完成までに3日以上かかる!?イタリアの発酵菓子「パネットーネ」ブームが到来!元パティシエの店主が作るフルーツゴロゴロのパンとは
パンを愛し、その道を極めるパン職人たちが唸る味とは?悔しいけどうまい!人気パン屋の店主が認める、極上のパンを数珠つなぎで紹介するのが「絶品パンリレー」です。今回は、愛知県・春日井市と蟹江町にあるスイーツ系パンを紹介します。
ピアスにコスプレ!?こだわりが強いシェフが手がける個性豊かなパン
愛知県・江南市にある「グッドベーカリー伊せ屋」の店主・堀誠一さんが、最近食べて感動したパンを尋ねました。
(グッドベーカリー伊せ屋・堀誠一店主)
「ウチがクリームパンを推薦されているのに変な話なんですけど、『ブーランジュリープレヴナンス』の『もちもちクリームパン』。おいしい。一風変わったシュークリームみたいなクリームパン。中はトロッと、ウチとは違うクリームパン」
2023年、愛知県・春日井市にオープンした「ブーランジュリープレヴナンス」。耳にたくさんのピアスを付けているシェフ・荒川春樹さんが、パンを作っています。
(ブーランジュリープレヴナンス・荒川春樹シェフ)
「昔パンク系の音楽をかじっていた。特に…いいことはないですねぇ…。音がよく聞こえるとかもないですし、以前の勤め先では『フーガス(穴が開いたパン)みたいだな』って言われました」
コスプレも趣味だと公言する荒川さんは、衣装作りへのこだわりも強く、半年以上かけることもあるそうです。そんな性格もあり、店内には個性的なパンが並びます。
幻のクリームパン!トロトロクリームの秘密は焼き上がりにあり
今回推薦された「もちもちクリームパン」も個性的な見た目で、中にはシュークリームのような、とろけるカスタードクリームが入っています。通常のクリームパンは、生地の中にカスタードクリームを入れてから焼き上げますが、荒川さんはというと…。
(ブーランジュリープレヴナンス・荒川春樹シェフ)
「マシュマロです。マシュマロを入れて焼いたら、溶けて空間ができる。そこにクリームを入れる」
マシュマロでパンに空洞を作ってクリームは後入れすることで、火が入らずトロトロ仕立てに仕上がります。
食感は、生地の外がザクザク、中がモチモチ、クリームがトロトロ。ザクザクとした生地は、そぼろ状のクッキー「シュトロイゼル」を使って実現しています。
しかし残念ながら、「ブーランジュリープレヴナンス」は2024年7月末で閉店。荒川さんも、いつかまた移転オープンを考えているとのことでした。
今注目!パン界のトレンドはイタリア発の「パネットーネ」
「ブーランジュリープレヴナンス」の荒川さんが、最近食べて感動したパンとは…。
(ブーランジュリープレヴナンス・荒川春樹シェフ)
「蟹江町の『ボッテガ デル パーネ』の『パネットーネ トロピカーレ』がすごくおいしかった。パネットーネは、最近じわじわブームが来ているパン。イタリアの発酵菓子でケーキとはちょっと違う。フワフワしていて口どけがいい。ぜひ食べていただきたい」
愛知県・蟹江町の屋内公園施設「カルバートパーク」内に併設された「ボッテガ デル パーネ」。パティシエ経験もあるシェフ・斉藤義人さんが作るのは、本場イタリア洋菓子のような繊細なパンです。
今回推薦された「パネットーネ トロピカーレ」も、イタリア発祥のパン。中にはマンゴーとパインがたっぷり入っていて、しっとりとやわらかい食感が特徴です。
(ボッテガ デル パーネ・斉藤義人シェフ)
「パネットーネは、イタリアでクリスマスの時季によく食べられる発酵菓子」
関東エリアを中心に扱うお店が増えていて、今注目のパンです。
小麦はなんと通常の3倍!価格にワケありな秘密とは
しかし、「パネットーネ トロピカーレ」の価格は他のパンよりも高め。その理由を尋ねました。
(ボッテガ デル パーネ・斉藤義人シェフ)
「1つは原料ですね。フルーツなど高価なものがたくさん詰まっている」
使用する原料は高価なものが多く、特にイタリア産小麦が一般的なものと比較して3倍もするそう。さらに、出来あがりまで最低でも3日を要し、手間と時間がかかります。
数日間培養した自家製の発酵種を育てて作った“なか種”と言われる生地に。そこにバターと卵、牛乳、フルーツを加えて、再度発酵を繰り返します。完成までに3日以上かけてできたパンは、しっとりとろけるような舌ざわりと、自家製発酵種特有の華やかな香りで、唯一無二の食感です。
プロが認める絶品パン、一度食べてみてはいかがでしょうか。
CBCテレビ「チャント!」7月30日放送より