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あなたが思い浮かべるのは?元中日「3人のバルデス」の思い出

あなたが思い浮かべるのは?元中日「3人のバルデス」の思い出
ナゴヤドーム

2015年2月21日。オープン戦が開幕。中日の”開幕投手”として先発マウンドに上がったのが、新外国人のラウル・バルデスだった。ロッテ打線を相手に3イニングを無失点に抑え、開幕ローテーション入りに名乗りを上げた。
ところで、「中日のバルデス」と聞いて、あなたはどのバルデスを思い浮かべるだろうか。というのも、中日にはこれまで3人の”バルデス投手”が在籍したのである。

マーク・バルデス(2003-04年)

まず1人目が、2003年に中日に入団したマーク・バルデス。前年は阪神に在籍し、クローザーとして42試合に登板。22セーブ、防御率1.54という好成績を残しながらもシーズン終了後に戦力外となり、中日が獲得に乗り出した。

中日では先発要員として期待された。しかし、開幕4戦目のヤクルト戦に先発すると、5回7失点と炎上。その後も早い回でのノックアウトが続き、先発5登板で3敗、防御率7.97。先発転向は失敗に終わった。その後、中継ぎに配置転換されると本来の力を発揮。32試合に登板し、防御率2.58と安定した投球を見せた。
翌2004年は、初登板から11試合連続無失点をマークするなどリリーフ陣の一角として活躍。日本シリーズでも第2戦、2点ビハインドの7回に登板。和田一浩にソロを許してリードを広げられるが、直後に立浪和義の3ランなどでチームが逆転に成功。バルデスに白星がついた。30試合に登板し優勝に貢献したものの、この年限りで退団。在籍2年で、通算1勝4敗2セーブという成績だった。

エドワード・バルデス(2010年)

2人目は、2010年に入団したエドワード・バルデス。193cmの長身右腕だった。
来日初勝利は4月1日、神宮球場でのヤクルト戦。初回、いきなり福地寿樹に先頭打者本塁打、1死からは青木宣親にもソロを浴びたものの、その後は立ち直った。毎回走者を許しながら要所を締め、5回2失点。6回表に、バルデスの代打・小池が2ランホームランを放ってこれが決勝点。うれしい来日初勝利を手にした。このシーズン、中日は神宮球場でわずか2勝しか挙げていないが、そのうちの1勝はこの日バルデスが挙げたものである。

その後は結果を残せず黒星が先行。6月2日のオリックス戦では7回途中無失点の好投を見せるも、リリーフ陣が7点リードを守り切れずにまさかの大逆転負け。バルデスの2勝目も吹き飛んでしまった。結局、日本では1勝に終わり、シーズン終了後に戦力外通告を受けて退団した。

ラウル・バルデス(2015-17年)

そして3人目が、記憶に新しいラウル・バルデス。2015年から2017年まで在籍し、3年間で通算17勝を挙げた。
来日初年度の2015年。37歳とベテランの域に入る年齢でありながら、開幕からハイペースで登板を続けた。3月28日の阪神戦で初先発すると、中4日、中5日で先発を続け、4月30日の巨人戦が早くもシーズン7度目の先発。4月終了時点で7度の先発登板は、セリーグでは51年ぶりのことだった。

短い間隔で登板する助っ人といえば、2008年から2012年まで在籍したマキシモ・ネルソンを思い出す。ネルソンといえば、拙筆ながら以前当コラムにおいて紹介したように、中6日より中5日、中5日より中4日で先発するほうが成績が良かった。
ならば、バルデスはどうなのか。ここに、バルデスが在籍した3年間の、中6日、中5日、中4日で先発した際の成績を抜き出してみた。

中6日:14先発(4勝6敗)、85回1/3、自責点43、防御率4.54
中5日:25先発(6勝8敗)、162回、自責点59、防御率3.28
中4日:11先発(4勝5敗)、67回、自責点23、防御率3.09

やはりバルデスも、ネルソンと同じく登板間隔を詰めるほど成績が良くなっていた。そして、バルデスもまたネルソン同様、援護に恵まれずに勝ち星から遠ざかることがしばしばあった。3年間の通算成績は17勝24敗、防御率3.49。チーム状態によっては、勝敗が逆転していても不思議ではない数字と言える。

そして、今シーズン。

エンニー・ロメロ

今シーズン、中日はガルシアに代わる新外国人としてエンニー・ロメロ投手を獲得した。ロメロという名も、元巨人・ソフトバンクのレビ・ロメロ、現オリックスのステフェン・ロメロなど、来日する助っ人外国人でしばしば聞く名前の一つである。
現時点での知名度は、オリックスのロメロが一番だろうか。「ロメロといえば、エンニー・ロメロ」と言われるくらいの活躍を期待したい。

【CBCアナウンサー 榊原悠介
中日ドラゴンズ検定1級。日付からドラゴンズの過去の試合を割り出せる特技を持つ】

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