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アーチの一本線は何のため? 岐阜県にある“特徴を持つ廃隧道”を巡る旅

アーチの一本線は何のため? 岐阜県にある“特徴を持つ廃隧道”を巡る旅
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、廃道と遺構を愛する道マニア歴9年の渡邊美樹さんが、岐阜県にある“廃隧道”を巡ります。※安全対策をしてロケをしています。廃道・廃隧道は危険ですので、むやみに立ち入らないでください。

水の流入を防ぐ役割?一筋の溝が特徴の「木之實隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

渡邊さんと一緒に旅をするのは、アイドルグループ・SKE48の佐藤佳穂さん。訪れたのは、岐阜県恵那市。

(道マニア・渡邊美樹さん)
「岐阜県にはトンネルがいっぱいある。今も残っている古い隧道の中から、廃道の中にある隧道をご案内したい」

まずは、国道257号の旧道(国道418号)にある、渡邊さんお気に入りの廃隧道へ。その隧道は戦前に造られ、岐阜県の中でも変わった特徴を持っていると渡邊さんは言います。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

国道418号の脇から旧道を歩き進み、いよいよ廃道区間へ。すると、昭和6年(1931年)竣工の「木之實(きのみ)隧道」が出現!昭和63年(1988年)までの約60年間使われていたそうで、小さな扁額には「木之實隧道上村口」と書かれています。

隧道内はコンクリートが吹きつけられており、反対側の扁額には「木之實隧道岩村口」と、かつてあった村の名前が書かれています。この「木之實隧道」には、他の隧道ではあまり見られない特徴があると言う渡邊さん。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・渡邊美樹さん)
「アーチのところに、溝になっているラインがある。これがあるおかげで、隧道マニアはこの隧道が『木之實隧道』であることが分かる」

渡邊さんは、湧き水や雨水などがトンネル内に流入するのを少しでも防ぐために、深い溝をつけたのではないかと考察します。

荒れた山中に眠る石積み造りの「久保原隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いても、同じ恵那市にある渡邊さんお気に入りの廃隧道へ。県道406号が誕生したことで廃道となり、そこには特徴的な造りが残る廃隧道が眠っていると言います。

県道406号の脇にある細い道を進むと、現れたのは、大正13年(1924年)竣工の「久保原隧道」。平成2年(1990年)に現在の県道が供用開始されるまで使われていたそうで、坑口付近には崩れ落ちた石が転がっています。

(道マニア・渡邊美樹さん)
「ここは石積みの隧道。明治時代はレンガ造り、昭和時代はコンクリート造りが主流だったが、ここは石積み造りが主流だった時期に造られた」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

この隧道の扁額には他ではあまり見られない特徴があるようで、「扁額に『飯羽間(いいばま)』と地名が書いてある」と渡邊さん。

隧道は町と町の境目にあることが多く、同じ隧道でも扁額には地名が書いてあることがあるそう。そのため、この「久保原隧道」も山岡町久保原側には「久保原隧道」、岩村町飯羽間側には「飯羽間」と、扁額には地域の名前が書かれています。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

また、石の積み方にも特徴があり、「“スプリングライン”を境に、積み方が変わっている」と渡邊さん。アーチの直線部分とカーブが始まる境目の“スプリングライン”で、石の積み方が切りかわっていることが分かります。

近くの集落の方曰く、隧道内に電気がなく交互通行ができないほど狭かったが、バスが通り通学路にも使っていたとのこと。住民にとって、かつては貴重な交通網だったことがうかがえます。

5月7日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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