加藤愛アナが三重・大台町の『ないしょ餅』を調査! 内緒なんてもったいない!みんなに教えたくなる愛され和菓子
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『三重・大台町』の『ないしょ餅』です。
米の粒感に、きな粉、よもぎ、あんこの融合
聞き込みによると、『ないしょ餅』はあんこが入ったよもぎ餅の上にきな粉がかかったもの。名前には「内緒で食べる」とか「音をたてずに作る」とか、そんな意味があるよう。地元の道の駅で販売していますが、すぐに売り切れるほどの人気だとか。
『道の駅 奥伊勢おおだい』におじゃましました。『ないしょ餅』は、見た目はゴツゴツとした形の餅菓子。この地域では“やじろ”と呼ぶ、もち米とうるち米が混ざっている餅です。きな粉で覆われた餅を切ると、よもぎの緑色がよく見えて、あんこもタップリ。「モチモチで、でもお米の粒感がちゃんと残っています。きな粉の香りとよもぎの香りとあんこの甘さが最高に合いますね!」と加藤アナは味わいました。
名前の由来のキーワードは“こっそり”
早ければ午前中で売り切れるという人気の『ないしょ餅』を作るのは、『ふるさと耕房大台』。小学校の分校があった場所を利用して1998年に誕生し、特産物を次世代に残そうと地元の有志が集まり活動。メンバーは入れ替わりながらも20年以上、毎朝『ないしょ餅』を手作りして、道の駅やサービスエリアで販売しています。
『ないしょ餅』は、大台産のもち米とうるち米を5:5の割合で炊いたものによもぎを入れて混ぜ合わせて作りますが、この工程に名前の由来が隠されています。本来、内々で食べたい時に家でこっそりと作るこの餅は、臼と杵は使わず、鍋とすりこぎで作ります。音を立てないようにすりこぎで餅をついて近所に内緒で作るため『ないしょ餅』となったとか。『ふるさと耕房大台』ではそのいわれ通り、今でも変わらぬ方法で手作り。
加藤アナも餅をつく作業を体験してみると、「見た目以上にハードです」と日々の大変さを知りました。このつき方ならではの米粒が残る独特の食感の餅であんこを包み、きな粉をまぶしたら完成。道の駅がオープンする8時には商品が並ぶように、毎朝5時前から作業を始めて、平日で約200個、休日だと500個ほど作るそうです。
手作り=文化“すりこぎ”でつく製法をこれからも…
今では家庭で作る人も少なくなってきた中、ユニークな名前の由来通り、昔ながらの製法で作られる『ふるさと耕房大台』の『ないしょ餅』。出来立てを味わった加藤アナは、「よりやわらかさを感じますし、きな粉の香りが鼻に抜ける感じ」と堪能しました。今も手作りをする理由を「良い“文化”がなくなってしまうともったいない」と語る代表。これからもできる限り残せるように、皆さんで頑張っていくそうです。大台町の愛され和菓子“こっそり作る”『ないしょ餅』は、みんなに教えたくなるおいしい餅でした。
(CBCテレビ「チャント!」6月27日(木)放送より)