進化を遂げる医療の世界に「スーパードクター」…常識を超える技術と熱意!最新スーパードクターファイル
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、
総合新川橋病院 副院長
脳神経外科顧問 医学博士 佐野公俊先生
ニューハート・ワタナベ国際病院
副院長 心臓血管外科医 医学博士 大塚俊哉先生
富山大学附属病院 膵臓・胆道センター
副センター長 第三内科 教授 医学博士 安田一朗先生
富山大学附属病院 膵臓・胆道センター
センター長 第二外科 教授 医学博士 藤井努先生
の4名です。
今回のテーマは「〜常識を超える技術と熱意〜最新スーパードクターファイル」
日々進化を遂げる医療の世界には、常識を超えた技術と熱意で患者さんを健康へと導くスーパードクターがいます。そこで今回は、今ぜひ知っておきたいスーパードクターたちをご紹介します。
スーパードクターファイル No.1「佐野公俊」
<医療の常識を変えた!世界が認めるスーパードクター>
1人目のスーパードクターは、総合新川橋病院の副院長・佐野公俊先生。脳神経外科医の佐野先生が得意とする手術は、「脳動脈瘤」のクリッピング手術。脳動脈瘤とは、脳内の血管にできるコブのようなもの。破裂すれば約27%が命を落とすという「くも膜下出血」を招きます。佐野先生がこれまで行ってきた手術は約5000件。難しい症例があると日本中から声がかかる伝説の医師です。
<0.1mmの世界で戦うレジェンド>
佐野先生は、チタン製のクリップで脳動脈瘤の根元を挟み、その破裂を防ぐ「開頭クリッピング術」のスペシャリスト。クリップは、130種類以上あり動脈瘤の場所や大きさなどによって形状も様々。確実に根元を挟まなければ、再発の恐れもあるといいます。脳内には大小様々な血管が存在しますが、佐野先生は一切それを傷つけることはない「無血手術」の名手。長さ1cmほどのクリップを使い、脳内にある約0.1mmの血管を避け、動脈瘤の根元を確実に挟みます。
<79歳 戦う相手は己自身>
「常に己との勝負だから、次に自分を向上させる事だけが上達の道」と語る佐野先生。
手術の前は必ず絵に描いてシミュレーションを行うそうです。そして、手術後にも実際にどう見えたかを絵に描き、手術前のイメージと手術の精度を確認するのだとか。その絵は若い医師たちの資料として残しているそうで、その数は5000枚にも及ぶそうです。(※受診の際に紹介状は必要ありません)
スーパードクターファイルNo.2「大塚俊哉」
<世界中から依頼が殺到!術式に名を刻む男>
2人目のスーパードクターは、ニューハート・ワタナべ国際病院の副院長・心臓血管外科医の大塚俊哉先生。先生の名前が刻まれた術式が一昨年、世界に先駆け日本で保険適用になりました。その名は通称「ウルフ・オオツカ法」。画期的な手術を編み出した大塚先生の元には、国内外からその腕を求めて依頼が舞い込みます。遠方の患者さんはリモートで診察を行うそうです。
<心房細動の根治・脳梗塞の予防を同時に!>
「心房細動」とは、不整脈の一種で加齢などにより本来は規則的に拍動する心臓が細かく震えるように動く病。その原因は、肺からの血液が通る血管・肺静脈から出る異常な電気信号にある事がわかっています。この心房細動が怖いのは、血液がうまく循環せず、心臓の左心耳という場所に血栓ができやすくなってしまうこと。この血栓が脳に運ばれると脳の血管が詰まり、死の危険もある「脳梗塞」を引き起こす事もあるのだとか。大塚先生が編み出したウルフ・オオツカ法は「心房細動の根治」と「脳梗塞の予防」を、心臓を止める事なく同時に行う手術だそうです。
<患者に身体に負担の少ない手術を>
心臓を止めて行う手術は、患者の身体の負担がとても大きいそうです。大塚先生が共同開発者のウルフ医師と目指したのは、患者に負担をかけない手術。手術は、両脇に0.5〜1cmほどの穴を数か所開け、医療機器を差し込み内視鏡で行います。3種類の特殊な医療機器を使用する事で、人工心肺を使わず素早く正確に心房細動の原因となる異常な電気信号を遮断。さらに、血栓ができる左心耳を切り取る事で将来の脳梗塞を予防します。限られた視野の中で行うため、熟練した技と解剖学的な知識が求められるのだとか。その手術時間はわずか1時間半程度。傷も小さく、心房細動の薬を飲み続ける必要も無くなるそうです。
