身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。ドクターは、東京科学大学大学院歯周病学分野主任教授歯学博士岩田隆紀先生です。今回のテーマは「〜命に関わることも!?最強の歯周病菌〜「レッドコンプレックス」を排除せよ」歯周病は15歳以上の2人に1人が罹っていると言われる、まさに国民病。歯周病を引き起こすのは口の中に生息する歯周病菌ですが、なかでも全身に悪影響を及ぼすと言われているのが「レッドコンプレックス」。レッドコンプレックスは、数十種類いる歯周病菌の中でもとりわけ極悪な3つの菌のこと。繁殖すると歯を失うだけでなく、血管内に侵入して全身を巡り「心臓病」や「糖尿病」など命に関わる病の引き金になるそうです。そこで今回は、命の危険にもつながる歯周病の恐ろしさと正しいケア法を専門医に教えてもらいました。あなたはいくつ当てはまる?歯周病セルフチェックCBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』下記の項目に当てはまる項目が多いほど歯周病のリスクが高くなるそうです。□歯がグラグラする□歯茎から血や膿が出る□前よりも歯茎が短くなってきた□口臭が気になる歯周病について<歯周病とは?>歯周病は、歯の表面に付着している歯垢、プラークとも呼ばれる細菌のかたまりが原因となって起きる歯茎の感染症。大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに分類されます。歯肉が腫れている状態のことを「歯肉炎」といい、歯肉炎を放置していると歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)が溶けてきます。この骨が溶けている状態を「歯周炎」と呼ぶそうです。<歯周病を引き起こす原因「磨き残した歯垢」>先生によると、推奨の歯磨き回数は1日3回。しかし、3回歯磨きをしていても歯垢は意外と残っており、磨き残しを放置することで歯周病になるリスクが高くなってしまうのだとか。さらに、歯だけでなく舌の汚れにも要注意。舌の表面に付着する白いコケ状の汚れを「舌苔(ぜったい)」と言います。舌苔は、歯垢と同じような細菌の集まり。舌と歯は常に接触しているため、舌に汚れが残っていても歯周病のリスクが高まるそうです。命の危険!?最強の歯周病菌「レッドコンプレックス」<歯周病が命に関わる病気を引き起こすことも>歯周病は、痛みなどの自覚症状が無いのも大きな特徴。気づかずに放置していると、糖尿病や心臓病など、命に関わる病気を引き起こす可能性もあるそうです。<心臓病や糖尿病を引き起こす最強の歯周病菌「レッドコンプレックス」>歯周病を引き起こす細菌の種類とその病原性の強さをピラミッド型の図で表したものを「歯周病ピラミッド」と言います。最下層は、幼少期から口中にある常在菌群。オレンジ色で示される2段目は、思春期の頃に現れる歯周病菌で歯肉の炎症を促進させます。そして、歯周病ピラミッドの頂点にいるのが3つの歯周病菌「レッドコンプレックス」。PG菌・TD菌・TF菌の3種類で、これらが歯周病の重症化や骨の破壊などを招くそうです。<レッドコンプレックスの中でも最も凶悪「PG菌」>レッドコンプレックス3種類の中でも最も凶悪と言われているのが「PG菌」。PG菌は、歯周ポケットから血管内に入り全身に運ばれ、血管に付着することでプラークの形成を促進。このプラークが血管を詰まらせると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるそうです。<歯周ポケットが4mm以上の場合は要注意!>先生によると、レッドコンプレックスは歯周病になった人の多くから見つかっているとのこと。歯周ポケットが4㎜以上の人からは、かなり高い可能性でPG菌が検出されているそうです。歯周病の検査方法<(1)歯の揺れを確認「動揺度検査」>動揺度検査とは、歯周病の進行度合いを調べるために歯の揺れ具合をチェックする検査。正常でも0.2mm程度は揺れるそうです。