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腹痛に潜む危険な病気

腹痛に潜む危険な病気

サマリーSummary

ゲスト:島崎和歌子
ドクター:千葉大学医学部附属病院 総合診療科 科長 医学博士 生坂政臣
突然襲ってくる「腹痛」。多くの場合は、トイレに行ったり時間が経ったりすると自然に治まりますが、なかには放置すると命に関わる危険な腹痛もあるのだとか。そこで今回は、腹痛に潜む危険な病気とその特徴などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~お腹の痛む場所で分かる!?~腹痛に潜む危険な病気

突然襲ってくる「腹痛」。多くの場合は、トイレに行ったり時間が経ったりすると自然に治まりますが、なかには放置すると命に関わる危険な腹痛もあるのだとか。そこで今回は、腹痛に潜む危険な病気とその特徴などを専門医に教えてもらいました。

腹痛の原因は?

先生によると、腹痛は下記のようにさまざまな原因が考えられるとの事。そのうちの多くは、自然に良くなる胃腸炎などだそうですが、なかには見逃してはいけない病気が隠れている事もあるそうです。

<腹痛の原因>
・胸やお腹を含む全ての臓器
・大血管(心臓や脳などの血管)
・神経
・筋肉
・糖尿病
・アレルギー
・メンタル
・片頭痛 など

<およそ10人に1人が罹患「過敏性腸症候群」>
過敏性腸症候群とは、お腹の痛みに下痢や便秘を伴う症状が慢性的に続く病気の事。およそ10人に1人が罹患しているといわれています。症状に応じて飲み薬もあるそうなので、気になる方はかかりつけ医に相談してください。

お腹の場所別!危険な腹痛(1)「脇腹の痛み」

・尿管結石
尿管結石とは、尿の通り道に結石ができて尿路を塞ぎ、腎臓内の圧力が上がる事で痛みが出る病気。尿管はお腹の左右にあるため、どちらかの脇腹に痛みが現れるのだとか。尿は夜間に酸性になるため、結晶化して結石ができやすくなります。そのため、夜中から朝方にかけて、脇腹に激痛が起こるのが特徴。中年以降の男性や、閉経後の女性に多くみられるそうです。

<再発を防ぐには食生活の改善を>
尿管結石は、再発率が高く、生活習慣を見直さないと再発する可能性が高まるといわれています。先生によると、流れ出た結石を医療機関に持参すると成分を分析してくれるため、再発予防に役立つのだとか。例えば、結石の成分に尿酸が多かった場合は、ビールやレバーなどに含まれるプリン体に注意が必要だそうです。気になる方は、かかりつけ医に相談してみてください。

お腹の場所別!危険な腹痛(2)「みぞおちの痛み」

・胆石
胆石とは、胆汁に含まれる成分が結晶化して固まったもの。これが胆のうの収縮によって動き、胆管に詰まると痛みが出るのだとか。特徴は、胆のうが動く食後や夜中にみぞおちに急激な痛みが出る事。脂肪分の多い食事を摂るとできやすいため、食生活の変化と共に患者が増加しているそうです。

・心筋梗塞
心筋梗塞とは、心臓に血液を送っている冠動脈に血栓が詰まって血流が途絶え、心筋が壊死してしまう状態の事。突然死に至る恐れもあるとても危険な病気です。胸の痛みとして感じる事が多いですが、「関連痛」といって脳の勘違いにより本来痛みが現れた所とは別の場所に痛みを感じる事もあり、みぞおちの痛みとして感じる場合もあるそうです。

お腹の場所別!危険な腹痛(3)「おへそ周りの痛み」

・虫垂炎
虫垂炎とは、虫垂に細菌が感染して炎症を起こした状態の事。一般的には「盲腸」として知られています。初期はおへそ周りに痛みが生じるそうですが、これも関連痛によるもの。おへそ周りの痛みから右下に痛みが降りてくるのが特徴だそうです。虫垂炎は、10~20代に多くみられますが、高齢者まで幅広い年代で発症します。発見が遅れると内臓の表面を覆う腹膜が炎症を起こす「腹膜炎」になり、命に関わる事もあるので注意が必要だそうです。

検査では異常なし 腹痛の意外な原因「腹壁痛」

腹壁痛とは、腹筋を貫いている神経が原因で左右どちらかのお腹が痛くなる病気。動くと痛みが出るのが特徴で、年齢や性別を問わず誰にでも起こり得ます。原因不明の腹痛の15~30%が腹壁痛というデータもあり、診断が難しい腹痛だそうです。

<診断が難しい理由>
先生によると、腹壁痛はこれまであまり知られておらず、医師全体に知られるようになったのもここ10年くらいの事なのだとか。さらに、腹壁痛は通常の検査では異常が出ないので、過敏性腸症候群やストレス性の腹痛と診断されやすく、勘違いしている人も多いそうです。麻酔薬を注射するなどの治療法で改善する患者さんも多いそうなので、気になる方は病院へ行ってみてください。

<腹壁痛の診断法「カーネット兆候」>
通常の検査では異常が出ない腹壁痛ですが、「カーネット兆候」という診断法で腹壁痛の診断ができるそうです。方法は、足を曲げて仰向けになり痛みがある場所を押します。その状態で頭を上げ、痛みが強くなった場合は腹壁痛。楽になった場合は、内臓が原因と考えられるそうです。

~いつもと違う場合は病院へ~
繰り返す腹痛は、病院へ行かずに放っておきがちですが、体重が減少したり便の性状が変わったりなど何か変化があった場合は、かかりつけ医を受診しましょう。

(2022年6月26日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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