衆議院の解散

2014年11月25日

 わが国の国会は衆議院と参議院の二院制となっています。衆議院議員の任期は4年、参議院議員の任期は6年ですが、日本国憲法第7条に、天皇の国事行為として、「内閣の助言と承認により」「衆議院を解散すること」、と書かれています。これより衆議院が解散されると、任期中であっても衆議院議員は議員の身分を失い、総選挙が実施されます。また、参議院には解散はありません。

 ところで憲法69条には、内閣不信任案が衆議院で可決された場合、または、内閣信任案が衆議院で否決された場合は、内閣は総辞職するか国会を解散しなければならないとの趣旨の記載があります。この場合も、解散の手続きは憲法7条によるわけですが、実際には、69条の場合だけに限定せず、7条の規定にある、「内閣の助言と承認」、つまりは、内閣総理大臣の判断で(総理大臣以外のすべての閣僚が解散に反対すれば、すべて総理大臣が罷免して、総理大臣がすべての大臣を兼ねることも理論的には可能だからです)国会が解散できるとされ、実際に日本国憲法下で、69条の場合以外にも衆議院が解散され総選挙が行われてきました。

 今でも衆議院の解散は69条の場合にだけすべきとの見解もありますが、解散は69条の場合だけに限定されないという内閣の答弁書も以前に出ていて、一般的にも、憲法7条により、総理の判断で、しかるべき時期に民意を問うため解散できるとの解釈が定着しています。解散は総理の専権事項といわれるのはこのためです。