<(2)歯肉の深さ「歯周ポケット検査」>歯周ポケット検査は、歯と歯茎の境目にある溝の深さを測定し、歯周病の進行度合いを調べる検査。また、器具を刺した時に血が出た箇所もチェックするそうです。<歯周ポケットの深さと歯周病の進行レベル>歯周ポケットが4mm以上あると歯周炎と診断され、深いほどレベルが高くなるそうです。・3mm以下正常(正常な歯)・4mm軽度(自覚症状がほとんどない)・5〜7mm中等度(出血や歯茎の腫れがある)・8mm以上重度(歯がグラグラする)<(3)骨の状態を確認「X線検査」>X線検査は、歯・歯茎の状態を観察するために撮影する検査。骨が溶けているかどうかで歯周炎を判断することができるそうです。<レッドコンプレックス検査>専用の歯間ブラシや唾液などから菌を摂取して、レッドコンプレックスの量を調べることができるそうです(※検査によって測れる菌の種類は異なります)。<出血がある場合は一度病院へ>歯肉炎は歯周病の初期段階。放置すると症状が進行してしまうので、歯を磨いた時に出血がある場合は、一度歯医者さんで診てもらいましょう。レッドコンプレックスが全身に与える影響CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』<(1)糖尿病>先生によると、特にPG菌が出す毒素により、インスリンの効きが悪くなってしまうとのこと。それにより血糖値が上昇して、糖尿病のリスクが高まると考えられているそうです。<(2)認知症>まだ研究段階ではあるそうですが、PG菌は脳内でアルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβの蓄積を促進し、脳の炎症を引き起こすという事が近年分かってきたそうです。レッドコンプレックス撃退!正しい歯のケア方法恐ろしい歯周病菌を退治するのに大切なのは、正しい口腔のケアだそうです。<レッドコンプレック撃退法!(1)45度>レッドコンプレックスは酸素に弱いため、歯の隙間や歯茎の間など酸素の届きにくい場所に好んで生息しています。歯周ポケットは酸素が少ないため、温床になりやすいのだとか。そのため、歯ブラシはポケットの中に毛先が入りやすくなる45度を意識して、歯と歯茎の間に当てて3mm幅で1本ずつ丁寧に磨きましょう。<レッドコンプレック撃退法!(2)L字>2つ目はL字の歯間ブラシ。歯ブラシだけでは歯垢は6割程度しか除去できませんが、歯間ブラシを使うことで9割以上に上がるというデータもあります。しかも、奥歯は歯ブラシが届きにくく、歯周ポケットが深くなりがち。L字の歯間ブラシを使う事で前歯だけでなく奥歯にも届きやすくなるそうです。1つの隙間につき、手前と奥の歯に押し当ててそれぞれ4往復しましょう。<レッドコンプレック撃退法!(3)すすがない>最後の仕上げで行いたいのが「マウスウォッシュ」。マウスウォッシュで菌を流すことで歯周病予防がより効果的になるのだとか。眠っている時は口の中に細菌が増えるので、眠る前に使い、そのまま吐き出して終わりにしましょう。水ですすぐと、薬の濃度が減ってしまうそうです。<歯周病予防に重要!舌専用ブラシの使用>舌の表面に付着する舌苔と呼ばれる汚れや細菌を取り除くために作られた舌専用のブラシがあるのだとか。舌の汚れは、週に2回程度舌専用ブラシで掃除することが推奨されているそうです。<正しいフロスの使い方>先生によると、フロスは使い方が難しく、使い方を間違えると歯肉を傷つけてしまうことがあるのだとか。フロスを使う際は、歯と歯の間にフロスを当て、歯の根元から先に向けて動かすことで歯茎を傷つけずに掃除することができるそうです。正しい歯のケアが大切歯周病は、正しい歯のケアを行えばかなり予防できるそうです。しかし、家庭での歯磨きではどうしても歯垢が残ってしまうのだとか。そのため、普段家庭でしっかりケアをしている人も3〜6か月に一度は歯科医院へ行き、チェックと掃除をしてもらうことが大切だそうです。(2025年10月5日(日)放送CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)