CBCアナウンサー公式YouTubeのチャンネル名「みてちょてれび」の由来となったアナウンス部の古い日誌「よくみて帖」を、歴史書が大好きな榊原悠介アナと読み解く「古い日誌シリーズ」。今回は昭和58年から60年の日誌を、夏目みな美アナ、当時その日誌に日報を書いていた塩見啓一アナと一緒に読んでいきます。

当時の略称は「サンデードラ」

塩見アナによると、よくみて帖は、朝10時から行う「朝会」で伝達された連絡事項や注意事項を若手が記入していたものだそうです。今は書かれなくなった日誌ですが、榊原アナは、泊まり勤務などで時間がある時に、読みふけっているのだとか。

榊原アナが昭和58年9月22日の日誌を開くと、番組改編についての記述が。10月から「サンデードラゴンズ」の放送が始まることが書いてありました。今は「サンドラ」で定着していますが、当時の日誌では「サンデードラ」と書かれています。

昭和59年入社の塩見アナの文章が日誌に登場したのは、配属後の5月24日。翌月の勤務表についてや、先輩アナが出版した書籍について箇条書きしています。塩見アナは「もっと雑に書いているかと思ったけど、この時はちゃんと書いている」と、しげしげと日記を眺めます。

「先輩の中島公司アナが書いたグルメ本だった」と塩見アナが思い出すと、夏目アナは「チャントで特集した！この本に掲載されているお店が、まだあるか！」と驚きます。榊原アナは「つながりますね」とうれしそうです。

チャントでの特集を見たという塩見アナは、「ちょっと寂しい思いをした。最初に紹介されていた天ぷら屋さんに、中島さんに連れて行っていただいて、ご馳走してもらった。その店が無くなっているんだなあと」と語ります。

塩見アナの初鳴きは豊橋のラジオ

榊原アナによると、この年、新人だった塩見アナは日誌への登場回数が多いとのこと。6月11日には塩見アナが「初鳴き」（初めてニュースなどを読むこと）をしたことが書かれていました。

榊原アナに「どういう番組で初鳴きをしたか覚えていますか？」と聞かれ、「天気予報じゃないの？」と記憶が曖昧な塩見アナ。夏目アナは「初鳴きは、アナウンサーにとって大事な思い出に残る日！」と笑います。

日誌によると、「豊橋ローカルで新人が声出しをしました」と書かれています。当時は、ラジオで豊橋放送局でのローカル放送があったそうです。塩見アナは「当時の豊橋のスタジオに行って、なにか喋った。それが初鳴きだった」と思い出します。

「ちぐさ」or「ちくさ」？正しいのはどっち？

ある日の日誌では「千種高校。ニュースワイドで正しく言ったところ、ずいぶん抗議の電話がありました」との文章も。塩見アナによると、千種高校の名称は「ちぐさ」ですが、千種区（ちくさく）などと同じく、濁らない読み方だと思っている人も多かったらしく、怒られたのだとか。

「千種高校がラグビーの愛知県決勝に出た時。正しくは『ちぐさ』高校ですと言った上で実況しました」と振り返る塩見アナ。日誌には「よく聞くものと正式名称が違う場合は、配慮すべきなのでしょう。一言コメントを加えたり、皆さんも考えてみてください」とも書かれています。

日誌を読み返した塩見アナは「考えてみてくださいって偉そうだよね」と苦笑します。

崩しすぎて漢字が読めない！？今はいい時代！

当時のアナウンス部での昼食会の文章も。塩見アナによると、部会でお茶やジュースを買って開催していたそうです。これも今では無くなっている催しです。榊原アナは「世が世なら、この配信の収録にもジュースがあったんでしょうね。いい時代だなと思うことがたくさんあります。（部で）旅行に行っていたり」と、うらやましそうです。

榊原アナは、専門職アナウンサーの「職」の字を略字にしているのが印象に残ったと話します。塩見アナは「こういう日誌ならいいですけど、原稿でも略字にする人がいた。手書きで行書っぽく書く人がいて。『こんなに崩されると読めないんですけど』と言ったら『読めないのか！』と怒鳴られた」と笑います。

塩見アナは「大変だったんですよ。昔は良かったと言うけど、そんなことないです。今の方が絶対いいです！」と強く主張。すると、夏目アナが「よくやってましたね」と笑顔でなだめます。

結局、この日は7ページほどしか読むことができず終了。榊原アナは「塩見さんの記憶があるうちに第2回を！」とお願いしました。

CBCテレビYouTube「みてちょてれび」配信より