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ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

お帰り田中将大!竜のエース大野雄大との“沢村賞”対決が待ち遠しい

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お帰り田中将大!竜のエース大野雄大との“沢村賞”対決が待ち遠しい | ドラの巻【昇竜復活へ!CBC中日ドラゴンズ情報】 | CBCテレビ・CBCラジオ

春季キャンプに合わせて、野球ファンにとってはもちろん、新型コロナウイルスによって重苦しい空気に包まれている日本列島にとっても、ひと足早い春風が吹いたような心地よいニュースだった。田中将大投手の日本球界復帰である。

■本音で語った日本球界復帰

率直で正直でそして誠実で、実に気持ちのいい入団記者会見だった。最も注目したかったことは、「なぜ日本に帰ってきて投げるのか?」という理由をどう語るのかであった。
まさに自らの投げる剛球のように、ズバリと本音で語ったことに驚いた。一義的にはニューヨーク・ヤンキースに残りたかったという気持ちである。
「ヤンキースで再契約してプレーしたいとの思いがあった」
さらにメジャー他球団から声がかかっていたことも明らかにした。
「大きなオファーもありました」
その上で、かつて所属していた東北楽天ゴールデンイーグルスを選んだ理由を熱く語った。
「また必ず帰ってきて、キャリアの晩年ではなく、どこかのいいタイミングでバリバリ投げたい思いはあった」
投げる舞台としての楽天イーグルス。その本拠地である宮城県仙台市、2021年3月11日に10年を迎える東日本大震災が言葉として続いた。
「震災から10年という年。近くにいることで、また僕にできることがたくさんあるかもしれない」
仙台のそして東北の皆さんの歓声が、遠くにいても聞こえてくるようだ。それがこよなく嬉しい。

■開幕24連勝の衝撃は忘れない

田中将大という投手の歩みについて、今さら多くを語る必要もないだろう。
駒大苫小牧高校3年生の2006年夏、甲子園決勝での早稲田実業高校・斎藤佑樹投手との2日間にわたった熱投戦は、真夏の列島に大きな感動を巻き起こした。そして楽天イーグルスに入団。18歳でいきなり11勝を挙げて新人王を獲得し、“エース道”を歩む。
圧巻は東日本大震災から2年後の2013年、開幕24連勝で負けなしという“とてつもない記録”で、チームをリーグ優勝と日本一に導いた。シーズンMVPはもちろん、2度目の沢村賞を引っ提げてヤンキース入りし、メジャーを舞台に6年連続2ケタ勝利という活躍だった。7年の契約が満期となった機会での、古巣・楽天イーグルス復帰となった。

■マー君にも楽天にも拍手を!

かつて讀賣ジャイアンツで球団代表をつとめた清武英利さんの著書に『サラリーマン球団社長』(文藝春秋刊)がある。阪神タイガースと広島東洋カープ、畑違いの業務から球団の幹部になった2人を描いた痛快なノンフィクションだが、主役のひとり、広島カープの鈴木清明氏は、球団本部長だった当時、田中投手と同じヤンキースで活躍していた黒田博樹投手のカープ復帰を実現した。メジャーで活躍する黒田投手と連絡を絶やさず、度々渡米して登板試合を観る。帰国する度に会う。国際電話をかける。そして2014年12月26日に、米国からちょっと遅れのクリスマスプレゼントが届く。
「僕は帰ります!」
黒田投手からの国際電話。帰る先は広島カープだった。
鈴木さんにとっての喜びは、こう綴られている。
「鈴木はその電話の着信履歴を保存するために、スマホの機種変更をした。記録そのものが彼の宝となった」(清武英利『サラリーマン球団社長』文藝春秋・2020年)
田中投手の復帰を実現した楽天イーグルス球団、その交渉と熱意に心からの敬意を表したい。背番号「18」を7年間ちゃんと空けておいた心意気も胸を打つ。

■竜のエース大野雄大が待つ!

“現役バリバリのメジャーリーガー”田中将大投手の日本球界復帰で、2021年シーズンは俄然面白くなった。「1988年世代」と言われるプロ野球選手群の中に、中日ドラゴンズの大野雄大投手がいる。田中投手が2度の沢村賞投手ならば、こちらは“最も新しい”沢村賞投手である。
2020年シーズンは新型コロナの影響で大きく日程が変更され、セ・パ交流戦もなくなってしまったが、今季は順調にいけば、ドラゴンズは6月8日から仙台の地で、イーグルスと3連戦を戦う。左右の“沢村賞投手対決”に早くも思いを馳せる。熱い投手戦が観たい。
残念なことに、ドラゴンズは過去これまで田中投手と7試合対戦して、4つの白星を献上し、実は一度も勝てていない。田中投手からの初勝利を、竜の背番号「22」が手にしてくれることをつい夢見てしまう。

「こだわりたいタイトルは何ですか?」
会見での記者からの質問に、田中将大投手は即答した。
「日本一です」
最多勝でも、最多防御率でも、最多奪三振でもない“チームとしての”タイトル。それもリーグ優勝を飛び越えての日本一。その心意気もレベルが違う。コロナ禍2年目で迎える不安なシーズンだが、プロ野球は間違いなく、多くの人々を勇気づけるだろう。
ありがとう、田中将大投手。でもドラゴンズも負けませんよ。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

<引用>清武英利『サラリーマン球団社長』(文藝春秋・2020年)

画像:CBCテレビ:画像『pixabay』よりヤンキー・スタジアム

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