解散とバンザイ、そして...
石塚元章
衆議院が解散するとき議員のみなさんが「バンザイ」をする。
衆院解散は、いわば「君たち全員クビですから」と言われたのと同じ。
ならばバンザイでもあるまいとも思うのだが...。
実は、明治30年(1890年)に帝国議会が解散した際、
「万歳と呼ぶ者あり」と議事録にあるのがその最初ではないか...とされているが、
ではなぜ定着したのかについては、"やけっぱち説"から、"なんとなく慣例に"...まで
諸説あって、結局わからない。
先日の解散の際(2014年11月21日)には、
解散詔書を読み上げる議長が「...解散する」と言った途端、議場からバンザイが。
さらに先まで読んだ議長が「バンザイはここで」と指摘してもう一度「バンザイ」。
つまり、1回の解散で2回の万歳三唱となった。
(某新聞は"万歳六唱"と見出しをつけていた)
でも、これ、国会に詳しい人に聞くと、
「解散します」と言ったところでバンザイをするのが普通で、
議長がその先まで読み上げて、なおかつ
「バンザイはここで」などと促すほうが異例だとも。
まあ、ルールがあってないようなものですから...。
そういえば、選挙が終わったあとに「バンザイ」をするのも
当選した候補者と支援者の方たち。
多くの市民が、(派手にバンザイなどしなくても)
たとえ小さな声でもいいから、そして、誰かが「今でしょ!」と音頭をとらなくても、
思わず「なかなかいいね」と言いたくなるような政治・社会がいいに決まっている。
バンザイしているのは政治家ばかり...では、ちょっと困る。