元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、12月6日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演。「ピッチャーが嫌がるバッター」について、経験を基に解説しました。聞き手は若狭敬一アナウンサーです。ドラゴンズの二番打者まずは若狭が、今年のドラゴンズの二番から六番打者の成績を紹介しました。二番打者、2割2分1厘でセ・リーグ6球団でワースト。三番、2割5分9厘でリーグ・ワースト。四番は打率は置いといて、打点64はリーグ・ワースト。六番、打点が僅か28。これもリーグ・ワースト。二番から六番。進塁させて点を取る役割の打順で迫力不足でした。逆に一番バッターは打率3割。出塁率3割5分2厘。打率、出塁率ともにリーグトップ。塁に出た一番バッターを、二番バッターはどう進塁させるのでしょうか?川上「プッシュ送りバントのようなセーフティーっぽくできるバッターがいると、また野球も変わって来るんじゃないかなって感じもするんです」現役時代の経験を踏まえて解説していきました。こんなバントは嫌だ川上「プッシュ送りバントみたいなのをされると、意表を突かれるんですよね」例えばピッチャー川上、ランナー一塁。一塁ランナーは盗塁してくるのか?送りバントなのか?打つ構えをしているがセーフティーバントなのか?など、ピッチャーはいろいろと考えるそうです。バントに備えて、ピッチャーはバント処理の仕方を訓練されているとか。バントの時はホーム側に降り、ちょっとサード側に球が寄っていっても、なんとか一塁へ投げて処理できるそうです。川上「バントの構えされて、セカンドにプッシュされるような感じだと、意表を突かれるんですよね。えっ?ってなるんで、結構そういうの嫌だったんですよ」守備陣へのプレッシャー川上「そういうことを仕掛けられると、スタートが遅れるんですよ」送りバントの構えをされても、このチームはセオリー通りサード側に転がすのではなく、セカンドにコツンと当ててくるかもと考えると、普通のボテボテのピッチャーゴロでも、気持ちが遅れる分、一塁送球が間に合わなくなるそうです。川上「僕はそれで遅れてたって感じた時があったんです。そういうのができるチームは、気がつけば相手の守備陣にプレッシャーを与えてアップアップさせてくると思うんですよね」川上さんが現役時代、セカンド方面プッシュ系のバントをしてきそうな気配を感じる選手が、東京ヤクルトスワローズの宮本慎也さんだったそうです。川上「ちょっとサードにしそうな雰囲気で、気がついたらセカンドに方にやられたことがありました」今だと広島東洋カープの菊池涼介選手がやりそうだとか。ダメな動きは?川上「こういう送りバントの微妙な動きは、オープン戦でやられても、ずーっと考えるんですよ。そういった細かい動きができるといやらしいチームかなと思います」ちなみにダメな動きは?川上「ツーランスクイズみたいなのあるじゃないですか。ランナーがこけて、サードランナーが入るみたいなの。これは通用しないと思うんですよ」これは、ここぞという時しかやってはいけない作戦。それで騙されるピッチャーは限られるのでバレます。しかもピッチャーにとって慣れたらOKなので、1回しか使えないとか。これは「ズッコケ大作戦」と呼ばれ、2024年春のキャンプで立浪和義前監督が練習していました。今年の7月には井上一樹監督が広島戦で仕掛けて失敗しました。山本由伸投手のすごさ川上「で、今回ドジャースのワールドシリーズ第7戦を思い出してください」同点の9回裏。ワンアウト、一、二塁でリリーフした山本由伸投手が抑えました。10回も抑え、11回に味方のソロホームランで1点勝ち越し。これを抑えればワールドチャンピオンという11回裏。ノーアウト、二塁。ここで送りバントをされます。川上「微妙なピッチャーの動きを見て、あのバッターはサード側に、あの場面で日本人でもできないような送りバントを決めてるんですよ」バントを決めた相手を絶賛する川上さん。さらにその上を行ったのが山本投手。素手で捕って冷静にファーストに投げてアウト。川上「あれを普通にファーストへ投げてきっちりアウトにできた運動神経の良さと冷静さ。あの場面はMVP取れる証だと思うんですよね。守備大事です」ピッチャーにとって嫌なバッターの話が、最後には送りバントを処理できるピッチャーのすごさに逆転しました。ピッチャー出身の川上さんならではの面白さです。(尾関)