アメリカのドナルド・トランプ大統領は12日、アメリカ海軍がホルムズ海峡への出入りを試みるあらゆる船舶に対する封鎖措置を開始すると表明しました。海峡を通行する船舶の管理を目指す狙いと見られますが、世界のエネルギー供給はさらに混乱の様相を呈しています。4月13日放送の『CBCラジオ#プラス!』では、この封鎖措置の狙いや同盟国への不満について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。イランとアメリカ、二重の封鎖これまでホルムズ海峡ではイランが封鎖を行ない、許可を取った国や通行料を支払った国、アメリカやイスラエルへ味方していない国など、条件をつけてわずかな船舶だけを通している状態でした。ここにアメリカが加わり、今後はすべての船舶を通さないと宣言したのです。アメリカが特に問題視しているのは、イランに通行料を支払って通過した船舶です。こうした船に対して臨検を行ない、場合によっては拿捕すると表明しています。石塚「一番大きなのは、イランがそこを通す船を選ぶことによってお金を稼ぐ。それが軍事に充てられる可能性もある。そういうお金をイランに勝手に払わせないぞ、払った国を許さんぞと、こういうことですよね」合意なき封鎖の危うさこの措置についてイランとの合意があるわけではありません。双方がそれぞれの立場を主張しているだけで、了解事項は何もない状態。事態がより深刻化する可能性もあります。一般の船舶を臨検・拿捕する行為は国際法に違反します。また、実行するにはアメリカが軍艦を派遣して待機させなければなりません。石塚「戦争の火種をわざわざ持ってってるようなもんですよ」一方、イランはアメリカの艦艇が近づけば攻撃すると反発しています。矛盾する封鎖の代償さらに懸念されるのが経済への影響です。イランだけでなくアメリカも船舶を完全に止めれば、エネルギーの流通はいっそう滞り、原油価格の上昇は避けられません。石塚「トランプさんはカッとなったから『俺たちが止めるんだ!イランが儲からないようにしてやるんだ』ということなんでしょうけど、ぐるっと回ってくるとアメリカ国内の経済が悪くなるんで、トランプさんの支持率はまた下がりますよ」石塚はなぜそのような矛盾した行動を取るのかと疑問を呈し、トランプ大統領の「思いつき」という見方を示しました。日本を名指しで批判加えて、トランプ大統領は再び日本を名指しし、不満を表明しています。「アメリカは日本を守っているにもかかわらず、少しの助けを求めても応じてくれない」という主張で、機雷の撤去などに関しても改めて批判を繰り返しました。日本だけでなく、ヨーロッパやオーストラリア、韓国もアメリカへの協力には応じていません。石塚は、戦争開始時の経緯に立ち返って疑問を投げかけます。石塚「戦争を始めるとき、どこにも相談してないわけですし。国際法にも怪しい、違反してるような攻撃を、アメリカの議会にも同盟国にも相談してない。きっとうまくいってたら『どうだ、すごいだろう』で終わりだったんですよ。うまくいかなくなっちゃったんで、『助けてくれ』って慌てて声かけてる。それで助けてくれないと不満を言ってるのは、ちょっと何をか言わんやですよ」同盟国への相談なく始まった戦争の矛盾が、ホルムズ海峡をめぐる混迷をいっそう深めています。(minto)