<与える医療から選ばれる医療へ>
大塚先生が目指すのは、患者さんが自ら手術法や医師を選ぶ事のできる“選ばれる医療”。後進の育成にも積極的で、これまで大塚先生が指導した病院は全国に広がりを見せています。気になった方は直接お問い合わせ下さい。(※受診の際は詳しい診療情報や検査データをお持ちください。必ずしも紹介状は必要ありません)
<ウルフ・オオツカ法を受けられる病院>
・札幌心臓血管クリニック
・金沢医科大学病院
・千葉西総合病院
・ニューハート・ワタナベ国際病院
・広島大学病院
・山口県済生会下関総合病院
・徳島大学病院
・友愛医療センター
(※大学病院は紹介状がない場合、特別料金7000円が必要になります)
スーパードクターファイルNo.3「富山大学附属病院 膵臓・胆道センター」
<膵臓がん患者 最後の砦>
膵臓がんの5年生存率は、他の主ながんに比べてひときわ低く男性8.9%、女性8.1%と言われています。その原因は大きく2つあるそうです。1つは、胃の裏にあるため早期発見がとても難しいこと。そして、もう1つは進行が非常に早く転移しやすいこと。一般的に膵臓がん患者の半分以上に転移があるそうです。そんな膵臓がん患者の最後の砦と呼ばれているのが、富山大学附属病院膵臓・胆道センターです。
<富山大学附属病院 膵臓・胆道センターの5年生存率>
富山大学附属病院膵臓・胆道センターでは、切除可能な膵臓がん患者の5年生存率が約40%。切除が難しい膵臓がん患者は、約3割が抗がん剤などで小さくして切除可能に。その場合、十分な術前治療が行われているため5年生存率は約60%と高い数値になっています。
<膵臓がんを見つけるスペシャリスト「内科医 安田一朗」
膵臓・胆道センターの副センター長で内科医の安田一朗先生は、膵臓がんを見つけるスペシャリスト。超音波内視鏡の第一人者でもあります。超音波内視鏡とは、口から入れて胃の裏側にある膵臓の状態を超音波で調べる検査機器。小さな膵臓の腫瘍を見つける上では、一番精度が高い検査だと言われているのだとか。ただし、知識と経験がないと操作が難しい検査でもあるそうです。安田先生は、日本に導入される前からこの検査に注目。単身ドイツに渡って技術を身につけ、今では50人以上の弟子がいるそうです。もちろん、その技術は日本一。「安田に見つけられない膵臓がんはない」とも言われています。
<日本一諦めが悪い外科医「藤井努」>
膵臓・胆道センターのセンター長である藤井努先生は、膵臓がん手術のスペシャリスト。難易度の高い膵臓がん患者を数多く手術し治療してきました。藤井先生の真骨頂は、患部を切除した後の再建。膵臓がんの手術は、がんがある部分・胆のう・十二指腸を切除し、持ち上げた小腸に胆管・膵臓・胃をつなげます。この時に膵臓から膵液が漏れ合併症を引き起こす事が、5年生存率が低い理由の1つでもあるのだとか。そこで藤井先生は、膵液が漏れにくくなるように、腸をラップするように縫う方法を考案。この吻合方法を使ってから、膵液が漏れるケースが約10分の1に減ったそうです。
<膵臓がん5年生存率 劇的UPの理由>
膵臓がんのスペシャリストの存在以外にも、富山大学附属病院が5年生存率を上げている理由があります。それは、内科と外科の垣根を完全になくす事。患者の情報を共有し意見を出し合う「カンファレンス」という場にも、外科医・内科医など違う科の医師たちが一堂に会します。これは、一般的には珍しい事だそうです。また、膵臓がんの患者さんが来たら外科・内科どちらの医師が診ても良く、それにより検査なども迅速に進められるのだとか。これらは全て、治療を急ぐ患者さんのため。そして、膵臓がんの手術は早くて5〜6時間。長いと15〜16時間かかる事もありますが、富山大学附属病院ではレベルの高いチームを3つ用意し、交代しながら行う事で精度の高い手術を行っているそうです。(※紹介状の有無は問いませんが無い場合は特別料金7000円が必要になります)
(2024年8月18日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)