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虎の尻尾、鯉の尾びれもはっきり見えた! 好調ドラゴンズを支える若竜投手陣の自己通信簿

虎の尻尾、鯉の尾びれもはっきり見えた! 好調ドラゴンズを支える若竜投手陣の自己通信簿

「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」

天敵攻略!強竜打線復活の黄金週間

季節はずれのゴールデンウィークが突然やってきたと言って良いだろう。ここにきて首位ジャイアンツ、2位ベイスターズは連続3タテの6連勝!これまで何度挑んでも抑えられてきた菅野、平良を攻略しての勝利にさぞかし多くのドラゴンズファンは溜飲を下げたことだろう。それだけ先週の戦いぶりは痛快そのものだった。この連勝で風前の灯と化していたCS進出も現実味を帯びてきたといえる。何度も期待しては裏切られてきた今季のドラゴンズ。しかし今度こそ強さは本物だ。セ界一の頼もしい打撃陣はもちろん、ここにきて安定した先発陣が試合をしっかり形成している。投打のバランスが今季最高レベルまでに上がっているように感じられる。

若手とベテランの融合が好調のチームを作り上げている。特に注目なのは若手投手陣。今週のサンドラはまだシーズン途中ではあるが、4人の先発勝利経験者に自己評価、5段階の通信簿をつけてもらった。

清水達也、自己評価「3」

「サンデードラゴンズ」より清水達也投手(c)CBCテレビ

シーズン初め、与田監督は今年からは色々な選手に色々な経験をしてもらいたいと話していた。新人監督の決断。積極的な選手起用でチャンスをモノもらい、期待に応えた若手投手たち。まず一人目は5月ケガ人続出の中、苦しい先発投手陣を救った入団2年目の清水達也だ。

5月12日、甲子園でのタイガース戦。5回を投げ、4安打2失点でプロ初先発初勝利を挙げると、ジャイアンツにも勝ち、自身2連勝と飛躍を遂げた。

“一軍で8試合投げさせて頂いたので、(評価は)半分より上ですね。「3」です。まだまだ課題も山積みなのでやりきったとも言えませんし”

「サンデードラゴンズ」にゲスト出演する谷繁元信さん(C)CBCテレビ

現在清水はさらなるレベルアップを目指し、ファームで調整を続ける。今後の課題についてもしっかり自分自身の未来予想図を作り上げている。

“体重を5~6キロ増やして、フォームの修正をしていきます。今年の一軍での経験を活かして、上を目指してやっていきたい”

ゲストコメンテーターの谷繁元監督は今後の注目投手としてこの清水を挙げた。課題はストレート。器用な投手だからどうしても変化球に頼ってしまいがち。そうでは今後の伸びは期待できないという。さらにストレートを磨き、もっとストレートで押して、変化球でかわすピッチングをすればもっと良い成績を残せるのではと、アドバイスを送っていた。

勝野昌慶、自己評価「2」

「サンデードラゴンズ」より勝野昌慶投手(C)CBCテレビ

プロ入り2戦目の先発。5月24日、神宮球場で行われたスワローズ戦で、6回2/3を3安打1失点の好投でプロ入り初勝利を挙げたドラフト3位ルーキー、勝野昌慶。

“今年は良くて「2」という感じです。今季のスタートも良くなかったですし、目標も達成できていないので”

即戦力ピッチャーとして期待され入団。1年間フルに一軍で投げ抜くことを当初の目標としただけに今季多くの時間を二軍で費やしていることを不満に感じているのだろう。課題は1年間戦える体力と精神力の強化。負けず嫌いの勝野は誓う。

“来年以降は1年間ずっと戦力になれるようにひとつでも多くチームに勝ちをつけたい”

山本拓実、自己評価「3」

「サンデードラゴンズ」より山本拓実投手(C)CBCテレビ

7月31日、場所は幼少の頃から通い慣れた甲子園球場。大好きだったタイガース相手に6回4安打1失点でプロ初勝利を飾った、身長167センチ、身体は小さいが、肝っ玉は人一倍でかい、清水と同期入団2年目の山本拓実。

