%、「贈らない」と答えた31.4%を大きく上回りました。実は去年までは2年連続で「贈る」と答えた人が5割に届いていませんでしたから、世のお父さんにとっては嬉しい結果でしょうか。
「贈る」人の内9割以上の人が去年も贈っていると答えており、「ほぼ習慣化してきた」と調査を担当したニッセイ基礎研究所では話しています。
ちなみに「母の日」についても同じアンケート調査が行なわれ、こちらは74.8%が「贈る」と回答しています。
今までもらったプレゼントで一番嬉しかったものは何か?
プレゼントの内容ですが、贈るもの贈られたいもの、いずれも1位は「食事・グルメ」でした。しかし、贈るものでは7位だった「手紙・メール・絵」が贈られたいものでは2位の人気でした。
「今までもらったプレゼントで一番嬉しかったものは何か?」という質問の回答でも、この「手紙・メール・絵」が「食事・グルメ」や「酒類」を抑えて1位でした。
また「プレゼントの望ましい金額」について贈られる父親側は「お金はかけなくていい」と答えた人が26.5%で1位。手紙やメールが嬉しいという回答に呼応した結果となりました。お父さんにとっては子供たちからの感謝の気持ちは品物の内容や予算の多寡にかかわらず、とにかく嬉しいことがわかります。
ちなみに「母の日」は、贈る側も贈られる側も「生花・カーネーション」が1位となり、やはり「母の日」はカーネーションという花が定番の主役なのですね。
文豪ウィリアム・シェイクスピアがこんな言葉を残しています。
「When a father gives to his son, both laugh ; when a son gives to his father, both cry(父が息子に贈る時は二人とも笑顔。息子が父に贈る時は二人とも泣き顔)」。
お父さんが息子に何かプレゼントする時は父親もそしてもらった息子も喜んで笑い合うのですが、息子から何かプレゼントされた時の父親は感激で涙し、それを見た息子ももらい泣きするという意味のようです。
やはり親にとって、特に「お金はかけず気持ちでも十分」と思っている父親にとって、古今東西わが子からの贈り物はとにかく格別に嬉しいものなのでしょう。