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苦境に立つドラゴンズはここからまた這い上がる!現状の弱点を井端弘和が徹底解析!

苦境に立つドラゴンズはここからまた這い上がる!現状の弱点を井端弘和が徹底解析!

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

 7月26日放送のサンドラでは、今まさにここが我慢のしどころという窮地の中で井端弘和氏によって浮上のカギを徹底分析、そしてチームとしてケガ人続出の苦しい状況ではあるがそこで掴んだチャンスをどう活かしていくか、注目のルーキー岡林勇希選手のインタビューを特集。

勝てない先発投手陣

7/26時点の成績で9勝15敗、防御率4.51(リーグ5位)、平均投球回5.18(リーグ5位)とリリーフ陣への負担も大きくなっている。これに対して井端氏はこう分析する。

「先発ピッチャーに負けが非常に(多く)ついている。それは相手より先に点を取られているから。先発ピッチャーに勝ちがつくには相手より先に点を取られない、1点でもいいから勝っている段階で次のピッチャーにつなげるのが大事かなと思います。」

1点でも多くとったチームが勝利する競技で基本的なことと言えるかもしれないが、
実際のデータとしても以下のように如実に勝敗の分かれ目となっている。

先発投手が先制された試合の成績:18試合2勝16敗
ドラゴンズが先制した試合の成績:14試合10勝3敗1分

先発投手の中でエース格の柳裕也投手がケガで離脱していることも大きいが、先発として登板する以上井端氏が提言する条件をクリアしてこの状況を乗り切りたい。

続出するケガ人

今シーズンは新型コロナウイルス拡大の影響により、時間制限や練習場所の制約もあり開幕前に十分な準備ができないまま試合に臨まなければならなかった。一軍で主力となる選手たちも例外ではない。投手では、又吉克樹投手、柳裕也投手。内野手では、堂上直倫選手、高橋周平選手。外野手ではソイロ・アルモンテ選手、平田良介選手と1ヶ月の間に6人もの選手が離脱している状況だ。そんな窮地を乗り越える方法を、井端氏はこう語る。

「ケガ人は必ず出る、先に考えておくべき。キャンプとかオープン戦とか全てを含めて全員の選手がケガしたことを想定して、当てはめていけばそんな慌てることはないと思うんですね。(この人がケガしたら、この人でいくとシミュレーションしておくということ?)そうですね、ビシエド選手も踏まえて、先発投手も踏まえていったら誰が代役をやるかというのを想定してやっておけば、誰かケガしたら俺はここだなというのが各選手わかってくると思いますので打順も含めたシミュレーションを一通りやっていけばそんなに困ることじゃないと思います。(ケガ人は)絶対出るので、出ないシーズンなんてどの球団もないと思いますので。」

 離脱者が一気に出ると、ファンの立場から見るとパニックのような不安を感じる。しかし一人の選手の穴を埋めるのは、別の一人の選手でしかない。比較すると見劣りすることもあるかもしれない。しかし井領雅貴選手のようにベンチでも一等大きな声でチームを盛り立ててきた姿勢そのままに、代役となるチャンスを活かして存在をアピールしていける選手もいる。チームとして改めて役割を明確にして、より戦略的にその機会を活かして欲しいところだ。

鬼門の2番打者

先発打順別打撃成績の中でも、2番打者だけ.165と断トツで低くなっている。次に低い3番打者では.205、下位打順で一番低い7番でも.232と比較しても呪われているのではないかというほどの成績だ。さらに不思議なのは固定した選手ではなく大島洋平選手、平田良介選手、京田陽太選手、阿部寿樹選手とどの選手も苦労してきたことだ。ここにきてようやく大島選手により改善しつつあるのが現状である。そんな怪現象を理想的な2番打者を演じてきた井端氏はこう読み解く。

「慣れるのが必要なポジション。ずっと2番の時はそんな感じはなかったんですけど、1番打ったりとか、3番打ったり、6番打ったりしたときたまに2番打つときに違いに慣れるまで最低1週間はかかったんで。全てのシチュエーションを一通り経験してこうだったなあ、あだったなというのを自分で一回わからないと思い出したりとかするものなので、一通りやって次ああしようこうしようというのが出てきてそれを実戦でやれば、一つ一つ課題をクリアして行けば落ち着いてできるんで。今は何すればいいかわからない状態でやって、ああすればよかったで終わったときにできたときくらいにぽろっと変わっちゃってるんで。そこをみんな最初からやり直しているので。それで今大島選手が、長く2番を打ち出しているのでぐっと我慢して1シーズン2番を打つぐらいのつもりでやれば解消されるのかと思います。」

細かな知略を持った攻撃で、相手チームを出し抜いてしっかりと攻撃のなくてはならない存在として活躍していた井端氏すら、2番という打順による役割にいきなり適応するのは苦労したのだろう。言わずもがな、経験の少ない選手や2番をあまり経験していない選手は順応するのに時間がかかるだろう。しかし、これもシンプルに課題を解決するというアドバイスがどおりに積み重ねるしかない。理想通りにいかない、100点の答えがない選択肢でも一つのヒット、一つのバントを全うすることで先が開ける。今できないことがあっても、それが次に何かの形に生かされていくことで、一つの負けも糧となっていく。

岡林勇希野手挑戦から一軍昇格の現在地

 2019年に投手として入団し、二刀流への挑戦も視野に入れていた岡林勇希。「野手の方がチャンスが多いということが一番大きかった。」と語り入団後には野手に専念することを決める。高校時代は、ほぼ自己流で学んだというバッティングも一軍昇格前の時点で、二軍公式戦成績打率.316(リーグ2位)、出塁率.409(リーグ1位)とトップクラスの成績を叩き出した。開幕して約一ヶ月で体感したことについて岡林はこう話す。

「こんなにできると思っていなかったので自分でもびっくりしている。(体が)開かないようにショートの頭をめがけて打つように練習していたことが今に繋がったのかなと思います。(同期入団の石川昂弥選手の一軍昇格について)自分の中でもすごく刺激を受けたし、負けないという気持ちもありました。自分も石川と同じところに立てるように練習や試合に取り組んでいました。」

そんな状況の中、7月19日に外野陣にケガが相次いだことから一軍昇格となった。初打席への意気込みをこう語った。

「初めてなので緊張せずに、いつも通りのプレイをしようと思って打席に立った。球場も(二軍の球場と)違いますし、観客も大勢いる中での打席だったので色々感じました。」

初打席はセカンドゴロで一軍の壁を痛感したが、その経験を客観的に分析できている。ルーキーながらも、一軍の舞台でどう経験を積んで行くかを目論んでいるからだろう。初打席をこう振り返った。

「甘い球を1球で仕留められるかどうかが一軍に残って行くかどうかの差になると思うので、これから練習して1球で甘い球を仕留められるようにしていきたいなと思います。このままずっと一軍にいるってことが自分の目標として試合に出ない中でも色々勉強して自分のものにしていきたいし、試合に出たときには経験を積んでこれからもやっていきたいなと思っています。」

ケガで離脱者が多くチームとしても調子が上がらない状況ではあるが、そこから生まれたチャンスを未来のための貴重な経験と捉えて一つの打席、一つの試合を血肉にしていく。そんな一直線の眼差しが現状を変えていく光の一つだろう。ファンとしてもこうした光を見失わずに、選手たちが最大限に輝けるように喝采を送り続けたい。

澤村桃

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