明治時代の隧道をラリーカーが駆け抜ける!公道を猛スピードで走るラリージャパンのコースを巡る旅
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は特別企画!全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴25年の鹿取茂雄さんが、11月16日から愛知・岐阜で開催される世界ラリー選手権の日本大会「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」のコースとその周辺にある隧道を紹介します。
ラリージャパンコースを実際に体験!豊田市内の山間ルート
鹿取さんと一緒に旅をするのは、プロギャルのぱにぱにぱにぱにともちんぱさん。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「いい所がラリージャパンのコースに選定されているし、コースから少し外れたところにも面白い所がある」
「ラリージャパン」は一般道が走行ステージとなり速さを競う大会で、豊田スタジアムに加えて愛知・岐阜にある公道もコースに指定されており、公道最速を決める大会として世界中の名ドライバーが集結します。
公道を貸し切る12か所のコースから、鹿取さんがセレクトした愛知県豊田市にあるコースと、その周辺にある魅力的な隧道を巡ります。まずは、「旭高原元気村」周辺へ。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「カーブやアップダウンがあるから、実際のスピードで走ったら迫力ありそう」
市内の山間地を縫うように通り、観戦エリアからは迫力あるスピードを間近で体感できます。
最大の見せ場!正真正銘のコース「伊世賀美隧道」
続いて訪れたのは、旭高原元気村の南にある「伊世賀美(いせがみ)隧道」。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「ラリージャパン最大の見せ場。この場所をコースに選んでくれたことが嬉しい」
明治30年竣工のこの隧道がラリージャパンのコースに指定されており、昨年は数々のドライバーが挑んだ難所とのこと。
「伊世賀美隧道」を通る旧国道153号は、尾張名古屋と信州飯田をつなぐ「飯田街道」と呼ばれ、三河湾で取れた塩を信州方面へ運ぶための重要な道でした。“中馬(ちゅうま)”と呼ばれる馬を使って物資を運んでいたことから「中馬街道」とも呼ばれ、その道中の難所「伊勢神(いせがみ)峠」を越えるため、明治30年に隧道が造られたそう。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「丈夫な石積み構造だから、ほぼ完璧な状態で当時のまま残っている。石で造るとお金も労力もかかることを考えると、当時の人がどれだけこの道を大切にしていたかが分かる」
時代とともに車社会が発展し、昭和35年には現在の国道153号に「伊勢神トンネル」を建設。さらに現在は、新たに「新伊勢神トンネル」を建設中です。
「伊世賀美隧道」をあとにした2人は、豊田市南部にある集落へ。民家や田園風景が広がるこの場所も正真正銘のコースで、日本の原風景とラリーカーのギャップが人気の観戦エリアだそう。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「田んぼと民家の間を縫うようにして、ラリーカーが猛スピードで駆け抜けるからすごい」
そして、三河湖のモニュメントがある場所がゴール付近とのことで、鹿取さんセレクトのコースを巡る旅は終了です。
近代道路トンネルとしては愛知県最古!「与良木隧道」
コースから外れて最後に訪れたのは、三河湖の東に位置する設楽町と新城市の境。「以前から行きたいと思っていた」と鹿取さんが言う隧道へ。
到着したのは、扁額も残る「与良木(よらき)隧道」。明治27年の竣工で、「近代道路トンネルとしては愛知県最古の隧道」と鹿取さん。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「入口は立派な石積みだけど、中はコンクリート。以前は素掘りの状態で、近代になってからコンクリートで固められたと思う」
この道は江戸時代以前、愛知の岡崎と長野の塩尻を結ぶ「伊那街道」として栄え、物流に欠かせない重要なルートでした。その中の要所に「与良木隧道」は造られ、荷馬車の通行が可能に。完成から80年以上に渡って人と物流を支え、活躍しました。かつては県道指定されていましたが、人の往来が減り、現在は市道になっています。
11月7日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より