【日めくりドラゴンズ】きょう28歳になった7年目の中日・福谷。今シーズンの目標は「一年間一軍に」

【日めくりドラゴンズ】きょう28歳になった7年目の中日・福谷。今シーズンの目標は「一年間一軍に」

12月。ナゴヤ球場の屋内練習場で、壁当てをする福谷の姿があった。この日に限らず、自主トレ期間中、福谷が一人で練習する姿をよく見かけた。選手同士でキャッチボールをしたり、ブルペンで投球練習をする選手もいる中、一人、黙々と。

「それぞれ状態も違うし、目指すところも違うのだから、みんなが同じ練習をしていればいいわけではないと思う。個々で違ってくるはず。今の自分は、肩や股関節の可動域が広がっていて思い切り投げると故障しそうだから、無理がないように、体に任せてボールを投げています。」

ここ2年は登板数が30試合に届かず、防御率も5点台。与田新監督の下で迎える7年目のシーズンに懸ける思いは人一倍だ。

プロ初セーブは思わぬ場面で

そんな福谷にここまでのプロ生活で印象的な場面を挙げてもらうと、2年目のプロ初セーブの試合を挙げた。

2014年8月6日の広島戦。3-2と中日の1点リードで迎えた9回表。マウンドには守護神・岩瀬。しかし、1死二塁、エルドレッドに対して2ボール2ストライクとなった場面で、アクシデントが襲う。

※ラジオ実況
《ちょっといま、タイムという形で、キャッチャー・谷繁とピッチャー・岩瀬、そして友利コーチも出てきました。なにかありましたか。谷繁が心配で声をかけて、いや大丈夫だと、制したような感じにも見えましたけどね。そして心配して友利コーチもマウンドにきたと、そんな感じがあるんですけれども…》(久野アナ)

結局、岩瀬は負傷交代。福谷の名前がコールされた。2年目のこの年は中継ぎとして一軍に定着。この時点ですでに50試合に登板し、28ホールドを挙げていた。

「行くかもとは言われていて、気持ちは切らさずにいた。」

※ラジオ実況
《マウンド上、福谷。大事なところ、大きな場面で登場しています。第5球!空振り、三振!》(久野アナ)
《第7球を投げました!軽く合わせた、センターフライだ。OK、OK、右中間。大島がウイニングボールを捕った!試合終了です!福谷、うれしいプロ初セーブです!》(久野アナ)

2ボール2ストライクからという難しい場面での登板だったものの、エルドレッドをフォークで空振り三振。続くキラは歩かせるも、田中をセンターフライに打ち取ってゲームセット。緊急登板ながら見事な投球を見せ、プロ初セーブをマークした。
しかし状況が状況だけに、複雑な思いだった。

「喜んでいいのかな、という気持ちがありました。ベンチも騒然としていて、岩瀬さんの存在の大きさを改めて感じた。」

過去を目指すのは嫌い

このシーズンはリーグ最多の72試合に登板。防御率1.81を記録し、32ホールド。岩瀬が離脱したこの試合以降はストッパーを務め、11セーブ。9月21日の阪神戦ではプロ初勝利も挙げた。
この2014年は、ここまでのプロ生活の中では最高の成績だが、その時の自分を追い求めることはしないと言う。

「怖いもの知らずで投げていた部分もあった。前の年に痛めた部分があって、その部分を使わずに投げていて、たまたま結果が出ただけのこと。ただ、ずっとそこを使わずに投げ続けるわけにもいかない。過去を目指すのは嫌いですし、自分が目指すところはそこではない」

新年は球場神社から

福谷の一年は、ナゴヤ球場の内野スタンド後方にある球場神社への参拝から始まる。毎年、新年最初に球場に来たらお参りするのだという。
7年目となる今シーズンの目標を聞くと、我々が求めがちである「○○試合登板」「○勝」などという安直なものではなかった。

「チームのAクラス入り、そのピースとなれるように。先発でもリリーフでも、やれと言われればどこでもやれるよう、アピールしていきたい。」
「あえて数字の目標を掲げるとしたら、一軍の登録日数。大きいケガも、小さいケガもすることなく一年間一軍にいること。」

Aクラス奪還へ。ドラ1右腕の復活は、重要不可欠なピースだ。

【CBCアナウンサー 榊原悠介
中日ドラゴンズ検定1級。日付からドラゴンズの過去の試合を割り出せる特技を持つ】
毎週水曜日連載。

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