その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。

今回は、刃物の町『岐阜県関市』の『くるみ鍋』です。町で聞き込みをすると、赤みそに刻んだくるみが入った、関市の皆さんが昔から慣れ親しんでいる鍋料理で、地元の食事処『やまなみ』で食べられるとのこと。

松本アナは調査中、気になるものを発見！　それは、和菓子店『関市虎屋』の『日本刀アイス』。“刃物の町”ならではの、日本刀をかたどったアイスバーです。くずを使って、やわらかく溶けにくく仕上げたアイスバーを味わってから、目的の店『やまなみ』におじゃましました。

岐阜の郷土料理が食べられるとのことで遠方からのお客さんも多い、昭和40年創業の人気の食事処『やまなみ』。今回いただいた『くるみ鍋』は、“飛騨豚”バージョンです。土鍋で仕上げ、肉のうまみもしっかり溶け込んだおつゆをまず味わいます。

「くるみの香ばしさがすごく味噌と相性がいい。ちゃんと粒感が残っていますね」と松本アナ。『くるみ鍋』のベースはもちろん“くるみ”。炒ったくるみをすり潰し、秘伝のわりしたで味付けした八丁味噌に合わせます。くるみの食感が残るよう、形を残しているのがポイント。具材をたっぷり詰めた土鍋の中に、くるみ味噌のスープを流し入れ煮立てます。

黒毛和牛や名古屋コーチンなどメインの具材が選べますが、今回の“飛騨豚”はやわらかくさっぱりとした脂身が特徴。「豚自体がおいしいだけじゃなく、くるみ鍋の味噌の味がしっかりと馴染んで、肉との相性も抜群」とまたもや絶賛です。くるみ味噌の味をさらに深くするのがたっぷりの具材からでる出汁で、大きなカキや関市特産のシイタケは欠かせません。

この『くるみ鍋』は創業当時からの一品で、考案したのは現在2代目の父である先代。自分の店をもつ時に何か看板となるものを作りたいと、すりゴマや練りゴマをヒントに修業時代のまかないなど、試行錯誤を重ねレシピを完成させたそう。独特の甘味と香ばしさがある『くるみ鍋』は、瞬く間に関市民に愛されるようになりました。また、自宅でも楽しめるように、味の決め手となる“くるみ味噌”の持ち帰り用も販売し、関市のふるさと納税の返礼品にも選ばれています。

「“やまなみ”といえば“くるみ味噌・くるみ鍋”と僕が小さい頃から言われていた」と語る2代目のお気に入りの食べ方は、「鍋に残ったくるみ汁をご飯にかけて食べる」こと。そのご飯を味わった松本アナがあまりのおいしさに「もう一杯、欲しいくらい」と言うと、次は「うどん」を薦められました。味噌がしみ込むまでしっかりと煮込んだうどんをいただくと、「くるみ鍋ひとつで、楽しみ方が色々あるんですね」と松本アナ。卵を入れるなど、お客さんのアレンジで食べ方も広がっているとか。

先代が残してくれた関市の愛されフード『くるみ鍋』。「全国に知れ渡るようにがんばっていきたい」と思いを語った2代目でした。

（2月17日(金)　CBCテレビ「チャント！」より）