戦争終結から28年もの間グアム島で潜伏を続けていた横井庄一さんが願い続けた思い
愛知県一宮市の主婦・亀山永子さんが、
「よこいしょういちさん」というタイトルの
切り絵で構成された絵本を作った。
(伝えなければならない)という一心で
戦後75年にあたる今年6月に発売となった。
いま、全国の図書館においてもらうよう活動は続く。
「よこいしょういちさん」とは、横井庄一さんのこと。
太平洋戦争で招集された愛知県出身の元陸軍軍曹だ。
敗戦後も、横井さんは戦地となったグアム島のジャングルに
穴を掘り、身を隠しながら28年も生き続けたのだ。
ネズミやカタツムリなど小動物を食べて命をつないでいたという。
1972年。横井さんは島民によって発見され、
およそ30年ぶりに帰国となった。
その目には、日本はどう映ったのだろうか?
56歳の時の話である。
ジャングル生活28年。
このウソのような話に日本中が大騒ぎに・・・。
羽田空港・名古屋駅・名古屋市中川区の実家には人の波が押し寄せた。
CBCの貴重映像で当時を振り返る。
横井さんは1997年、82歳でその生涯に幕を下ろす。
私たちは、帰国後に結婚し生涯をともにした
妻の美保子さん(92)に、今回あらためて
夫・横井さんが帰国後に願っていたことを取材。
平和の尊さをかみしめるに至った。
「恥ずかしながら生きながらえておりました・・」
この横井さんの帰国後のコメントは重い。
戦争を忘れていた日本人に、当時、「あの日を忘れてはならない」
そう思わせた一言だった。
今回、絵本を作った亀山さんは、横井さん帰国の年には
まだ生まれていない。
これが戦後75年ということなのだろう・・・。