帰省時にできる簡単認知症チェック

2022年8月14日(日)放送 【第518回】
帰省時にできる簡単認知症チェック

サマリーSummary

ゲスト:村上佳菜子
ドクター:おくむらメモリークリニック 理事長 医学博士 奥村歩
「認知症」は、国内で推計600万人の患者がいるといわれており、早期発見が何より大切だそうです。早く気づくための方法の1つは、家族や周囲の人がいち早く異変を察知する事。そこで今回のテーマは「帰省時にできる認知症チェック」。名医オススメの認知症予防法もご紹介します。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~違和感を見つけて早期発見・対策~帰省時にできる認知症チェック!

「認知症」は、国内で推計600万人の患者がいるといわれており、早期発見が何より大切だそうです。早く気づくための方法の1つは、家族や周囲の人がいち早く異変を察知する事。そこで今回のテーマは「帰省時にできる認知症チェック」。名医オススメの認知症予防法もご紹介します。

「老化によるもの忘れ」と「認知症のもの忘れの違い」

先生によると、忘れた事を自覚している場合は「老化によるもの忘れ」。メモを取るなどして対策できる場合は問題ないそうです。一方、「認知症のもの忘れ」は人との約束や日課をすっぽりと忘れてしまったり、薬を間違えて飲みすぎてしまったり、忘れた事に対して自覚がなく日常生活に支障が出てしまうとの事。そのため、家族や周囲の人が早く異変に気づいてあげる事が大切だそうです。

~違和感を察知して認知症を早期発見~
認知症かどうかを見極める方法は、違和感を察知する事。以前との違いは近しい人にしか分かりません。そのため、これからご紹介する4つの信号を参考にして、ご家族に違和感や変化が見られないか確認してみてください。

認知症の信号(1)日常の動作がおぼつかない(視空間認知の衰え)

視空間認知とは、対象の形や自分との位置関係を認識する脳機能。この機能が衰えると、ボタンを留めるのに時間がかかったり、たがい違いに留めてしまったりなど、上手くできなくなってしまう事があるのだとか。他にも、「靴紐が結びにくくなる」「歩き慣れた道でも迷う」といった事が起きてしまうそうです。また、視空間認知が衰えると、モノを回転させる動作が鈍くなるため、力が入らないとは違う感覚で「ペットボトルの蓋がスムーズに開けられない」兆候も見られるそうです。

認知症の信号(2)最近の出来事が言えない(近時記憶の低下)

近時記憶とは、身近な出来事を脳のメモ帳に記録する機能。認知症を発症すると早期から近時記憶が低下するため、最近の印象的な出来事を忘れてしまうそうです。例えば「旅行や結婚式などの印象的なエピソードを忘れてしまう」「同じ事を何度も言ったり聞いたりする」など。また、最近見たドラマのタイトルを忘れるのは、老化によるもの忘れなので問題ありませんが、「ドラマを見た事自体を忘れてしまっている」場合は近時記憶に問題があると考えられるそうです。

認知症の信号(3)言い訳が増える(BPSD)

BPSDとは、認知症が始まった方が自分のプライドを守るために現れる心理症状の事。例えば、認知機能の低下で意欲がなくなりドラマを見なくなった場合“最近のドラマは面白くなくなった”“忙しくてテレビを見る暇がない”などの言い訳が多くなります。他にも、元々
温和だった方が「怒りっぽくなる」、元気だった方が「無気力になる」などの変化もBPSDの場合があるそうです。

認知症の信号(4)段取りが悪い(遂行実行機能の衰え)

遂行実行機能とは、頭に思い描いた通りに動作を段階ごとに実行する脳の働き。認知症を発症してこの機能が衰えると、手順や段取りが分からなくなり料理が上手くできなくなってしまうのだとか。そのため、何度も作っている献立なのに「料理に時間がかかる」場合や「品数が極端に減る」場合、味噌汁などの「定番の味が変化」している場合は要注意だそうです。

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

違和感を感じた時の接し方

違和感を感じた時には、現状を分かってほしいという思いから、つい論理的に間違いを指摘したり、訂正したりしてしまいがちです。しかし、本人には自覚がないので却って戸惑わせてしまうのだとか。そのため、自尊心を傷つけないような配慮が大切だそうです。先生によると、自尊心を傷つけずに認知症をチェックするには「ストレートに質問せず対話の中でさりげなくチェックする」事。また、遂行実行機能の衰えはクロスワードパズルや計算ドリルなどでもチェックできるので、お孫さんと一緒にやったりしてそっとチェックすると良いそうです。

五感を刺激する認知症予防法

世界五大医学誌の1つ「lanset」に掲載されたロンドン大学の研究によると、趣味などの知的活動・運動・生活習慣病の予防・人と上手に関わるなどの生活習慣を改善する事で、認知症の発症を40%予防する効果が期待できるそうです。視覚が衰えると、知的好奇心を満たす読書のような趣味はしにくくなります。聴覚が衰えると、円滑なコミュニケーションが難しくなります。そのため、五感を衰えさせない事が認知症を予防するためにも大切だそうです。

<名医オススメ!五感の衰えを防ぐ認知症予防法「四季散歩」>
四季散歩とは春夏秋冬、季節の移り変わりを意識しながら散歩するというもの。楽しみながら五感を刺激して認知症を予防しましょう。(※散歩時は熱中症にご注意ください)

・認知症予防のポイント(1)視覚の刺激
青々と生い茂る木々や傍らに咲いている花など、季節の移り変わりを伝える存在をしっかり見て歩きましょう。また、街並みや馴染みの店、看板などの変化を意識するのも大切との事。散歩をしながら昔の思い出や経験を語り合うのも効果的だそうです。

・認知症予防のポイント(2) 嗅覚の刺激
夏ならではの緑の匂い、秋のキンモクセイの香りなど、季節ごとに変わる匂いを意識しながら歩きましょう。

・認知症予防のポイント(3)聴覚の刺激
夏の蝉や鳥の声、川のせせらぎ、風の音など、自然の音に耳を澄ませて歩きましょう。

・認知症予防のポイント(4)味覚の刺激
旬のものを取り入れたお弁当を用意し、季節ごとに旬の味覚を感じながら食べるのがオススメだそうです。

・認知症予防のポイント(5)触覚の刺激
土や砂利の道など、あえて舗装されていない道を歩いてみましょう。普段歩き慣れていない道は刺激になるそうです。

<散歩があまりできない方にオススメ!「家庭菜園」>
先生によると、散歩ができない方は家庭菜園やガーデニングがオススメ。草花の香りを全身で感じたり、土を触ったり、自分で作った旬の野菜を美味しく食べたりする事で四季散歩と同様の効果が期待できるそうです。

(2022年8月14日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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