味も材料も衝撃的?!誰もが知る3つの食材で40年前食べたハヤシライスの味を完全再現!
日常で感じる暮らしや社会の疑問を、中山真希調査員(以下、中山調査員)が調べる「チャント!調査隊」。今回寄せられた依頼は「40年前に食べた思い出のハヤシライスのレシピが知りたい」というものです。依頼人と中山調査員が、試行錯誤を繰り返して味を再現しました。
親子で作った思い出の味 40年前の記憶を頼りに聞き込み
依頼人は、主婦の鈴木さんです。詳しく内容を尋ねてみると…。
(依頼人・鈴木さん)
「私が小学校3年か4年のときに、夏休みに『親子クッキング教室』があって」
当時の鈴木さんは、仕事で忙しい母親と「親子クッキング教室」に参加できたのがうれしかったのだとか。何より印象深かったのが…。
(依頼人・鈴木さん)
「ハヤシライスを作ったんですけど、どこの家にもあるような材料だけですごく簡単でおいしいハヤシライスができたんです」
大人になり、当時の記憶を辿って作ってみるも「簡単なのにおいしい!」という衝撃がありません。もう1つ何か加えれば思い出の味になるのでは、と調査を依頼したとのこと。まずは、鈴木さんの母校に電話をして、当時のレシピがないかを尋ねました。
(岐阜県内某小学校・校長先生)
「さすがに資料は残っていないと思うが、親子で活動されたということは、学校の家庭教育学級の取り組みかも。保護者が講師になることもありますし、外部から調理師さんなどを講師に招くこともあります。40年前のことですので…(わからない)」
一緒に参加した鈴木さんの母親は覚えていないそう。小学校にはレシピは残っておらず、当時のことを知る人もいない以上、真実は鈴木さんの味の記憶のみです。
「おいしいけど何かが足りない」料理研究家も交えて研究
覚えている材料は、牛肉、タマネギ、ニンジン。調味料は、ウスターソースにケチャップのみ。ハヤシライスのルウは使用していません。作り方は材料に火を通し、ウスターソースとケチャップで味付けしたら、水を加えて2分ほど煮込むだけです。ただ、これだけだと水分量が多く、何が足りない状態。名古屋市内の小中学校で「PTA家庭教育セミナー」講師も務める、料理研究家の杉浦友祐先生にサポートをお願いすることに。
(名古屋クッキングスクール・杉浦友祐先生)
「うまみ、味の深みがない」
ルウにとろみもないため、杉浦先生が提案したのは小麦粉。しかし、鈴木さんは小学校3~4年生が小麦粉をうまく扱えないといったん却下。
(名古屋クッキングスクール・杉浦友祐先生)
「コレはどうですか?チャツネ」
チャツネは、カレーや煮物に入れる調味料で、マンゴーなどのフルーツや、玉ねぎなどの野菜、スパイスを炊き上げたジャム状のもの。これを入れると、簡単にコクや深みを引き出せるそうです。どこの家庭にもあったとは言えないですが、チャツネ入りハヤシライスを作ってみます。
(依頼人・鈴木さん)
「おいしいです。(Q40年前の味と一緒ですか?)もっと味に衝撃があった気が…」
衝撃のある味がポイントになりそうです。
幻の味に遂にたどり着いた 決め手は“甘くてほろ苦い”スイーツ?!
続いて杉浦先生が取り出したのは、ビターチョコ。コクを出すには、ビターやブラックがおすすめです。
(依頼人・鈴木さん)
「さっきのよりおいしい。酸味がちょっと抑えられて、まろやかな感じ」
ただ、40年前の味かと言われると、何かが足りない様子。コクやうま味があり、奥深い味わいに仕上がる赤みそで試してみるも「違う」と断言。ここで鈴木さんが思いついたのが…。
(依頼人・鈴木さん)
「今の赤みそバージョンに、チョコを足してみたい。それって先生、ありですか?」
赤みそとビターチョコを合わせたハヤシライスを食べてみますが、あと2%足りないと小麦粉を加えて再調理。ポイントは、野菜を炒めてから小麦粉を入れることで、粉がダマにならず、なめらかなとろみができると言います。
(依頼人・鈴木さん)
「(小麦粉)入れたかもしれない」
小麦粉は少ない量だったので、鈴木さんは忘れてしまっていたのかもしれません。ソース、ケチャップ、水、牛肉の順番で入れて、仕上げにビターチョコと赤みそを加えたら完成です。
(依頼人・鈴木さん)
「おいしいです(Q40年前の味ですか?)と思います」
無事に、思い出の味を再現することに成功しました。
CBCテレビ「チャント!」5月3日放送より