“「3」ですね。一軍で投げるという最低条件は満たしていると思うので、ギリギリの合格ラインですね。その先はまだプラスαになっていない”

7月後半から先発ローテの一角に食い込み、2勝をマーク。スタミナ面の課題を克服し、今後もチームへの貢献を誓う。

“もちろん最低条件として最後まで一軍に残ること。その上で自分のピッチングをして少しでも長いイニングを投げてチームを助けられれば、それが貢献につながると思う”

勝ち星はつかなかったものの、先週東京ドームで見せた小気味の良いピッチングに多くのファンの心は躍った。威勢の良いガッツポーズに小さな大投手誕生の予感を感じさせてくれた。

梅津晃大、自己評価「5」

「サンデードラゴンズ」より梅津晃大投手(C)CBCテレビ

最後のひとりはもちろんこの男!春季キャンプで右肩を痛め、出遅れた即戦力ルーキー梅津晃大。8月12日、本拠地ナゴヤドームでのタイガース戦で6回を投げ、4安打1失点の好投。見事プロ入り初先発初勝利を挙げた。その勢いそのままに先週9月3日のジャイアンツ戦では、87年近藤真一投手以来となる球団史上32年ぶりとなる新人投手初先発から3連勝を記録。破竹の6連勝の初陣を飾るピッチングを見せた今最も旬なルーキーだ。

“「5」ですね。ケガがぶり返していないこと。シーズンが終わる前に一軍で投げさせて頂いて勝ち星を挙げているので、自分の中では順調に来ていると思います。”

最高のプロ野球人生のスタートを切った梅津だが、決して浮かれてはいない。

“今はまだ学んでいる最中。二軍で学んだ事を一軍で発揮できるようにやっています”

梅津の活躍を見て思い出したのが、レジェンド左腕山本昌。アメリカ修行から呼び戻され、チームに再合流してから破竹の5連勝を記録。優勝に多大なる貢献をしたあの姿とどうしてもダブって見えてしまうのだ。チームは今、CS進出へ向け、一戦も落とせない真っ只中。梅津の連勝記録が伸びれば、夢は正夢になるはず。

「サンデードラゴンズ」にゲスト出演する川上憲伸さん(C)CBCテレビ

梅津を推したのはゲストコメンテーターの川上憲伸さん。今後の課題として遅い変化球をモノにすることを挙げた。

“1年間ローテを守っていけば、身体の状態が良い時ばかりではない。悪い時の方が意外と多いはず。その時に自分のピッチングを助けてくれる。若しくは相手の打線が「あれ?今日は違うな」と感じさせるためにも遅い変化球で追い込んだりとか、三振を取れたりすると一年間乗り切れる”

川上憲伸さんといえばカットボール。しかし時折投げるスローカーブがあったからこそ、相手打者は的が絞れなかったはず。遅い変化球をモノにした時、梅津はモンスター級のピッチャーへ進化するに違いない。

自己評価を行った4人以外にも、今に見てろと虎視眈々と一軍マウンドで活躍する姿を思い浮かべている若竜が多くいる。清水、山本の同期・石川は最も悔しい思いをしている一人。そんな彼ら一人一人が切磋琢磨すれば、投手王国は早い時期に復活するはず。チーム内におけるハイレベルの戦いを楽しみに待とうではないか!

広島3連戦はまさに天王山の戦い

「サンデードラゴンズ」にゲスト出演する谷繁元信さんと川上憲伸さん(C)CBCテレビ

まさにドラゴンズにとって2019年シーズンの天王山がやってきた。相手は引き摺り下ろさなくてはならない3位広島カープ。最高の勢いで敵地へ乗り込む!今季勝ち星なしのマツダなんてもはや関係なし。こちらには梅津がいる、慎之介がいる。そして強竜打線がついている!今までの貸しをまとめて返してもらう時がやってきたのだ。最低2勝1敗なんて言わず、カープ3連勝必達で一気に差をつめようじゃないか!残り16試合全勝!ミラクルドラゴンズを見せてくれ!

がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!

(ドラゴンズライター 竹内茂喜)

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