愛知県刈谷市一ツ木町の愛されフード『芋川うどん』を調査! 400年以上前の味復刻! きしめんより太い新感覚うどん!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。
今回は、『愛知県刈谷市一ツ木町(ひとつぎちょう)』の『芋川うどん』です。町で聞き込みをすると、小学校の授業でも習うという、地元でお馴染みのうどんで、「うどんを語るのに“芋川うどん”は素通りできない」と言う人も。『きさん』という店の店主が、ルーツを辿って復活させたという話もあり、芋は一切入っておらず、きしめんより太く、ツルツルとすすって食べられないうどんだとか。
情報を頼りにおじゃました『きさん』は、自家製のそば粉を使った手打ちそばや、手打ちの味噌煮込みうどんなどが楽しめる、一ツ木町で20年以上親しまれている店です。ご主人が復活させたという『芋川うどん』が登場すると、「こんなうどん、見たことない」と加藤アナ。名古屋名物のきしめんよりさらに太い“平打ちうどん”で、そばのような色をしています。「まずは麵だけ味わってみます」と、つゆをかけずに冷たい芋川うどんを食べると、確かに町の皆さんが言っていたように上手くすすれません。噛み応えもあり、やっと一口食べ終えると「新感覚うどん!」と初めての出会いをしたよう。小麦の香りや旨みの広がりが強く、舌触りは少しザラザラした感じだとか。
この風味や食感を生み出しているのは、小麦の皮を含め、丸ごと粉にしたものを加えているため。この『芋川うどん』は、3種類の小麦粉をブレンドして作られますが、肉眼でも分かる麵のつぶつぶは、その石臼挽きの全粒粉によるものです。
このうどんにつゆをかけると、ザラザラとした表面がつゆを吸い込んで、ツルッとした食感に。出汁の旨味や醤油のコクを余すことなく楽しめるのが『芋川うどん』なのです。製麵をするのに普通のきしめんと比べ3倍以上も時間が掛かり、いざ茹で上げると、細かく切れたり、溶けてしまったりという失敗を繰り返してきたそう。それから、天気や気温、小麦粉の配合率など毎日細かく記録すること15年。今ではほぼ安定して作ることができるようになったそうです。
そして、気になっていた名前の由来を尋ねると、『芋川』はかつての地名だとか。江戸時代の道中記にこの地名が登場するなど、歴史のある『芋川うどん』ですが、交通網の発達と共に明治時代には途絶えてしまいました。それから時代を経て、町おこしのために2007年にご主人が復刻。レシピが全く残っておらず苦労をしたそうですが、江戸時代に手に入ったと考えられる地元の食材を使って作り上げたとか。
400年以上前にあった味を後世に残すため、毎年、地元の小学生に『芋川うどん』の作り方も伝授。学校給食にも採用され、着実に次世代へと受け継がれている刈谷市一ツ木町の愛されフードでした。
(6月22日(木) CBCテレビ「チャント!」より)