肝臓を労わる!悪酔いしないお酒の飲み方
サマリーSummary
ゲンキスチューデント:北原里英
ゲンキリサーチャー:なすなかにし
ドクター:米田正人
悪酔いが起こる理由
アルコールは、主に小腸で吸収され肝臓に運ばれます。その後肝臓でアセトアルデヒドという成分になり、さらに分解されて体外に排出されます。ところが、肝臓で分解できる以上のお酒を摂取すると、肝臓にアルコールやアセトアルデヒドが残り、頭痛や胃痛、吐き気など悪酔いにつながります。また、悪酔いを繰り返すと、肝臓に脂肪が蓄積し肝機能が落ちる「脂肪肝」や肝細胞が壊れ硬くなる「肝硬変」へとつながり、命に関わる恐れもあります。
悪酔い対策ポイント・飲み会序盤
・空腹時に飲まない
胃に何もない状態でアルコールを摂ると、アルコールを急激に吸収していまい悪酔いにつながります。そのため、お酒を飲む前にお通しを食べるのがオススメです。いきなりお通しを食べるのが難しい場合は、事前に水を飲みましょう。アルコール濃度を薄められるので悪酔いの防止につながります。
・アルコール度数が低いものを選ぶ
悪酔いを防ぐためには、アルコール度数が低いものを1杯目に選びましょう。また、飲むペースが早いと、肝臓での分解が追いつかず悪酔いしやすくなるので注意が必要です。
・食物繊維や油を摂る
ポテトサラダなどの食物繊維や油は、アルコールを胃に長く留め、腸に送られるのをゆっくりにするため、序盤の悪酔い防止に最適です。逆にNGなのは、唐辛子やニンニクが多いもの。辛いもので荒れた胃にお酒が入ると、胃痛や吐き気の原因に。
悪酔い対策ポイント・飲み会中盤
・水を飲む時間帯を設ける
飲み会の中盤は、水を飲む時間を設けて飲み過ぎを防ぎましょう。お酒の利尿作用によって、飲んだ水以上の水分が尿として出てしまうため、水を飲む事がとても大切です。
・「枝豆」は中盤以降がオススメ
序盤に食べがちな枝豆ですが、豊富なたんぱく質やビタミンB1がアルコールの分解を手助けするため、飲み会の中盤以降に食べるのがオススメです。他にも中盤にオススメの食材が「タコ」。肝機能を高めるタウリンが含まれており、悪酔い防止につながります。
悪酔い対策ポイント・飲み会終盤
・糖分を摂る
お酒が進んだ後は、アルコールを分解するために肝臓がエネルギーを欲しています。そのため、アイスや炭水化物などの糖分を含むシメを食べることは、悪酔い対策としては適しています。ただし、量は小皿一杯程度に抑えましょう。食べ過ぎは禁物です。
・チーズを摂る
チーズに含まれるメチオニンが、肝機能を高めてくれます。チーズリゾットは、肝機能を高めるとともに、お米の炭水化物が肝臓のエネルギーになるため、シメの一品に最適です。
お酒意外にもある肝臓への悪影響
生活習慣の乱れによって、お酒を飲まなくても肝臓に脂肪がたまる状態があります。これを「非アルコール性脂肪炎(NASH)」といいます。原因の1つとして挙げられているのが、フルーツの食べ過ぎ。フルーツに含まれる果糖は、ほぼ肝臓でしか使われない糖分。食べ過ぎると肝臓に蓄積し、脂肪肝につながります。もしフルーツを食べるなら、朝に食べるのがオススメ。日中にエネルギーとして消費されます。
巷の二日酔い対策のウソ・ホント
・しじみの味噌汁を飲む→△
味噌汁自体は、アルコール摂取で失われる水分や塩分を補給するのにオススメです。しかし、しじみに含まれるオルニチンの効果を得るには、お酒を飲む前又は飲んでいる最中に摂るのが最適です。
・朝ごはんを食べる→○
お酒を飲んだ時、肝臓は夜中から朝にかけてアルコールを分解するために働いています。そのため、肝臓自体がエネルギーを必要とするので、朝ごはんをしっかり食べてエネルギーを摂る事が大切です。
・お風呂に入る→×
お風呂に入るのは、実は危険な行為。二日酔いの朝は、アルコールによる利尿作用などで身体は水分不足の状態です。汗をかいてさらに水分を失うと、脱水症状を起こしかねません。
・ラムネを食べる→○
ラムネはブドウ糖の塊。肝臓がアルコールを分解するときに使うエネルギーを効率良く摂る事ができます。
~適量を守って肝臓を労わりましょう~
お酒を飲み過ぎて肝臓でのアルコール処理が追いつかなくなると、肝臓へのダメージ蓄積や急性アルコール中毒の危険があります。1日で摂取するアルコールの適量は20g。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度が目安とされています。