寒いとお腹が痛くなるのはどうして?専門医が解説

寒い日に外出すると急にお腹が痛くなったり、身体が冷えてトイレに行きたくなったりした経験を持つ人は多いのではないでしょうか。「お腹を冷やすとお腹を壊す」と昔からよく言われますが、医学的にも冷えと腹痛には深い関係があります。11月5日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、スマートクリニック代表で整形外科医の福田誠先生が、冷え対策とお腹の痛みのメカニズムについて解説しました。聞き手は宮部和裕アナウンサーと山本衿奈です。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く冷えと腹痛の関係
身体が冷えたからといって必ずお腹を壊すわけではありませんが、寒さをきっかけに腹痛や下痢などの症状が出るケースは少なくありません。福田さんによると、この現象には「自律神経」が強く関係しているそうです。
自律神経は、心臓の動きや血管の収縮、胃腸の働きなど、人が意識してコントロールできない身体の機能を調整しています。寒い場所へ行くと、身体は熱を逃がさないように血管を収縮させ、自律神経のバランスを変化させます。
この変化が腸の動きにも影響を与え、腹痛や便意を引き起こします。
福田「もともと腸が過敏な方では、寒さや緊張、ストレスなどもきっかけに症状が出やすい場合があります」
受験シーズンや大事な仕事の前にお腹が痛くなるのも、腸が自律神経を介して心身の状態に影響を受けやすいためです。
宮部「ありましたありました。テスト終わるともうけろっとしてるんですけど、テスト中はお腹痛くなりましたね」
さらに、睡眠不足による疲労など複数の要因が重なることで、症状が出やすくなります。また、冷たい飲み物を一度に多く摂ることも腸への刺激となるため、冬場は温かい飲み物などで身体を内側から温めることが大切です。
温めるだけでは危険?
冷えによる軽い腹痛であれば、温かい部屋への移動、腹巻きなどの衣類での保温、温かい飲み物を少量ずつ飲むこと、入浴などで身体を温めてリラックスすると和らぐことがあります。
しかし福田さんはここで警鐘を鳴らしました。
福田「寒かったら、イコール全部お腹が冷えただけだろうと自己判断してしまうのもちょっと注意が必要なんですね」
腹痛には、胃腸炎、虫垂炎(いわゆる盲腸)、胆石症、尿路結石など、冷えとは関係のない医療機関での治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。
特に以下のような症状がある場合は、自己判断せず医療機関の受診を検討しましょう。
・我慢できないほどの強い痛みや、どんどん悪化する痛み
・発熱、嘔吐、便の色の異常を伴う場合
・足踏みをトントンとしたときにお腹に響く痛み(腹膜刺激症状)
また、高齢者の場合は症状が典型的にあらわれないことがあります。脳梗塞のように腸の小さな血管が詰まって血流が悪くなる「虚血性腸炎」などもあるため、いつもと違う痛みを感じた場合は我慢せずに受診することが推奨されます。
日常のお腹の守り方
日頃からお腹を冷やさないためには、お腹周りだけでなく身体全体を温める意識が欠かせません。外出時は手足や腰周りに冷たい風が当たらない服装を心がけ、室内では暖房を活用して適温を保つことが大切です。
ただし、防寒対策における注意点もあります。
福田「最近はウエアも良くなってきましたから、結構暑すぎて汗かいちゃうことありますよね」
宮部「さっきの腹巻きもそうです。早すぎるとかえって汗で冷えちゃって」
福田「気化熱によって壊れるので、暑すぎず、暑くなったら1枚脱ぎやすい格好。これも調整として大事かもしれません」
寒さが一段と厳しくなるこれからの季節。体全体の保温とこまめな温度調整を意識しながら、体調管理に気を配って冬を乗り切りましょう。
(ランチョンマット先輩)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。







