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ジーンズ「EDWIN」ブランドは日本生まれ~命名の秘話と創意工夫60年の歩み

ジーンズ「EDWIN」ブランドは日本生まれ~命名の秘話と創意工夫60年の歩み
北辻利寿のコレ、日本生まれです
東西南北論説風

ジーンズ「EDWIN」ブランドは日本生まれ~命名の秘話と創意工夫60年の歩み

 2021年6月29日(火) 17:45
北辻利寿
北辻利寿
「EDWIN」提供:株式会社エドウイン

郷ひろみと浅野ゆう子が最初だった。それに続いたのは、木村拓哉、松嶋菜々子、篠原涼子、亀梨和也、相葉雅紀、藤ヶ谷太輔、最近では菜々緒に中島裕翔。ジーンズが似合う芸能人が選ばれるベストジーニスト賞である。すっかり、日本のファッションとして定着したジーンズ。そのブランドのひとつ「EDWIN(エドウイン)」実は日本生まれである。

「EDWIN」提供:株式会社エドウイン

繊維の町として知られる東京の日暮里に、戦後まもない1947年(昭和22年)に創業した「常見米八商店」は、米軍が払い下げる衣料品の卸し業を営んでいた。そんな中、ジーンズが米国から初めて輸入されたのは1956年だった。常見米八商店は、早速、中古のジーンズの輸入を始め、洗い直した上で、上野のアメ横などで販売をスタートした。
その後、新品のジーンズも扱い始めたが、「硬い」「縮む」「色落ちする」など気になる点が多く、日本人の肌にはなかなか合わなかった。

そこで、日本人の体型に合う履きやすいジーンズを自分たちの手で作ろうと、米国からデニムの生地を輸入して、日本での縫製を始めた。国内では他にも国産ジーンズ生産の動きはあったが、常見米八商店は東京の地で、仕立てに取り組んだ。1961年(昭和36年)、国産のブルージーンズを発売するタイミングで、「EDWIN」というブランド名を付けた。後に国産ジーンズの草分け的存在となるブランド「EDWIN」が誕生した瞬間だった。2021年(令和3年)、そのブランドは60周年を迎えた。

「EDWIN」提供:株式会社エドウイン

日本生まれなのに「EDWIN」という名前はなぜ? エドウインの担当者によると、ジーンズ生地のデニム(DENIM)、このアルファベット5文字を並び替えて、さらに「M」をひっくり返して「W」にして、組み替えたことが由来と言う。「DENIM」から「EDWIN」へ。しかし、もうひとつ、東京のかつての名前「江戸(EDO)」と「勝利(WIN)」を合体させたという説がある。「江戸ウイン」すなわち「江戸が勝つ」。これについては、実際に「EDWIN」が海外進出した時のキャンペーンで使った言葉だそうである。
日本のジーンズが世界でも売れますように、勝てますように、と願いを込めて。漢字で「江戸勝」と書かれたTシャツも売り出した。エドウインの担当者は笑いながら話してくれた「どうやら都市伝説になったみたいです」。
それもネーミングについての粋な由来エピソードだろう。

「EDWIN」提供:株式会社エドウイン

1960年代に入ると、アイビーファッションなどの波に乗って、国産ジーンズの人気も急上昇。裾が大きく開いたベルボトムも登場する中、「EDWIN」のスタイリッシュなジーンズは、ストレートなシルエットが若者たちに評価された。1980年には「ストーンウォッシュ」という商品も登場した。その名の通り、ジーンズを石と一緒にもみ洗いして生地の表面をすり減らすことで、硬さをなくして柔らかくした。キャッチコピーは「擦りきれた新品」。人気漫画の主人公、スーパーサラリーマン「島耕作」をキャラクターに「職場にもジーンズを」というプロモーションも展開中。働き方改革ならぬ「ハキカタ改革」とか。常に日本という市場を意識し続ける「EDWIN」の“ジーンズ道”は続く。

米国で人気だったジーンズを、見事に日本に定着させた「EDWIN」。60周年を迎えたその名前には、戦後日本のファッション界をリードしてきたプライドが、青くそしてまぶしく輝いているようだ。日本生まれ・・・「ジーンズのEDWINは文化である」。

【東西南北論説風(244) by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』内のコーナー「北辻利寿のコレ、日本生まれです」(毎週水曜日)で紹介したテーマをコラムとして紹介します。

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