中日・清水達也、目指すは憧れ続けるクローザー!“ライデルがメジャーに行けば、次は僕が抑えに”
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
悪夢のような一週間
悪夢のような一週間が終わった。一時は初の交流戦優勝も狙える!と期待していただけに、まさかマリーンズ、ファイターズのロード6連戦を全敗するとは予想だにしなかった。
今季最多の借金8。しかしまだシーズンは半分も消化していない状況。ペナントレース再開の17日までになんとか立て直し、宿敵ジャイアンツとのホーム三連戦でスカッとした戦いぶりを見せてもらいたいものである。
どこかの漫画ではないが…諦めたら、そこで試合終了です!
さて今週のサンドラは今やロドリゲス、マルティネスへつなぐ勝利の方程式のセットアッパーとして、チームに欠かせない存在感を見せている清水達也投手へ大物シークレットを含めレジェンド5人が質問攻め!去年まで先発として思うような結果が出なかったものの、今季から救援に回り才能が見事に開花。水を得た魚のように、活きの良いピッチングを見せ続けている清水投手が包み隠さず本音を明かす!
気持ちや生活に変化は?
まずは谷繁元信さんの質問を選んだ清水。
谷繁『中継ぎ転向後、気持ちや生活にどんな変化がありましたか?』
清水『先発は登板日が決まっていたので、その日に向かって緊張感が高まっていきましたが、中継ぎは毎日試合がある中で逆に投げない日もあるわけです。どちらかというと気楽な準備が出来て良かったです』
先発登板日までの緊張感があまり得意ではなかった清水にとって、どうやら突発的に指示が下る救援の方が向いていたようだ。
去年と変わったのは何?
二人目に選んだのは赤星憲広さん。
赤星『去年と何が変わって好成績を残せていますか?』
清水『一番は体がとても元気なところですかね。やっぱり中継ぎなので、3つのアウトを取るだけで良いわけです。(好調の要因は)1球1球集中して挑めているからだと思います。あとは、いきなり開幕3戦目の凄い場面で投げさせてもらえたんですけど、それが一番のターニングポイントになりました』
開幕3試合目のジャイアンツ戦。
ここまで二連敗しており、どうしても連敗ストップしたかったこの試合。清水は5-5の同点、9回裏1アウト2塁の修羅場の場面で今季初のマウンドに立っていた。普通のピッチャーなら足が震えるような場面だが、しっかり腕を振り打者と対峙した。その結果、廣岡大志選手をショートゴロ、新外国人ウォーカーを1塁ファウルフライに打ち取り、サヨナラのピンチを防ぐ好投を演じた。
清水『やっぱりいい場面だと勝手に力が出ます。あそこが普通の敗戦処理だったのか、緊迫した場面だったのかでは、自分の中では変わっていたかなと思いましたね』
オープン戦から結果を残し、開幕早々好リリーフで立浪監督から信頼を得た清水。まさにジャイアンツとの一戦は、生涯忘れられない登板となった。
打たれた後の気持ちに切り替えについて
3人目は救援投手として憧れの存在である岩瀬仁紀さんからの質問。どうやらテクニカルではなく、メンタル面に興味があるようだ。
岩瀬『打たれた後の気持ちの切り替えはいつしていますか?』
レジェンド岩瀬からの質問に、“岩瀬さんに聞きたいレベルの質問なんですけど”と恐縮する清水。打たれることによって、同僚投手の勝利をフイにするのが救援投手の宿命。さて清水はどのように切り替えを見せているのか?
今季でいえば、4月5日神宮球場でのスワローズ戦。先発勝野昌慶投手からバトンを受け、登板した清水が村上宗隆選手から同点スリーランを浴び、勝野の勝利を消したのがまず頭に浮かぶ。
清水『村上に3ランで同点に追いつかれた時、全く切り替えができなくて、次の試合を抑えてやっと吹っ切れたかなって感じでした』
ちなみに歴代最多1002試合登板という前人未踏の記録を達成した、岩瀬さんの打たれた時の切り替え方はこうだ。
岩瀬『僕は次の登板のマウンドに行った時に、全部消していました。それまでは不安です。ヒヒっ(笑)』
岩瀬さんの笑いにニコっと微笑み返しをした清水は、どうやら合点を得た様子。
清水『なるほど(笑)。実際マウンドに上がってしまえば、もう次の相手がいるわけですから。その感覚は確かにな、と思います』
大事な場面に登板した時の心構え
残す川上憲伸さんの前に登場したのがシークレットカード。それは一体誰!?毎週サンドラを見て頂いている方々は容易に想像できるかも(笑)。
サンドラスタッフからタブレット端末を渡され、質問者の顔を見て驚く清水。画面に映っていたのはなんと立浪監督!
立浪監督『開幕から結構緊迫した場面で投げ、徐々に結果を出して自信をつけていると思うんですけど、大事なところで出た時はどういう心構えでマウンドに立っていますか?』
緊張した面持ちで質問に答える清水。
清水『一球たりとも相手に隙を見せず投げることです。本当に一つのフォアボールはでかいですし、一つのボールがでかい。一点もやれない状況が逆に緊張感を高め、力をくれるってことが僕には多々あります。ゾーンに入るというか、すごく湧き上がってくるものがあるというか』
その証拠として、3点以上のリードの場面での被打率が.263に対し、同点若しくは1点リードの場面では.091と圧倒的なピッチングを見せる清水。しびれる場面に好結果をみせるところ、さすがは甲子園優勝投手だけある。
抑えをやりたい?それとも先発をやりたい?
締めはエース川上憲伸さんからの質問。清水自身の将来像について尋ねた。
川上『今はリリーフ陣の中で頑張っていますけど、最後は抑えをやりたい思いがあるのか?若しくは先発ローテーションとして頑張りたいのか、どちらでしょうか?』
清水『いずれはライデル・マルティネスがメジャーに行った時に僕が抑えを任されるようになりたいです。ずっと憧れっていうのもありました』
高校時代、抑えとしてチームに貢献していた清水にとって、プロ野球というステージに変わっても、“大事な居場所”という意識はずっと持ち合わせていたようだ。ただ結果が残せなかった先発への未練も捨てきれないままでいる。
清水『山本由伸投手(バファローズ)や千賀滉大投手(ホークス)という球界を代表するピッチャーも最初は中継ぎからスタートし先発に回っているので、自分もまだ可能性はあると思っています』
球界のトップクラスのピッチャーを例に挙げ、今後の未来予想図を描く清水。
うん、その意気だ!
清水よ、大志を抱け!
一つ一つの実績を積み重ね、数年後にはメジャー移籍も目指せる球界を代表するピッチャーに成長する、そんな夢のような話を正夢にしてもらえるよう期待し、見守っていきたい。
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