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12連戦に負け越した与田ドラゴンズ!正念場の5月にファンとしての思いは?

12連戦に負け越した与田ドラゴンズ!正念場の5月にファンとしての思いは?
論説室コラム

12連戦に負け越した与田ドラゴンズ!正念場の5月にファンとしての思いは?

 2019年5月10日(金) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

6年連続Bクラスというものは重いものなのだと痛感させられた。
与田剛新監督が率いる中日ドラゴンズは、最大10日間という大型連休、「平成」から「令和」という時代をまたいで12連戦を戦った。4つすべてのカードで負け越し、結果は4勝8敗。連戦前に11勝11敗で3位だった成績は借金生活になり、昨シーズンと同じBクラスに転落した。

笠原投手の誤算から・・・

12連戦の初戦、今季の開幕投手もつとめた期待の3年目左腕・笠原祥太郎投手が体調不良で先発登板を回避したことは大きな誤算だった。しかし、このゲームは4番ダヤン・ビシエド選手の逆転3ランで勝利をおさめ幸先良いスタートを切ったのだが・・・。
勝てるゲームを落としたことと、大量失点をするゲームが目立ったこと、この2つが12連戦の印象である。そしてこれは、多くのドラゴンズファンが傷として心に持っている昨季までの哀しいトラウマだ。開幕34試合を戦い、ファンとして再びその瘡蓋(かさぶた)が剥がれてきた感覚もある。痛い。

大野雄大の復活と新星の登場

しかし、この12連戦の中、昨シーズンまではお目にかかれなかった特筆すべきことがあった。
5月7日広島東洋カープ戦での大野雄大投手のピッチングも見事だった。入団以来、大野投手の投球を見守っているが、生涯のベストピッチではなかっただろうか。
そして、最も驚かされたのは平成ラストゲームとなった4月30日、東京ドームの讀賣ジャイアンツ戦である。高卒2年目の伊藤康祐外野手が、なんとプロ初出場で「1番レフト」開幕スタメンを飾ったのだ。こうした新鮮な刺激を待っていた。

課題(1)投手陣の整備は?

シーズンが始まる前、新生・与田ドラゴンズの課題として2つのポイントを挙げた。
1つ目は「投手陣の整備」。昨シーズン63勝の内、13勝をあげたオネルキ・ガルシア投手はじめ松坂大輔投手(6勝)小笠原慎之介投手(5勝)ら、合わせて29勝分が開幕時にはマイナスだったのである。これをどう補っていくかが最大の課題だったのだが、開幕当初からの先発陣の踏ん張りとリリーフ方程式の確立、そしてベンチによる投手起用の妙によって4月まではクリアできていた。

課題(2)上昇への起爆剤は?

2つ目の課題に挙げたのが「上昇への起爆剤」だった。
組織には必ず活性化が必要だ。そして過去にいろいろなチームの監督が、若手を中心に「起爆剤」として上手く選手を起用してチームを上昇させた。
今季のドラゴンズの「起爆剤」として多くのファンがスーパールーキー根尾昂選手に期待したのだが、相次ぐけがによってその役目を果たせていない。そんな中での伊藤選手デビューである。1回表のプロ初打席でいきなりセンター前ヒット。さらにその裏の守備ではフェンス際の打球を果敢に処理して投手を助けた。この2つのプレーがチームに新たな活力を与えたことは間違いないだろう。3対1での勝利だった。

伊藤よ!清宮と村上に負けるな

伊藤選手は愛知県蒲郡市出身の19歳、北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手や東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手と同じ学年で、甲子園でも活躍した。ドラゴンズの地元・中京大中京高等学校からドラフト5位で入団。見事なデビュー戦だったが、それを起用した与田采配に、昨シーズンまでとは違う思い切りの良さと腹の括り方を見た思いだった。12連戦の最終戦にもスタメン出場してプロ初打点を挙げた。

6年連続Bクラスの重荷

しかし起爆剤はあくまでも一時的に勢いをつけるもの、カンフル剤だけでシーズンを勝ち続けることはむずかしい。この12連戦を見る限り、チーム全体としては波に乗り切れない状態が続いている。
時おり顔を覗かす長年Bクラスのひ弱なドラゴンズの姿。それに対し采配の妙によって懸命に蓋をして克服しようとする首脳陣。そんな「もぐら叩きゲーム」を見せられているような12連戦だった。
冒頭の言葉をくり返す。6年連続Bクラスというものは重いものなのだ。

与田監督の「目」に期待

キャンプから選手をじっと見続けて采配を振るう与田監督には、長年低迷するチームの現状をじっと見極めてもらいたい。そしてここしばらくドラゴンズであまりお目にかかれなかった大胆な若手選手起用を披露しながら、今季のスローガンである「昇竜復活」をめざしてほしい。
このほどセ・リーグが発表した開幕から第1クールまでの観客動員数で、リーグ全体として観客が増えている中で、ドラゴンズの本拠地は13試合で前年同期比マイナス2.9%と観客が減っている。残念な途中経過である。

グラウンドで戦うのはもちろんユニホームを着た選手たちだが、ファンとしても一喜一憂しながら一緒に踏ん張ってみたい。ナゴヤドームの歓声は間違いなく選手を鼓舞するはずである。6年連続Bクラスからの脱出には覚悟が必要だ。ベンチにとっても、そしてファンにとっても。そんな最初の正念場、「令和」最初の5月がいく。

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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