好きすぎて働いちゃった?! 365日食べても飽きない甘酸っぱいつゆがクセになる「ざる中華」とは
何かにどっぷりとハマることを“沼にハマる”と言いますが、名古屋には人々が沼にハマるほどおいしい“沼らせグルメ”があります。名古屋市・千種区の自由ヶ丘駅からすぐの所にある「うどんのいなや」(以下、「いなや」)に“沼る”人々を取材しました。
麺がだしに絡んでうまい! 「いなや」の沼にハマる人が続出する理由
朝10時半の開店時刻前からすでに列ができています。次から次へと沼にハマるように来店する客のお目当ては…。
(男性客)
「『みそ中』。これが一番好き」
(女性客)
「全部おいしいけど、いまわが家は『カレー中華』。『いなや』があるから、自由ヶ丘に家を建てた。本当だよ!」
多くの客の胃袋を鷲掴みにする沼グルメ「みそ中華」、通称「みそ中」は、濃厚味噌スープが決め手です。さらに鶏ガラと和風だしで作る自家製カレーをかけた「カレー中華」、通称「カレー中」も人気です。そんな1日約300人が来店する「いなや」の沼にどっぷりハマったのが、定休日以外は店で働く狩野杏奈さんです。
(アルバイト・狩野杏奈さん)
「生まれる前から食べに来ている。『いなや』が好きすぎて、働いちゃいました。毎日でも食べたい。まかないがない日でも食べたい」
生まれる前から親が通っていたという狩野さんは、常連を通り越し、アルバイトとして働くまでに。自宅は徒歩圏内なので「いなや」に家族が集まるのだそう。
麺はトレンドに即反応! 年中同じメニューを食べても飽きない工夫
そんな狩野さんが毎日食べても飽きないメニューが「ざる中華」です。クセになるという理由を尋ねてみると…。
(アルバイト・狩野杏奈さん)
「(Q何がそんなに好き?)つゆの味がめちゃめちゃ好き。甘酸っぱくて、さっぱり食べられる。とにかくおいしい! 完全に『いなや』の沼にハマりました」
「ざる中華」のつゆは、ムロアジ100%の和風だしに、酢やゴマ油などを加えたものを使用。他にも、うどんスープやコク深い味噌スープ、カレー専用など、麺や食べ方に適したスープを使っています。さらに元々製麺所だった「いなや」では、店の裏で麺も製造しており、味やコシなど素材にこだわったうどんや中華麺、そば、ひやむぎ、きしめんを年中提供しています。
(娘・中村優花さん)
「うちのお父さんは、トレンドに敏感。『うちのきしめんは幅が狭すぎる! 』と幅広にした。そうしたらめっちゃ売れるようになった。中華麺も冬は少し太くしている。夏は『ざる中華』が人気で、麺を細くしたほうが口当たりがいい。季節によって若干変えている。毎朝兄たちが出来上がった麺を見てゆで時間を決める」
中村さん一家で経営する創業67年の「いなや」は、細かいところにまでこだわり抜いてきます。
費やした金額は新車一台分?! No.1常連客が注文する沼メニュー
客足も落ち着いた閉店30分前になると、ほぼ毎日来店するというNo.1常連客の伊藤さんという人の姿が。
(必ず閉店30分前に来店し中華そばを食べる・伊藤さん)
「『中華そば』を初めて食べた時に感動した。それからは、ひたすら『中華そば』」
「中華そば」と出合ってから毎晩のように食べていると言います。創業当時からほとんど変わらない昔懐かしい味わいですが、伊藤さんの「中華そば」は、ネギともやしがどっさりと盛り付けられていて、チャーシューは倍です。
(娘・中村優花さん)
「毎晩『中華そば』だと栄養バランスが偏るから、好きかどうかもわからない野菜を大盛りサービス」
伊藤さんだけのスペシャル「中華そば」でした。毎日同じ時間に来店し、食べる時間もほぼ毎日9分30秒。なんと伊藤さんの自宅は、店の真上にあるマンションでした。
(必ず閉店30分前に来店し中華そばを食べる・伊藤さん)
「とりあえず健康面のほうは大丈夫。引っかかってくると来店回数が減るかも」
伊藤さんが今まで「中華そば」に費やした金額は、新車一台分だそう。ハマった人は決して逃さない「いなや」の“沼らせグルメ”を一度食べてみてはいかがでしょうか。
CBCテレビ「チャント!」4月30日放送より