新生与田ドラゴンズキャンプイン! 最重要課題である正捕手争いへ3つの条件を示す!
「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」
球春到来!大盛況与田ドラゴンズ!
待ちに待った球春到来!沖縄・北谷そして読谷の地にドラゴンズナインが帰ってきた!松坂フィーバーに沸いたのはもう一年前のこと。時の経つのは本当に早い。今年は根尾昂という、チームの未来を担う新たなるスーパースターがドラゴンズブルーの戦闘服を身にまとい、凛々しい姿を現した。
ファンの期待度は初日の来場者数にも表れていた。昨年より500人上回る2500人が北谷球場へ足を運んだ。新生与田ドラゴンズへの熱い思いが、否が応にも伝わってくる。秋には優勝、そして日本一奪回という夢と希望に胸を膨らませ、ドラゴンズ選手の元気な姿を一目見ようと日本各地から集まってくれたのだ。プロ野球は注目されてナンボの世界。選手たちはあらためてドラゴンズファンは日本一、いや世界一だと実感したに違いない。そう思っていなければバチが当たる。
ブルペンへ目を向けると、メジャーリーグへの扉を開けたレジェンドプレイヤー、野茂英雄さんがドラゴンズキャンプ初訪問。杉下茂さんとともに鈴木博志投手へ、伝家の宝刀・フォークボールの握り、投げ方を伝授。またキャンブ3日目には予告通り、実戦形式のメニューを取り入れた。再起を期する大野圧巻の投球や、一回りも二回りもたくましさが増した京田のスイングにスタンドに詰め掛けたファンは大喜び。ニュースのネタに事欠かないキャンプオープニングとなった。
先入観を捨て、フラットな状態で選手を観る
『驚かせるチームを作りたい』
与田監督が就任会見で今季の戦い方について問われた時の返答だ。個々の力を向上し、組織力を高める。そして多くのファンを魅了する。今でも心強いメッセージをもらったと記憶している。
キャンプを迎えるまで、与田監督は先入観を捨て、フラットな状態で選手を観察すると宣言することによって、選手のヤル気を促し、競争力をアップさせた。
まず観る。
しっかり観る。
選手一人一人の個性を理解し、能力を伸ばす。
『選手たちには“俺はこれもできる!あれもできるぞ!ここも守れるんだぞ!”というアピールをして欲しい。そういう選手が増えれば、“俺も!俺も!”と、競争になっていく』
サンドラに出演した与田監督は就任当初からまったくブレない思いを口にした。
あくまで求め続けるのはチーム内競争。新チームとなり、投手陣、野手陣ともに現時点は皆、横一線。投手陣でいえば先発、中継ぎ、抑えは個々の特性を見極め、判断していく。野手陣ならばレギュラー、控えの区別は現時点持っていないという。
『レギュラーを確約された選手?誰もいません。最終的にどのようなメンバーになるか分からない。開幕の日にグラウンドに立っている選手がレギュラー』
すべての選手にチャンス一軍登用のチャンスがあり、竜の将は期待を持ってキャンプに臨んでいるのだ。
田島は抑えの第一候補
とはいうものの、少しでも与田監督の本音を探り出したいのがドラファンすべての思い。サンドラMCの若狭アナウンサーはファンの気持ちを代弁して、数々の質問をぶつけた。
まずは投手陣。先発投手に求めるものは、の問いに、
『リリーフに負担をかけない意味でも、1イニングでも1人でも多く投げてもらうことが先発投手には求めたい』
と、即答。現役時代、救援陣に名を連ねた与田監督らしい答えである。
次の質問は投手陣一番の課題ともいえる抑えについて。以前番組にゲスト解説として出演したレジェンド岩瀬仁紀さんが指名していたのは田島。
『田島はここしかできないと思っている。(抑えから中継ぎ転向は)簡単なものではない』
と公言。与田監督の腹積もりが注目されていたが、現役当時のピッチングのように快速球で若狭アナへ投げ込んだ。
『経験豊富なだけに、抑えの第一候補と考えている』
田島が聞いたら、一瞬のうちにヤル気スイッチがオンとなったに違いない。
正捕手争いへ3つの条件
野手陣の課題はセンターライン強化。スーパールーキー根尾一人の加入で活性化が期待される内野陣。そこにも我が将、与田監督は持論を唱える。
『複数のポジションが守れること。バリエーションが豊富なチームは選手の可能性を広げられる』
とにかく固定観念は持たない。根尾がセカンドを守ることも、反対に京田が守ることさえも当たり前。それが普通にできれば、よりチーム力は上がる。まさに正論である。
ここ数年、抑えとともに課題なのが正捕手問題。これに対しても明確なるビジョンを明かした。キャッチャーとはピッチャーにとって唯一味方であり、一番見えるポジション。そこで正捕手の条件として、
1.自信を持ってリードすること
2.ピッチャーがビンチな場面に出くわしたら、立ち直らせる配球ができること
3.ボール気味でもストライクにするキャッチングができること
まさに投手に立場に立った観方。まだまだ言い足りない様子に見えたが、少なくともこの3点だけは必要不可欠のようだ。
秋には大輪の花を咲かそう!
キャンプ初日の朝、宿舎の自室でインタビューに応えていた与田監督。久しぶりとなるドラゴンズのユニホームに袖を通した時のことだ。
『ドラゴンズを去る時にもう一度帰ってきたいと、当時の星野監督に話をさせて頂いた。嬉しいなと思う……ユニホームをこの年齢になっても着られるのは』
ドラゴンズ愛に溢れた言葉の数々。番組を通じて、何があっても与田監督を支えなければと感じたファンは多いはず。やはり監督業に就く者は男女問わず誰からも惚れられなければ務めてはならない特別なる業。
森前監督が荒れた地を耕し、種を撒き、そして芽が出るまで耐えて待った。そして太陽ともいえる与田監督のもと、ドラゴンズは今まさに大輪の花を咲かす準備が整った。
何も迷うことはない。そして疑うこともない。与田監督の後に連なって、Vロードをひたすら歩んでいこう!
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
(ドラゴンズライター 竹内茂喜)